“時刻を知るためのもの”『時計』についてです。
■今週(6/7~6/11)のテーマ:『時計』
6/7(月) 『時計の歴史』
時計が登場するまで、人々は太陽の位置でおおよその時刻を
知っていたと考えられています。
そんな中、紀元前4000年頃、世界で初めての時計、日時計が
エジプトで作られました。
これは地面に棒を立てて、太陽とその棒が作る影の位置によって
時刻を知ることができたそうです。
エジプトは北半球に位置していて、日時計の影の移動が
右回りだったことから、現在の時計の針も右回りになりました。
ところが日時計は、太陽が出ない雨の日や夜には使えません。
そこで紀元前1500年頃、水時計が作られました。
底の部分に穴が開いたバケツのような容器にお水を入れると、
穴から漏れて段々と減っていきます。
容器の内側には目盛りがあって、そのお水の高さを測ることで
時刻を知ることができました。
そんな水時計ですが、動かすとお水がこぼれてしまいます。
さらに暑さでお水が蒸発したり、寒さで凍ってしまったりと、
お天気によって正確さが変わってしまうこともあったそうです。
そこで発明されたのが砂時計です。
砂時計はお天気に影響されず、持ち運びにも便利で、
ひっくり返すことで何度でも使うことができます。
16世紀には航海の際によく利用されていたそうです。
時計と聞くと、すぐに腕時計や目覚まし時計を思いますが、
時計がなかった時代には太陽や水、砂といった
天然のものを活用していたんですネ。
・・・腹時計っていう時計もありますよネ(笑)
6/8(火) 『砂時計』
砂時計が誕生したのはいつ頃なのか、諸説あるものの、
今もハッキリしたことは分かっていないそうです。
それでも14世紀に描かれた絵に砂時計が登場していることから、
少なくともこの時代には存在していたことが分かっているそうです。
砂時計と聞いて1分や3分、5分、10分のものを
イメージされる方が多いかと思いますが、30分や45分、
60分計れるものもあるそうなんです。
そんな中、1年365日を計ることができる砂時計があります。
それも日本にあるんです。
砂の博物館『仁摩(にま)サンドミュージアム』(島根県大田市)の砂時計、
その名も『砂暦(すなごよみ)』です。
高さ5.2m、直径1mという巨大な砂時計で、
2015年(平成27年)には『世界最大の砂時計』として
ギネスに認定されています。
重さ1トンもの砂がコンピュータの制御によって
わずか直径0.84ミリのノズルから落ちています。
落ちる砂の量は1時間に114g、1日で2740gだそうです。
ちなみに砂の数は約6400億と推定されています。
この『砂暦』は地上8mの空間にありますが、
同じ容器の砂時計がフロアにも設置されています。
凄い!1年かけて砂が落ちてくる。
落ち終わったら1年ですよ~っていう合図ですネ。
この砂が落ちるまでに免許を取ろう!とか
この資格を取ろう!とか
1年かけて何かを達成する時に使うとイイですネ。
一度見に行きたいな。
6/9(水) 『時計の進化』
13世紀から14世紀頃、世界で最初の機械式時計が誕生しました。
『おもりが下に落ちる力』を利用して動く時計で、文字板や針がなく、
鐘を鳴らすことで時を知らせていました。
ところが、1日30分から1時間もズレてしまいました。
そんな中、イタリアの物理学者、ガリレオ・ガリレイさんが
『振り子は同じ長さであれば、大きく振れても小さく振れても
1往復にかかる時間は変わらない』ということを発見しました。
この原理を使ってオランダの科学者、クリスチャン・ホイヘンスさんが
17世紀に振り子時計を発明します。
これによって時計の遅れは1日2、3分に改善されました。
続いて、ホイヘンスさんは“持ち運びできる時計”の開発に乗り出し、
小型化が難しい振り子に代わって、ゼンマイの力を利用することを
思いつきます。
さらに時計の心臓部にあたる『テンプ』を発明して、ゼンマイと
組み合わせることで、持ち歩きできる時計の開発に成功しました。
それでも機械式時計の場合、“1日何秒かズレてしまう”のと、
“ゼンマイを巻かないと止まってしまう”のが欠点でした。
そこで誕生したのが『クオーツ時計』です。
クオーツは『水晶』のことで、テンプとゼンマイの代わりに
水晶と電池を使った時計で、1968年(昭和43年)、セイコーが
世界で初めて商品化に成功しました。
当時のクオーツ時計は1ヶ月に5秒しかズレなくて、
しかも電池で1年も動き続けたそうですよ。
振り子時計と聞くと、『大きな古時計』という歌を思い出しますが、
そこからゼンマイへに変わって、クオーツへと進化していくんですネ。
6/10(木) 『時計の豆知識①』
時刻やカレンダーを自動的に修正して合わせてくれるのが
『電波時計』です。
電波時計は標準電波という電波を受信していますが、
この電波は“10万年に1秒の誤差”といわれる
セシウム原子時計をもとに、日本に2ヶ所ある電波送信所から
送信されています。
その電波を受信して電波からデータを取り出して、
正しい時刻やカレンダーを表示しています。
世界で初めて標準電波を利用した電波腕時計が発売されたのは、
1990年(平成2年)、ドイツです。
そして6月10日は『時の記念日』です。
『日本で初めて時刻が定められた日』で、
飛鳥時代の671年、天智(てんじ)天皇が水時計を使って、
日本で最初に時を知らせたことに由来しています。
これが現在の暦で6月10日にあたります。
『時の記念日』として定められるようになったのは、
1920年(大正9年)です。
当時は時間に対する意識があまり高くなかったそうで、
そこで時間をキチンと守って、規則正しく効率的な生活を
習慣づけることを目的に『時の記念日』が誕生しました。
電波時計は正確ですよネ。
自分で時間を合わせなくてイイんですもんネ。
でも、時間の概念って不思議ですよネ。
夢中で没頭していると、時間が経つのを忘れてしまったり、
撮影とかで昼間に窓に暗幕を張って夜のシーンを撮影していると
体内時計もおかしくなって、“あれ?今、何時だろう?”なんてことはよくあります。
それにしても、時間とともに私たちは生きているんですネ。
6/11(金) 『時計の豆知識②』
時計のことを英語で『クロック』とか『ウオッチ』といいますよネ。
この違いですが、掛け時計や置時計のように“同じ場所で使って、
基本的に持ち運びしない時計”のことをクロック、
腕時計や懐中時計のように“持ち運ぶことを目的とした時計”のことを
ウオッチとしています。
ところで腕時計をされる時、文字盤の向きは男性が外側、
女性は内側に向ける人が多いとされています。
男性の場合、文字盤を内側に向けると、手首を動かすたびに
リューズが手のひらに当たってしまいます。
特にメンズ用の時計は文字盤が大きいので、特にそうなります。
そういった理由から、文字盤は外側に向ける人が多いそうです。
それに対して、女性が文字盤を内側に向ける理由として、
着物の影響というのがあります。
女性の着物には脇の部分に『身八つ口(みやつくち)』と呼ばれる
スリットが入っています。
これは着崩れを防いだり、赤ちゃんに授乳しやすいように
入っていますが、腕を上げた時、この『身八つ口』から
胸が見えてしまいます。
そこで当時の女性は、腕を締めて脇が開かないように心掛けていました。
ところが、腕時計の文字盤を外側に向けると時刻を見る時、
脇を上げなければいけません。
それが内側なら、手首を返すだけで見られますよネ。
そういった習慣から内側にするようになった・・・と考えられています。
なるほど。私は普段、外側に向けて付けていますが、
ドラマなどで昭和やそれ以前の時代のものの場合は、
内側に向けて付けるようにしていました。
この頃はスマホで時間を見る人が増えているかもしれませんが、
腕時計や置時計の良さってありますよネ。
■今週の感想
時計は私たちの生活に欠かすことができない
とても大切なものですが、歴史とか構造とか知らないことが多くて、
改めて時計の世界の奥深さが分かりました。
時刻が数字で表示されるようになった時は、
ある意味、感動でしたよネ。
時計の進化によって、私たちの生活も変わってきましたよネ。
電波時計の正確さなんて、ただただビックリです。
ちなみにこの番組の収録の時、スタジオのテーブルのところに
デジタル表示の時計があって、時々それを見ながら、
あと何秒くらい話せるかな?と確認しながらお話しています。
【お知らせ② 次週(6/14~)からのテーマ】
種類もいろいろありましたネ!『カセットテープ』についてです。
【お知らせ③ 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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