小学校に入学されるお子さんが背負う
『ランドセル』についてです。
■今週(3/29~4/2)のテーマ:『ランドセル』
3/29(月) 『ランドセルの語源と発症』
ランドセルの歴史は幕末。
当時の徳川幕府が採用した西洋式軍隊で、
兵隊さんたちが使っていた“布製の背負い式のカバン”
『背(はい)のう』から始まったとされています。
背負うことで両手が自由に使えて、さらに荷物の持ち運びに
とても便利でした。
背のうはオランダ語で、『ransel(ランセル)』と呼ばれていて、
そこから『ランドセル』という言葉が誕生したといわれています。
“ランドセルの発祥”とされているのは、明治時代に開校された
学習院です。
学習院では開校当初から、生徒の服装は制服で統一されていましたが、
通学手段は馬車や人力車だったり、また登校の際にお付きの人に
自分の荷物を預けたりといったように、バラバラだったそうです。
そうした状況を受けて学習院は、『学校では皆平等、家庭環境を
教育の場に持ち込むのはいけない』という理念のもと、
1885年(明治 18年)、馬車や人力車での通学を禁止しました。
さらに『お付きの人に荷物を預けず、自分の手で持って来ること』と
定めましたが、その際に採用されたのが、軍隊用の背のうでした。
現在、国によって様々な通学カバンがあって、
日本と同じように“背負い式のカバン”を使っている国もあります。
そんな中、同じ“背負い式”でも“箱型のカバン”、
いわゆるランドセルは日本独自のものだそうです。
へぇ~、ランドセルは日本語ではないことから、
海外の文化だとばかり思っていました。
小学校6年間を支えてくれた真っ赤なランドセル、
たくさんの思い出が詰まっています。
3/30(火) 『ランドセルの歴史』
1887年(明治20年)、皇太子時代の大正天皇が
学習院に入学される際、当時の伊藤博文総理大臣がお祝いとして、
箱型の通学カバンを献上しました。
これが現在のような“箱型のランドセル”の始まりとされています。
1890年にはランドセルの素材が黒い牛革になり、
さらに1897年には形や寸法が統一されて、
『学習院型』と呼ばれるランドセルが完成しました。
写真を見ますと、今のランドセルと同じ形をしてますネ。
牛革になったことで、使えば使うほど味が出てくる・・といった
色をしていることぐらいですかネ。
それから100年以上経った今も、基本的なスタイルは
まったく変わっていないそうです。
それでも戦前のランドセルは牛革でできていて、
ぜいたくな高級品でしたので、庶民の間では主に風呂敷や
布製のカバンが使われていたそうです。
戦後になると“アルミでできたランドセル”というのも
登場したそうです。
写真を見ますと、一瞬、郵便ポストに見えました。
アルミだけにちょっと硬そうで、中にペンが転がると
カロンコロン鳴りそうな雰囲気があります。
そんなランドセルですが、昭和30年代に高度成長期を迎えると、
全国的に普及するようになりました。
現在、ランドセルの素材は大きく分けると、
本革と呼ばれる天然の革と、
人工的に作られた革の2つに分けられます。
ランドセルの素材でよく耳にされる『クラリーノ』も、
人工的な革の1つです。
ランドセル、素材の変化はあっても、
形は変わらなかったんですネ。
3/31(水) 『ランドセルの構造』
ランドセルは丈夫で、持つ人の動きを妨げない形になっています。
小学生はよく動きますが、特に男の子の場合、
たまにムチャなことをしたりしますから、
そういった点でも小学生にマッチしています。
またランドセルは、中身を守ってくれます。
ランドセルが雨に濡れても中の教科書が濡れることも、
教科書が型くずれしてしまう心配もありません。
ランドセルには『厚み』と『耐久性』があるため、
クッションの働きをしてくれます。
そのため何かアクシデントが起きた時、
例えば背中から落ちた時は衝撃を吸収して、
背中から頭がぶつかるのを防いでくれます
そして、ランドセルは“体に負担がかかりにくい構造”なのだそうです。
背負う時のベルトに工夫がされているので、
重さが全部で2、3キロにもなる教科書やノートを入れても、
それを感じにくくしてくれるそうです。
そうすることで体の負担を最小限にして、
荷物を運ぶことができるということです。
これが例えばランドセル以外のリュックサックを使った場合、
カバンそのものは軽いのですが、重い教科書を入れると肩のベルトが
食い込んでしまったり、歩いたり走ったりするたびにカバン自体が
揺れてしまって、体に負担がかかってしまうそうです。
このようにランドセルは『耐久性』、『機能性』、『安全性』を
兼ね備えた通学カバンなんだそうです。
確かに雨に濡れたり、通学中の事故やケガ、体への負担など
いろいろ配慮しなくてはいけませんよネ。
そうした時にあの形、素材が最適なんですネ。
4/1(木) 『ランドセルの色』
私が小学生の頃、ランドセルの色は、
男の子なら『黒』、女の子は『赤』が定番でした。
それ以外の色もありましたが、オーダーメイドだったそうです。
今のようにランドセルの色がカラフルになったのは、
2000年代になってからです。
特に2001年(平成13年)、イオンが日本で初めて
24色のランドセルを発売してから、“ランドセル=カラフル”という
イメージが定着したと考えられています。
人気の色ですが、昨年、ランドセル工業会が調査したところ、
男の子の場合、定番の『黒(ブラック)』が人気で、
全体の7割を占めています。
2番目は『紺(ネイビー)』で、この2つで8割以上になります。
その中でも“ステッチやフチに赤や青といった差し色が入ったもの”が
トレンドなんだそうです。
そして人気の3番目は『青(ブルー)』でした。
それに対して女の子の場合、人気が分散しているんです。
1位は『赤(レッド)』ですが、23.4%。
2位はスミレやラベンダーといった『薄紫』で、22%。
そして3位はローズなどの『ピンク』で、21.5%ですから、
接戦ですよネ。
ちなみに2019年の調査では2位が『ピンク』で、
3位が『薄紫』だったそうです。
私が子供の頃は選択肢がなかったから悩みませんでしたが、
24色もあると私は選べないですねぇ~。
1年生の時はピンクが良くても、4年生ぐらいになると
茶色が良かったかなぁ~なんてことになりかねませんよネ。
今、自分が背負うなら茶色かな。
4/2(金) 『ランドセルの大きさ』
昭和から平成にかけて教科書やプリントはB5サイズが主流で、
ランドセルもそれに合わせた大きさでした。
その後、教材のサイズが大きくなったため、ランドセル工業会は
1998年(平成10年)、A4サイズを“ランドセルの標準サイズ”と
定めました。
そんな中、2015年頃からスタンダードになっているサイズが
『A4フラットファイルサイズ』です。
A4フラットファイルとは、A4サイズのプリントに穴を2つ開けて
閉じるタイプのファイルのことです。
この『A4フラットファイルサイズ』の場合、
高さが約31cm、幅が約23cmで、
A4フラットファイルがちょうど入る大きさになっています。
このサイズのランドセルをお求めになる方が一番多いそうです。
他にも、『A4クリアファイルサイズ』というのもあります。
プリントなどを入れる時に使うA4のクリアファイルが
スッポリと納まるサイズです。
『A4フラットファイルサイズ』と比べると高さは同じですが、
幅が1cmほど小さいです。
その分、重さも100gほど軽くなりますが、
A4フラットファイルを入れる場合、斜めにしないと
入れることができないのがデメリットなんだそうです。
まったく知らなかったですねぇ~。
形は変化しないのかと思っていましたが、
時代に合わせて微妙に進化しているんですネ。
子供たちの成長に大切な時期の6年間を
支え守ってくれるのがランドセルです。
新年度が始まりますが、みんな、たくさんイイ思い出、作ってくださいネ。
■今週の感想
今年も間もなく、真新しいランドセルを背負った可愛い1年生の
通学姿を見かける季節になります。
1年生の時は体が小さいですから、
“ランドセルを背負う”というよりも
“ランドセルに背負われている”といった感じもしますが、
それがだんだんと体に馴染んでくるんですよネ。
ランドセルに夢と希望をいっぱい詰め込んで、
未来に向かって歩んでいってほしいです。
そんな子供たちの未来のためにも、
新型コロナウイルスを終息させなければなりません。
大人の私たちはお互いしっかりと対策に努めましょうネ。
【お知らせ② 次週(4/5~)からのテーマ】
私がこの番組を担当させていただいてから
2年目を迎えるということで『2年目』です。
【お知らせ③ 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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