春の訪れを感じさせてくれるお花
『桜』についてです。
■今週(3/15~3/19)のテーマ:『桜』
3/15(月) 『桜の名前&さくらの日』
桜という名前の由来ですが、諸説あります。
例えば、『さ』は“田んぼの神様”、
『くら』は“神様の宿る場所”という意味で、
そんなところから“稲の神様の宿る木”とされていたという説。
他にも『咲く』という言葉に、接尾語の『ら』が付いたとする説などがあります。
そんな桜ですが、“春”以外にも
“卒業”や“旅立ち”の象徴といわれています。
また菊と並んで日本の国花とされています。
このように日本人にとって桜は特別なものでもあります。
『さくらの日』というのがあるのをご存知でしょうか?
3月27日です。
これは『日本さくらの会』が1992年(平成4年)に定めたもので
“咲く”の語呂合わせ、3×9=27ということで、
3月27日なのだそうです。
桜は日本の歴史や文化、風土と深くかかわってきています。
そんな桜を通して、日本の自然や文化について
国民の関心を高めることを目的に、この『さくらの日』を
定めたそうです。
そんな桜の花言葉の1つが『精神の美しさ』です。
日本人の精神の美しさは、桜の花に似ているのかもしれませんネ。
冬の間、じーっと我慢して、まだ寒い季節、ぷっくりと蕾をふくらませて
一生懸命、花を咲かせようとしている姿に励まされる気がします。
命は短いけれど、満開の桜の木からは
とてつもないエネルギーを感じます。
3/16(火) 『桜の豆知識』
日本に自生している野生の桜は、全部で9つの種類があります。
ヤマザクラ(山桜)、オオヤマザクラ(大山桜)、
カスミザクラ(霞桜)、オオシマザクラ(大島桜)、エドヒガン(江戸彼岸)、
チョウジザクラ(丁字桜)、マメザクラ(豆桜)、タカネザクラ(高嶺桜)、
ミヤマザクラ(深山桜)の9つです。
この9つの桜を基本にして、そこから分かれて生まれた種類を
合わせると、100種類以上の桜が自生しています。
他にも沖縄には、野生化したといわれる
カンヒザクラ(寒緋桜)という桜があります。
さらに、人の手で育成された品種は200種類以上もあるそうです。
今、ご紹介した中で日本の桜の中で最も代表的な品種が
ヤマザクラです。
主に本州の関東・中部地方から南に自生していて、
別名『シロヤマザクラ』とも呼ばれています。
古くから詩や歌に詠まれている桜は、このヤマザクラのことです。
オオシマザクラは、伊豆大島を始めとする伊豆諸島や
伊豆半島南部に自生する桜です。
そしてエドヒガンは、本州・四国・九州に広く自生する桜で、
早咲きの桜です。
このエドヒガンの枝が垂れたものが、シダレザクラです。
私のふるさと・茨城にも『外大野のしだれ桜』という、
茨城県の天然記念物の桜があります。
“桜”とひとくちに言っても200種類以上あるんですネ。
咲く時期も異なるから日本列島、長い期間楽しめますよネ。
色もいろいろ。白っぽいものから淡いピンク、濃いピンク、
花びらも薄いものから、ぽってりしたもの・・・
どれもこれも可愛いですよネ。
3/17(水) 『ソメイヨシノ』
桜と聞いてソメイヨシノをイメージされる方、多いかと思います。
今や日本にある桜の約8割がソメイヨシノです。
ソメイヨシノは江戸時代、江戸の染井、
現在の東京都豊島区(としまく)駒込(こまごめ)の植木屋さんが
オオシマザクラとエドヒガンの、
“2つの桜を掛け合わせてできた桜”といわれています。
その後、DNAを分析した結果、ヤマザクラも少し交ざっている可能性も
指摘されています。
そんなソメイヨシノの名前の由来ですが、
最初は『吉野桜(よしのざくら)』だったそうです。
ところが、奈良県の吉野山(よしのやま)にあるヤマザクラが
昔から『吉野桜』と呼ばれていたことから、混乱しないように
染井と吉野の2つを合わせた『ソメイヨシノ』になったそうです。
実はソメイヨシノ同士では、受粉や受精といった交配ができないため、
接木(つぎき)でしか殖やせないそうです。
オオシマザクラなど土台となる木に切り込みを入れて、
そこにソメイヨシノの若い枝を差し込んで合体させます。
この場合、根っこの部分はオオシマザクラですが、
幹から上はソメイヨシノとなります。
このようにソメイヨシノは、1本の原木から接木によって増えていった
同じ遺伝子を持つ、いわゆるクローンなのだそうです。
へぇ~、クローンなんですか!
ヤマザクラは楚々とした“和”の魅力を感じますが、
ソメイヨシノは可愛くて、“洋”の魅力を感じてきました。
そういう違いがあったんですネ。
でも、どっちも素敵です。
3/18(木) 『桜の開花』
桜の開花予想や開花宣言に使われる桜のほとんどが
ソメイヨシノですが、理由は2つあります。
1つは、全国の多くの場所に数多く植えられているから。
もう1つは他の桜と違って、同じ遺伝子を持つ
いわゆるクローンなので、環境に同じように反応しますので、
同じ場所にある木はお花が一斉に咲くからです。
そういった理由からソメイヨシノが開花に関することに
使われていますが、ソメイヨシノが根付かないところは
他の桜が使われています。
そして“桜の開花の観測に使われる木”のことを
『標本木(ひょうほんぼく)』といいます。
標本木は全国各地にありますが、例えば東京は靖国神社。
京都は二条城、大阪は大阪城公園にあります。
ちなみに、私のふるさと・茨城県は水戸市にあります。
桜の『開花』の条件ですが、標本木のつぼみのうち、
“5輪から6輪のお花が咲いた状態”です。
そして、『満開』の条件は“8割以上のつぼみが開いた状態”です。
ソメイヨシノの開花から満開までの日数ですが、
九州から関東までは約7日、北陸から北海道までが5日ほどです。
そして満開から数日すると一斉に散り始めます。
計算すると満開から10日ほどで散ってしまうことになります。
お花の命は短いですネ。
でも満開の時、お花見スポットに行くと、
息をのむような美しさに圧倒されますよネ。
桜にまつわる歌も多く作られたり、
たった10日間でもあの美しさは私たちに強烈な
印象を残してくれますよネ。
3/19(金) 『桜がつく言葉』
まずは『桜前線』です。
これは“桜のお花の咲いている地域と、
これから咲く地域の境目に引いた線“のことです。
この場合の桜はソメイヨシノを基準としています。
桜前線は九州から北海道まで、約2ヶ月かけて北上します。
続いて『桜色』です。
『桜の花びらのような色、ほんのりと赤みを帯びた色』のことです。
“桜色=ソメイヨシノの色”というイメージがあるかと思いますが、
実際のソメイヨシノのお花の色は、ピンクよりも白っぽい色です。
実はもともと桜色とは、同じ桜でもヤマザクラの色を
指した言葉なんだそうです。
ヤマザクラもソメイヨシノと同じように白いお花を咲かせますが、
ヤマザクラは若葉が赤みを帯びています。
満開のヤマザクラを遠めで眺めると、淡いピンク色に見えたことに
由来して、『桜色』と名づけられたといわれています。
そして『桜花爛漫(おうか・らんまん)』です。
『桜花』は”桜の花”、『爛漫』は”お花が咲き乱れる様子”という
意味です。
つまり『桜花爛漫』とは”桜の花が満開になって、
咲き乱れている様子”を表した言葉です。
ソメイヨシノのほうがピンク色は強いと思っていましたが、
そういうわけではなかったんですネ。
“春爛漫”という言葉は使いますが、桜花爛漫という言葉は
初めて聞きました。
気候によって違いはありますが、毎年、桜花爛漫を楽しめるとイイですよネ。
■今週の感想
東京都心は3/14に開花宣言が出されました。
皆さまがお住まいの所はいかがでしょうか?
桜の開花時期が以前よりも早まってきていて、
子どもの頃、小学校の入学式を満開の桜の下で迎えたのに
今はすっかり散ってしまった後です・・・という方も
いらっしゃるかと思います。
今年もコロナ禍で、皆で集まってワイワイとお花見というわけにはいきませんが、
お散歩やウォーキングの時などに桜を楽しみたいですネ。
【お知らせ② 次週(3/22~)からのテーマ】
1月から12月まで、それぞれの月に宝石を当てはめた
『誕生石』についてです。
【お知らせ③ 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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