歯ざわりが良くて食べ応えがあって、炒めても煮ても
さらに焼いても美味しい野菜、『レンコン』についてです。
■今週(2/22~2/26)のテーマ:『レンコン』
2/22(月) 『レンコンとは』
レンコンは漢字で『蓮(ハス)』に『根』と書くため、
根の部分だと思われがちですが、実際は茎のことです。
この茎の部分に栄養がたまって膨らんだものがレンコンなんです。
そのため食用となるこの茎の部分を『レンコン』、
植物全体を『ハス』と呼ぶのが一般的とされています。
ですので、『ハスの煮物』といった言い方は本来は誤りで、
『レンコンの煮物』が正しいそうです。
レンコンは水がたっぷり張った沼地などで育ちます。
横に切った時、丸い穴が並んでいますよネ。
これは空気を運ぶために開いたものなんです。
水の上に出ている葉っぱから空気がこの穴を通って、
地面の下の茎や根っこにまで通ります。
そんなレンコンの穴を“先が見える、見通しが効く縁起物”として、
お正月のおせち料理にはレンコンは欠かすことができないそうです。
ハスと同じように、水面にお花を咲かせる植物に
『睡蓮(スイレン)』があります。
お花や葉っぱの形がよく似ていますが、
スイレンにはレンコンはできないそうです。
また同じハスでも『観賞用』と『食用』があって、
『観賞用』のものは茎の部分があまり太くならないため、
食用には向かないそうです。
去年の年末にレンコンをたくさん頂いて、
きんぴらにしたり、すり下ろして団子を作ったり、豚汁、筑前煮と
毎日のようにいただいていました。
何をやっても美味しくて、縁起が良くて、
また風邪予防にも良いと聞いています。
大好きな食材です。
私のふるさと、茨城が主な産地なんですよ。
2/23(火) 『レンコンの豆知識①』
レンコンはハスの茎のことですが、ハスの原産地は
インドやエジプト、中国など諸説あります。
日本には仏教と一緒に伝わってきたといわれています。
さらに日本在来のものもあるそうです。
また明治時代の初めの頃、中国から導入した品種を改良した
種類もあって、現在流通しているレンコンの多くが
この分類に入るそうです。
そんなレンコンの全国有数の産地が、私のふるさと・茨城県なんです。
おととし2019年のデータを見ますと、全国の収穫量の50.1%、
つまり半分を茨城が占めています。
その次に多いのが徳島県や佐賀県、愛知県、山口県などです。
東京市場では茨城県産、大阪市場では徳島県産のレンコンが
主流となっているそうです。
こうした市場へは1年中、流通していますが、
一般的な旬は11月頃から翌年の3月頃です。
茨城で生産されるレンコンのほとんどは、
土浦市などの霞ヶ浦周辺で作られています。
茨城のレンコンは肉厚で繊維質が細かいのが特徴です。
最近では、レンコンを粉末にして練り込んだうどんやお漬物、
お茶などの商品も人気だそうです。
そうなんです。茨城のレンコンは本当に美味しい!と有名です。
一度、撮影で霞ヶ浦のレンコン農家さんにお邪魔して、
レンコン獲りに挑戦したことがあるんですが、
泥の中に入って獲るのがなかなか大変で、
足は持っていかれるし、ドロドロになるし・・・。
美味しいものをいただくのって、農家さんの努力の賜物なんだな~って
頭が下がりました。
2/24(水) 『レンコンの豆知識②』
レンコンは節(ふし)と呼ばれる部位が、
いくつか繋がっています。
一般的には3つから5つです。
お店で販売されているレンコンは、
この節の部分がカットされていることが多いので、
イメージがわかない方もいらっしゃるかも知れません。
節が3つのものを例にご説明しますと
“1つめの節”は先端の部分で、3つの中で大きさが一番小さいです。
“2つめの節”は真ん中の部分で、丸くてふっくらしています。
“3つめの節”は形が長めで寸胴です。
それぞれ固さも違っていて、“1つめの節”が一番柔らかくて
サラダや酢の物に適しています。
“2つめの節”は“シャキシャキ”と“モチモチ”の両方の食感を
持っていて、煮物や揚げ物にピッタリです。
“3つめの節”はこの中では一番固いですが、
粘り成分も強いのでモッチリした食感です。
すり下ろして、つみれやハンバーグなどに混ぜたり、きんぴら、
または薄くスライスして、チップスにします。
このようにレンコンは部位によって食感が変わってきますので、
切り分けて売られている場合、どの部分なのか確認すると良いそうです。
また、シャキシャキ感を味わいたい場合はレンコンを“輪切り”に、
ほっくり感を味わいたい場合は“縦切り”が良いそうです。
へぇ~、何となく縁起が良いと思って輪切りにする私ですが、
ホクホク感を出すのは縦切りなんですネ。
何にしてもレンコンは美味しいですよネ。
2/25(木) 『レンコンの栄養価』
レンコンは栄養が豊富です。
特にビタミンCを多く含んでいます。
ビタミンCは皮膚や粘膜の健康を維持するために必要な栄養素で、
鉄分の吸収を促したり、病気に対する抵抗力を強めたりしてくれると
いわれています。
ビタミンCは熱に弱いですが、レンコンに含まれるでんぷん質に
守られているため、熱を加えても失われる量は少ないそうです。
他にもビタミンB1やB6も含んでいますが、
ビタミンB1は疲労回復に効果的とされています。
またビタミンB6は『造血ビタミン』と呼ばれていて、
貧血の予防にも良いといわれています。
さらに食物繊維も豊富に含まれているので、腸の中の働きを良くして
便通を整えてくれるそうです。
そんなレンコンですが、切ったり熱を加えた時、
黒いブツブツが出て来たり、切ったところが赤や黒、褐色などに
変色することがあります。
これはレンコンに元々、含まれている『タンニン』という成分の
影響によるものだそうです。
タンニンはポリフェノールの一種で、
様々な美容効果が期待されています。
ですので、そのまま食べても問題はないそうです。
変色を防ぎたい場合は、カットしたらすぐにお酢を入れたお水に漬けると
効果的だそうです。
レンコンって、栄養成分が豊富なんですネ。
私は今、レンコンの粉末というのを霞ヶ浦(茨城県)の知人に頂いて、
お米に混ぜて炊いたり、煮物にふりかけたりしていますが、
とても簡単にレンコンを摂ることができるんですよネ。
良かったらレンコンの粉末も便利ですので、使ってみてくださいネ。
2/26(金) 『からし蓮根』
からし蓮根は、茹でたレンコンの穴に辛子味噌を詰めて、
卵黄などで黄色くした衣をつけて揚げたものです。
馬刺しと並ぶ熊本を代表する郷土料理で、
輪切りにしていただきます。
からし蓮根の誕生は江戸時代の初め頃です。
当時、現在の熊本を治めていたお殿様、
細川忠利(ほそかわ・ただとし)公は体が弱かったそうです。
そのことを心配されたお寺の和尚さまは、レンコンには栄養が豊富に
含まれていることを知りました。
そこで忠利公にレンコンを召し上がるように勧めました。
その時、考え出されたのが『からし蓮根』です。
麦味噌に和辛子の粉を混ぜたものをレンコンの穴に詰め、
麦粉やそら豆粉、卵黄を混ぜ合わせた衣をつけて、
菜種油で揚げました。
これを忠利公に差し出したところ、とても気に入られて、
食事の時、いつも召し上がっていたそうです。
その結果、食欲も増して健康的になったそうです。
また、輪切りにしたレンコンの切り口が
細川家の家紋に似ていることもあって、忠利公は
からし蓮根の作り方を秘伝のものとしたそうです。
そうしたこともあって、熊本以外に作り方が伝わったのは、
明治時代になってからだそうです。
からし蓮根、初めていただいた時、
“こんな食べ方があるのか~”とビックリしました。
レンコンの穴を辛子がふさいでるんですよネ。
でもホント、細川家の家紋とソックリですねぇ~。
■今週の感想
番組でもお話したように、レンコンは私のふるさと、茨城県が
生産量NO.1なんです。
そんなこともあって、私にはとっても身近な食材なんですが、
“ホクホク感を出すには縦切り”など、
結構知らなかったことばかりでした(汗)
レンコンって脇役かもしれませんが、
煮ても焼いても、揚げてもすり下ろしても美味しくて、
さらに栄養も豊富ですから、食べていただけたら、
茨城県民としても嬉しいです。
コロナはまだまだ予断を許さない状況です。
お互い気を緩めずに、一緒に乗り越えていきましょうネ。
【お知らせ② 次週(3/1~)からのテーマ】
私も愛用しています!『コンタクトレンズ』についてです。
【お知らせ③ 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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