子どもの頃、誰もがよく食べていたモノ、『駄菓子』についてです。
■今週(2/15~2/19)のテーマ:『駄菓子』
2/15(月) 『“駄菓子”の名前の由来』
駄菓子の『駄』という字には“値うちのないもの、つまらないもの、
粗悪なもの、価値の低いもの“といった意味がありますが、
どうしてそんな名前で呼ばれるようになったのでしょうか?
駄菓子の歴史は江戸時代に始まったとされています。
当時、白砂糖はとても貴重で、それを使ったお菓子のことを
『上菓子(じょうがし)』と呼んでいました。
“高級なお菓子”の意味で、いただくことができたのは
大名や上級の武士だけだったそうです。
それに対して黒砂糖を使ったお菓子、例えば『かりんとう』や『おこし』、
『カルメ焼き』などは値段もお手頃で、庶民的なお菓子でした。
それを『上菓子』と区別するために、
『駄菓子』と呼ばれるようになったといわれています。
『駄』という字の意味からイメージが良くないように感じますが、
あくまでも『上菓子』に対しての『駄菓子』であって、
つまらないものでも、粗悪なものでもありません。
そんな駄菓子ですが、白砂糖が一般的なものになってくると、
今度はそれを使った駄菓子が次々と生まれて、
その世界も広がっていきます。
特に子どもにとって駄菓子はおこづかいでも
いっぱい買えることができる、ワクワクする食べ物ですよネ。
私の実家は今で言えば、コンビニのようなお店をやっていて、
駄菓子も売っていたので、子どもの頃から駄菓子に囲まれていました。
友達には“みっちゃんはイイなぁ~。お菓子が食べ放題で”って
うらやましがられていましたが、私は本当に幸せでした。
なので、今でも駄菓子に目がない私です。
上菓子よりも駄菓子のほうが好きかな・・・って
思ってしまいます。
2/16(火) 『うまい棒』
今回、『駄菓子』をテーマに決めた時、
すぐに頭に浮かんだのが『うまい棒』です。
“真ん中に穴が開いたコーンスナック”です。
東京・墨田区に本社があります『やおきん』という会社が
販売しています。
でも『うまい棒』を作っているのは、私のふるさと、
茨城県常総市にある『リスカ』という会社なんです。
この『うまい棒』という名前ですが、
『コーン棒』とかいろいろ考えた結果、
最終的に“うまいんだから”という理由で決まったそうです。
『うまい棒』が誕生したのは1979年(昭和54年)です。
最初に『ソース味』の1種類だけが発売されて、
その後、ほぼ同じ時期に『サラミ味』と『カレー味』が発売されました。
さらに翌1980年には『チーズ味』、『バーガー味』、『やさいサラダ味』が
登場して、それ以降、数々の種類が誕生しています。
そんな『うまい棒』の最大の魅力は、お値段が1本10円なんです。
これは発売当初からずっと同じだそうです。
昭和に誕生したお菓子が平成を越えて、令和になった今も
変わらずに10円だなんて、本当に嬉しいですよネ。
1本10円にしたのは“100円のスナック菓子を1つ買うよりも、
『うまい棒』を10本買ったほうが楽しい!と
思ってもらえるように・・・“という思いが込められているそうです。
そうなんです。リスカさんは常総市を代表する企業なんですが、
子ども心を一番に考えてくれているんですよネ。
私にとって『うまい棒』は、やっぱり駄菓子の代表です。
2/17(水) 『さくらんぼ餅』
『さくらんぼ餅』とは、水飴が主な原料の『餅飴(もちあめ)』と
呼ばれるお菓子で、モチモチとしたお餅のような飴です。
小さな四角形をしていて、それが容器の中にキレイに並んでいて、
つま楊枝で1つずつ刺して食べます。
この『さくらんぼ餅』ですが、サクランボの絵が描かれたパッケージが
特徴ですが、よく見ると3つのサクランボの並びが
微妙に違うんです。
また並んでいる数も12個のものもあれば、15個のものあります。
これはいろいろな会社から『さくらんぼ餅』が発売されているからで、
そのためパッと見は同じでも、それぞれ違うそうですよ。
例えば、明光製菓(めいこうせいか)の『さくらんぼ餅』は
『こざくら餅』という名前が付いています。
こちらは1955年(昭和30年)に発売されました。
富士製菓の『さくらんぼ餅』には『もちもち君』という名前が
付いています。こちらは1961年の発売です。
さらに、共親製菓(きょうしんせいか)の『さくらんぼ餅』は
1979年の発売です。
いずれの『さくらんぼ餅』には、定番のサクランボ以外に
様々な味の種類があります。
そして今ご紹介した3つの会社は、
いずれも愛知県名古屋市西区にあるそうなんです。
この辺りは全国最大規模の駄菓子の問屋街だそうですよ。
懐かしいなぁ~。『さくらんぼ餅』。
山の中から食べようか、左下から食べようか、
斜めに食べてみようかな・・・なんて考えながら食べるの
楽しかったなぁ~。
駄菓子にはいろんな思い出が詰まってますネ。
2/18(木) 『都こんぶ』
『都こんぶ』とは、お酢や甘味料などで味付けした昆布です。
大阪・堺市にあります中野物産の人気商品です。
誕生のキッカケは創業者の中野正一(しょういち)さんが
昆布の問屋さんで奉公されていた時、倉庫の中にある昆布の切れ端を
おやつ代わりに食べていた時のことです。
“昆布に味付けしたら、お菓子になるのでは?”
そう考えた中野さんは1931年(昭和6年)、19歳の時、
独立して会社を作り、昆布を原料としたお菓子を開発しました。
それが現在の『都こんぶ』の原型です。
この『都こんぶ』という名前は生みの親の中野さんの生まれ故郷、
京都への思いが込められているそうです。
つまり『都こんぶ』の『都』とは“京の都”のことなんですネ。
『都こんぶ』はお子さんだけでなく、大人にも人気ですよネ。
そのキッカケの1つが、当時の国鉄の駅の売店での
販売だったそうです。
その際、箱のサイズを小さくすれば売店に置いてもらえるはず!と
考えました。
その結果、男性のスーツのポケットにも女性のハンドバックにも入り、
しかも手のひらにスッポリ収まるサイズになったそうです。
それを基本に現在の“小さな縦型の赤い紙の箱”に、
桜の花びらと『都』の文字が描かれた『都こんぶ』が誕生しました。
ちなみにピンクの色の箱もありますが、こちらは梅酢味です。
『都こんぶ』、これも好きです。
駅の売店とかで見つけると、つい買ってしまいますよネ。
でも『都こんぶ』の梅酢味、ピンクのパッケージは知りませんでした。
今度、見つけてみたいと思います。
2/19(金) 『糸引き飴』
『糸引き飴』は飴の中から長い糸が通っている飴で、
それがケースの中で束ねられています。
その束の中から糸を1本選んで引くと、
飴がケースから上がってくるので、
その飴が食べられるというものです。
自分が選んだ糸がどの味の飴になるかは、運次第なんです。
大粒の“大玉(おおだま)”が当たることもあれば、
同じ味ばかり続くこともあるので、選ぶ時はドキドキします。
この『糸引き飴』は『耕生製菓(こうせいせいか)』の商品で、
正式な名前は『耕生のフルーツ引(ひき)』といいます。
1955年(昭和30年)頃に誕生しましたが、
最初の頃は飴の形はすべて円錐形だったそうです。
それが1970年代の初め頃に、イチゴやミカンといった
フルーツの形に進化したそうです。
また味もフルーツ味以外に、
コーラ味の『コーラ糸引(いとひき)』があります。
そんな『糸引き飴』の食べ方ですが、人それぞれだそうです。
“途中でガリガリと噛み砕いて、糸と飴を引き離します“という方もいれば、
“糸をぶら下げた状態で食べて、時々、クチから出して
飴の状態を確認します“という方もいるそうです。
これ、ウチの店にもありました。
色がキレイで、見てるだけでワクワクするものでした。
駄菓子は子どもにとって、夢の世界に連れていってくれるものです。
そして大人になると、懐かしい思い出でいっぱいになる・・・
なんか素敵なお菓子だなぁ~って思います。
■今週の感想
番組でもお話しましたが、私の実家は今で言えば
コンビニのようなお店をやっていて、
駄菓子も売っていたので、子どもの頃から駄菓子は
とても身近な存在でした。
今回お話した以外にも、たくさんの駄菓子がありますが、
人それぞれ思い出に残る駄菓子って、きっとあるかと思います。
大人になった今でも駄菓子を見ると、
なんかワクワクしてきますよネ。
そして駄菓子屋さんでは、持っているお金で何がいくつ買えるか
自分で計算するので、子どもにとって
計算を学ぶ実践の場でもありましたネ。
懐かしい思い出です。
追伸:
2/13深夜、福島県沖で発生した大きな地震で
被害にあわれた方には、心よりお見舞い申し上げます。
コロナに地震と不安ばかりがつのりますが、
1日でも早く穏やかな日常が戻ることを願うばかりです。
【お知らせ② 次週(2/22~)からのテーマ】
実は私の故郷、茨城県と大きな関係があるんです!
『レンコン』についてです。
【お知らせ③ 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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