昭和を代表する家電の1つ、『ラジカセ』についてです。
■今週(10/19~10/23)のテーマ:『ラジカセ』
10/19(月) 『ラジカセとは』
ラジカセは“ラジオカセットレコーダー”の略で、
ラジオとカセットテープ、レコーダーが一体化したものです。
ラジオを聴いていて、好きなところをカセットテープに録音して、
好きな時に再生したい・・・そんな思いに応えたものです。
深夜番組の場合、聴いている途中で眠ってしまうことがありますよネ。
そこで眠ってしまった時のことを考えて、録音しながら
聴いていた人も多いそうです。
そして次の日、改めて聴き直したそうですよ。
また好きな番組の場合も録音して、何度も聴き直したそうです。
今ではradikoのタイムフリー機能を使えば、
聴き逃してしまった番組を聴くことができますし、
聴いた番組でももう一度聴くことができますから便利になりましたよネ。
ラジカセの機種によってはラジオのAMやFM、短波の他に、
テレビの音も受信できたそうです。
まだ家庭用のテレビのビデオデッキがなかった時代。
例えば、テレビの歌番組から流れる歌を録音したい場合、
テレビのスピーカーの所に、ラジカセに内蔵されているマイクを近づけて
録音していたそうです。
でも、録音している最中に、家族の誰かが喋ったり、
電話が鳴ったりして、失敗も多かったそうです。
その点、テレビのチューナーが付いたラジカセでしたら、
そういった失敗はなかったそうです。
ハァ~、懐かしい話ですよネ。
“ラジカセって何?”っていう世代の人が
圧倒的に多くなりましたが、私のような世代の人には
いろいろ思い出があるんじゃないでしょうか。
10/20(火) 『ラジカセの歴史』
ラジカセの歴史には諸説あります。
1966年、オランダの電気機器メーカー『フィリップス』が
ラジカセを発売しましたが、その後、日本で独自に発展させたものが
世界へ広まっていったといわれています。
“国産のラジカセの第1号”は1968年、『AIWA』から
発売されたというのが定説とされているそうです。
ところが、その前年1967年に『ナショナル』から発売されたラジカセが
第1号!とする説もあるそうです。
ちなみにお値段ですが、ナショナルのラジカセが約3万6000円、
AIWAのラジカセは約2万6000円だったそうです。
その当時の大卒の国家公務員の初任給が
2万3000円~2万5000円だったそうですから、
それよりも高いことになります。
その写真を見てみると、とってもシンプル。
黒とシルバーで、持ち運びできる取っ手が付いています。
ちょっといかついなぁ~という感じがしますネ。
ラジカセの魅力の1つが、乾電池も使えますので、
手軽に持ち運びができる点です。
屋外でもラジオや音楽が聴けるのはモチロンですが、
内蔵されたマイク、または他のマイクと接続して
いろいろな音を録音するのにも、ラジカセが使われていました。
またこの時代、ラジオの深夜放送がブームになり始めた頃で、
この深夜放送の人気も、その後のラジカセへの人気と
つながっていったそうです。
3万6000円って高いですねぇ~。50年前ですよ。
ラジカセって高級品だったんですネ。
10/21(水) 『ラジカセの進化①』
ラジカセはその人気とともに、どんどん進化していきました。
その中でも当時、多くの若者たちがあこがれたラジカセの1つが
SONY『Studio 1980』です。
1974年の発売で、お値段は4万2800円。
大卒の国家公務員の初任給が約7万円でしたから、
当時としては結構なお値段ですよネ。
それでも70万台を超えるセールスを記録したそうです。
写真を見ると、う~ん、男の子が好きそう。
国産ラジカセ第1号と比べると、スイッチやボタンが増えて、
さらに機械っぽくなっていますネ。
正面に大きなスピーカーと小さなスピーカーが1つずつ付いていて
ボリュームだけでなく、音質もいろいろ変えられるようになっています。
外部のマイクなどを使うと、様々なミキシング録音や再生が
楽しめたそうですよ。
例えば、ラジオから流れる音楽に合わせてマイクで歌った声が
ラジカセのスピーカーから一緒に流れて来たり・・
つまり、その歌手の方とコラボできるということなんですネ。
また、ギターを弾きながら歌った自分の声を録音といったことや、
接続コードを使ってテレビの音声も録音できたそうです。
この『Studio 1980』の一大ブームを経て、やがてラジカセは
両側にスピーカーが付いた『ステレオラジカセ』へと移っていきます。
私がラジカセと聞いて思い出すのは、このステレオラジカセです。
当時はラジカセがどんどん進化した時代なんですネ。
ほとんどの若者がラジオに夢中でしたよネ。
学校に行くと、昨日聴いたラジオの話題で盛り上がったりしていました。
懐かしいなぁ~
10/22(木) 『ラジカセの進化②』
ステレオラジカセの登場によって、ラジカセのステレオ化が進む中、
1980年代になるとステレオラジカセは
『大型化』と『小型化』の2つに分かれていきます。
より良い音質を求めることで大型化していく一方で、
“もっと軽くて小さくて、オシャレなラジカセが欲しい”という声も
出るようになりました。
そんな中、1979年に登場したのがSANYO『おしゃれなテレコU4』です
この名前はキャッチコピーですが、こちらのほうが
一般的に浸透しているそうです。
重さは約2キロ。
それまでのラジカセよりもコンパクトで、横長のデザインです。
当時、ラジカセの色は『黒』や『シルバー』が主流でしたが、
このラジカセではそれ以外にも、当時としては画期的な『赤』を
採用しました。
そのため“『おしゃれなテレコU4』=赤”というイメージの方って
多いそうですよ。
このラジカセは女性を中心に人気を集めて、大ヒットとなりました。
そして“小型でカラフルなスタイル”は『ファッションテレコ』という
新たなジャンルを生みだしました。
その後、こうした『ファッションテレコ』はWカセットの誕生で
ダビングができるようになったことで、さらに人気となっていきます。
これです!これです!私が買ってもらったラジカセは。
これを机の所に置いて宿題をしながら、休憩中にラジオを聴いたり、
お友達に借りたカセットでダビングをしたり、
懐かしい思い出がい~っぱいあります。
ちなみに私もラジオの色は、赤を使っていました。
みんな、持ってましたよネ。
10/23(金) 『ラジカセのその後』
ラジカセについては、それぞれ想い出があるかと思います。
私は知らなかったんですが、聞いたところ、昭和の時代、
“カーステレオが付いていないクルマ”というのは珍しくなくて、
そういった方は助手席にラジカセを置いて、ラジオの放送や
カセットに録音した音楽を聴いていたそうです。
1979年、SONYから『ウォークマン』が発売されましたが、
それによって“音楽の聴き方”が大きく変わりました。
ラジカセと『ウォークマン』、パッと聞くと対極にあって
ライバル関係にあるのかな?と思うかも知れませんが、
実際は違うそうですよ。
例えば『ウォークマン』で聴く音楽は、
ラジカセで作ったりしてましたから、そういった意味では
共存共栄してきた・・・という見方もあるそうです。
また、ラジカセからカセットプレーヤーの部分が分離して、
『ウォークマン』のようにして聴くことができるラジカセも
登場しました。
このように、時代とともに進化していったラジカセですが、
その後、CDと一体化して『CDラジカセ』として
新たな歴史を作ります。
その後、音楽を聴くためのハードは急激に進化していきます。
そうなると、ラジカセは“お疲れ様でした”なのかといいますと、
そんなことはなくて、令和の時代になった今も、
ラジカセの魅力が受け継がれているそうですよ。
先日、家電量販店に行ったんですけども、ラジカセのコーナーに
たくさん並んでいて驚いたんですネ。
お店の人に聞くと“結構今、人気で、密かにブーム再来なんですよ”と
話してくださいました。
どんな形であれ、ラジオを聴いてくださると嬉しく思います。
■今週の感想
ラジカセって、その方の年代によってイメージが違いますよネ。
番組でもお話しましたが、私の場合、
ラジカセ=SANYO『おしゃれなテレコU4 Wカセット』なんです。
久しぶりに写真を見て、懐かしくて嬉しかったです。
ラジカセといえばカセットテープですが、
『ノーマル』と『ハイポジ』、『メタル』のカセットを使い分けるための
スイッチが付いたラジカセもあったそうですネ。
特にお気に入りの音楽を録音する時、
少しでも音質が良いカセットを使った方が多かったそうです。
カセットの世界も奥が深そうですネ。
機会があれば、カセットのお話もしてみたいと思います。
【お知らせ① 次週(10/26~)からのテーマ】
これがあれば何杯でもご飯が食べられます!
『ご飯のお供』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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