人生には、時にはピンチが訪れることがあります。
でも、そのピンチを逆にチャンスに変えた方もいます。
『ピンチをチャンスに変えた話』です。
■今週(6/8~6/12)のテーマ:『ピンチをチャンスに変えた話』
6/8(月) 『発想の転換』
今回の新型コロナウイルスの影響で、
たくさんの方が大変なピンチに見舞われています。
営業を断念してお店を閉められた方、廃業を余儀なくされた方、
仕事を失ったという方が、たくさんいらっしゃると聞きます。
そういった方々には、心よりお見舞い申し上げます。
そんな中、このかつてないピンチをチャンスに変えるべく、
頑張っていらっしゃる方もいます。
その1つが『飲食店のテイクアウトやデリバリー』です。
中には普段、お店に行かないと、いただくことが出来ないお料理を
お手頃の値段で提供している所もあります。
これによって、新しいお客さんの開拓につながるそうです。
外出自粛で、利用者が大幅に減った旅館やホテルの中には
地元の方をターゲットにして、活路を見出している所もあります。
例えばご近所さん限定で、割引の宿泊プランを始めたホテル。
地元や近隣の方に利用していただこうと、立ち寄り温泉や、
普段は宿泊しないといただくことが出来ない
お食事を提供している旅館・・・などです。
”旅館を疑似体験できる”という動画を配信した所もあります。
外出自粛で旅行が出来ない方に”お客様目線”で、
旅館を疑似体験していただく・・・というもので、
いつかは本物を体験しに来てもらいたい・・・という期待も
込められているんだそうですよ。
お店に様々な挑戦をしてもらうことで、一般利用者の私たちも
新しい発見や楽しみ方、増えますよネ。
ありがたいことです。
6/9(火) 『活気を失った町の復活物語①』
過疎化が進んで活気を失った、ある小さな町が、
一躍、脚光を浴びるようになりました。
それは徳島県上勝町(かみかつちょう)です。
徳島県の真ん中辺り、周囲を山々に囲まれた人口1500人ほどの
四国で一番小さな町です。
65歳を超える方が半分以上を占めていて
過疎化と高齢化が進んでいるそうです。
上勝町は元々、ミカンなどが産業の中心でしたが、
1981年(昭和56年)に局地的な異常寒波に見舞われ、
壊滅的な状況に追い込まれました。
”これでは将来に希望が持てない”と若者たちは、
どんどん町から離れていきました。
そのため”町おこし”や”地域の活性化”が求められましたが、
そんな中、当時、農協に勤務されていた方が
”それよりも仕事をつくって、まずは女性や高齢者に
居場所と出番を与えることが大事だ”と考えたそうです。
同時に”この町でなければできない仕事を、つくらなくてはいけない。
何かないものか?”と思っていたところ、
大阪の料理屋さんでそのヒントを見つけました。
お店にいた女性達が料理に添えられていた赤いもみじを見て
”これ可愛い!””持って帰ろう!”と声を上げたのです。
その瞬間、”これだ!そうだ、葉っぱを売ろう!”と思いつきました。
そして始まったのが『葉っぱビジネス』です。
離れていく若者を追うのではなく、
そこにある人材やモノで再生を図る・・・
これぞ発想の転換ですネ。
6/10(水) 『活気を失った町の復活物語②』
過疎化と高齢化でピンチに追い込まれた
徳島県・上勝町(かみかつちょう)では『葉っぱビジネス』で
巻き返しを図りました。
『葉っぱビジネス』とは、料理の飾り付けに使われる『つまもの』用に、
里山にある葉っぱやお花を料亭などに出荷するものです。
このビジネスは『彩(いろどり)事業』と名付けられました。
初めは地元の方々の抵抗は予想以上だったそうですが、
それでもこのビジネスを思いついた、農協職員の説得もあり、
現在ではおよそ200軒の農家が取り組んでいるそうです。
この『彩事業』の凄いところは、多くの高齢者の方が
パソコンやタブレット端末を使いこなし、
インターネットで全国から情報を集めて、
自らマーケティングされていることです。
この事業に参加されている高齢者の方は常々、
『元気なうちは働いて稼ぐこと。”何にもせんでエエけん。じっとしておれ”と
言われるのが一番辛い』と、おっしゃっているそうです。
知識も経験も豊かな高齢者の強みを活かした、
このビジネスモデルは国内だけでなく、海外にも知られるようになり、
多くの視察団が上勝町を訪れているそうです。
また2012年には『人生、いろどり』というタイトルで
映画化もされています。
そんな上勝町ですが、ゴミのリサイクルにも積極的に取り組んでいて
リサイクル率80%を達成した”日本一エコな町”としても
注目を集めているそうです。
やりますねぇ~!上勝町のおじちゃん、おばちゃんたち!
高齢者の方が新しい時代のビジネスモデルをつくっていく・・・
まさにこれぞ”生きヂカラ”元気をもらえるお話です。
素晴らしいですネ。
6/11(木) 『廃業の危機を乗り越えて、復活を果たした老舗店①』
それは京都にあります、和傘の製造と販売のお店『日吉屋』です。
江戸時代後期に創業された老舗で、現在五代目となる
西堀耕太郎さんの奥様のご実家でもあります。
西堀さんは和歌山の方で、地元で公務員をされていましたが、
奥様との結婚が決まって京都のご実家に行かれた時、
初めて和傘と出会ったそうです。
その技術の素晴らしさに感動した西堀さんでしたが、
当時、お店の経営状況はとても厳しく、このままでは
廃業は避けられない・・・というところまで追い込まれていたそうです。
”この技術を失うことをもったいない”と思った西堀さんは、
役所で観光事業に取り組んだ経験から、
ホームページを作ることを思いつきます。
そして大学でITビジネスを学んでいた弟さんに、
日吉屋のウェブサイトの制作を依頼しました。
今から20年以上も前のことで、インターネットの時代が
始まったばかりの頃です。
その後、番傘の注文があったことに日吉屋の再建の可能性を信じた
西堀さんは2003年、29歳の時、役所を退職して
職人の道を進むことを決意しました。
そして翌年、日吉屋の五代目になりました。
以前よりも売上を10倍に伸ばすことに成功しましたが、
それでも厳しい状況には変わりなかったそうです。
そこで西堀さんは、ある画期的なことを思いつきました。
公務員から職人さんに転職、かなりリスキーだったと思いますが、
どのようにピンチをチャンスに変えたのでしょうか。
6/12(金) 『廃業の危機を乗り越えて、復活を果たした老舗店②』
五代目となった西堀耕太郎さんによって、
京都の老舗和傘店『日吉屋』は廃業の危機を乗り越えましたが、
それでも厳しい状況であることは変わりなかったそうです。
そこで西堀さんは京都の和傘をもっと親しんでもらうために、
和紙からこぼれる陽の光をヒントに、
『和傘の技術を活かした照明器具』を思いつきました。
そして照明デザイナーといった違う分野の方々と
一緒に作ったのが、シンプルでモダンな和風照明
『KOTORI(古都里)』です。
筒型をしていて、コンパクトに畳むことが出来ます。
筒型は照明デザイナーの方からの提案で、
畳めるようにしたのは、西堀さんからの提案だったそうです。
お互い思いつかなかったこと、お互いのイイところが合わさって出来た、
この和風照明『KOTORI』ですが、
2007年には『グッドデザイン賞・特別賞』を受賞しています。
さらに販売のエリアを国内だけでなく、世界にも広げていきました。
実際、私はこの西堀さんにお会いして、お話を伺ったことがあります。
西堀さんが初めて奥様の実家に行った時、
お祖父さまが造る和傘の技術に感動したそうです。
”この技術を絶やすのはもったいない。
何とか日本の伝統の技を後世につないでいきたい・・・
その思いで走ってきたら、全国からお弟子さんが集まってきて
後を継ぐ人ができました!”と、笑顔でおっしゃっていました。
ピンチをチャンスに変えたのは
”つなぎたい”という気持ちだったんですネ。
■今週の感想
前回、『傘』をテーマにお話した時、
和傘についてお話させていただきました。
その後、スタッフの方に
”京都の老舗和傘の日吉屋さんが
廃業の危機を乗り越えて、違う視点で
復活したんですよ”とお話したところ、
”ぜひそのお話を番組でしましょう!”ということで、
今回このテーマになりました。
『ピンチをチャンスに変える』。
言葉にすれば簡単ですが、実際はとても難しいです。
それでも気持ちを前向きに頑張ることで、
良い結果につながるのだと思います。
『明けない夜はない。やまない雨もない。過ぎ去らない嵐もない』という
言葉があります。
気持ちを前向きに、夜が明けるのを、雨がやむのを、
そして嵐が過ぎ去るのを待ちたいですネ。
【お知らせ① 次週(6/15~)からのテーマ】
フルーツの中で、私が一番好きな『ビワ』についてです。
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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