スイーツの中で個人的に一番のお気に入り
『バウムクーヘン』についてです。
■今週(5/25~5/29)のテーマ:『バウムクーヘン』
5/25(月) 『バウムクーヘンとは』
『バウムクーヘン』はドイツ語の発音です。
ところが日本では『バウム』の発音が難しい・・・ということで、
発音しやすい『バームクーヘン』になったとされています。
このように日本では『バームクーヘン』の呼び方が一般的ですが、
この番組では本来の『バウムクーヘン』の呼び方でお送りします。
『バウムクーヘン』の『バウム』は『木』、
『クーヘン』はケーキなどの『お菓子』という意味です。
直訳すると『木のお菓子』です。
ドイツの伝統的なお菓子で、輪切りにすると木の年輪のように見える
模様が出てくることから、この名前が付いたとされています。
バウムクーヘンの本場・ドイツでは国立ドイツ菓子協会が
”バウムクーヘンの基準”を定めています。
その条件とは『油や脂肪分はバターだけ。他のモノは使わない』
『ベーキングパウダーを使わない』
『材料の割合はバター・小麦粉・砂糖①に対して、卵を②とすること』、
『添加物を使わない』の4つです。
ドイツではこの4つの条件をクリアしないと、
『バウムクーヘン』と名乗って販売することが出来ないそうです。
このような厳しい基準の中、職人さんが1つずつ手作りしているので
”高級なお菓子”として位置づけられています。
高い条件をクリアした、安全・安心なお菓子、
皆が大好きな理由が分かった気がします。
5/26(火) 『バウムクーヘンの歴史』
バウムクーヘンの発祥については諸説あります。
そんな中、1807年にドイツ北部のザルツヴェーデルという小さな町で
『初めてバウムクーヘンが焼かれた』という記録が残っています。
ザルツヴェーデルは”バウムクーヘンの町”とも呼ばれていて、
町のあちこちに、バウムクーヘンを売るお店があって、
バウムクーヘン作りを見学したり、食べたり出来るそうです。
ところが本場・ドイツでは、バウムクーヘンは
日本のように身近な食べものではないそうです。
ドイツではクリスマスやお祝いに贈る”高級なお菓子”だそうです。
その理由として、バウムクーヘンの作り方にあるそうです。
バウムクーヘンは丸い棒に生地をかけて、
直火で均一に回しながら専用のオーブンで焼いていきます。
表面が焼けたら、再び生地をかけて焼きます。
これを何回も何回も繰り返すことで、段々と太くなっていきます。
このように手間と時間をかけて、ようやく1本のバウムクーヘンが
出来上がります。
これをご家庭でやるのは、とても難しいですよネ。
またお店でも専門の職人さんでなければ、
上手にバウムクーヘンを作ることが出来ません。
そのため”バウムクーヘンを味わえるお店”も限られているため
ドイツでは”特別なお菓子”という扱いだそうです。
木の年輪のように、職人さんの技が積み重なって出来ているんですネ!
ますますバウムクーヘンが好きになる私がいます。
5/27(水) 『日本のバウムクーヘンの歴史』
日本のバウムクーヘンの歴史は、1919年(大正8年)に始まりました。
ドイツ人の菓子職人、カール・ユーハイムさんが
中国でお店を経営していましたが、第一次世界大戦が始まると、
捕虜として日本に連れて来られました。
1919年、ユーハイムさんを始めとする捕虜の皆さんが作られた
木工品や絵画、洋服といった作品の展示即売会が広島で開かれました。
この時、ユーハイムさんが作られたのがバウムクーヘンでした。
このバウムクーヘンは、とても好評だったそうです。
当時、ユーハイムさんら捕虜の皆さんが収容されていたのが、
広島湾に浮かぶ島、『似島(にのしま)』でした。
そういったこともあって似島には
『ドイツ生まれの銘菓、バウムクーヘン日本伝来の地』と書かれた
看板があります。
第一次世界大戦が終わると捕虜の皆さんは解放されましたが、
ユーハイムさんは日本に残ることを決意します。
そして1922年に横浜でお店を開きますが、
翌年の関東大震災をキッカケに神戸へと移りました。
このユーハイムさんのお店が、日本のバウムクーヘンの老舗
『株式会社ユーハイム』です。
ここからバウムクーヘンは日本に広く知れ渡るようになりました。
ユーハイムさんが日本に残ってくださったから、
美味しいバウムクーヘンが今でも食べられるんですよネ。
いただけるんですよネ。
心から”ありがとう”とお伝えしたいですネ。
5/28(木) 『日本のバウムクーヘンの歴史②』
1919年(大正8年)、ドイツ人の菓子職人、
カール・ユーハイムさんによって、
日本でのバウムクーヘンの歴史が始まりました。
ユーハイムさんのお店が現在、神戸にあります
バウムクーヘンの老舗、『株式会社ユーハイム』です。
ユーハイムさんが日本で初めてバウムクーヘンを披露したのが3月4日で、
現在、この日は『バウムクーヘンの日』となっています。
ユーハイムさんのお店は、とても評判でしたが、
1945年(昭和20年)6月、神戸大空襲によって被災してしまいました。
失意の中、8月14日、ユーハイムさんは58歳の人生を終えられています。
その際、こんな言葉を残されています。
『私は死にます。けれども平和はすぐ来ます』。
その言葉どおり、翌8月15日、戦争が終わりました。
その後、ユーハイムさんの奥様、エリーゼさんはドイツに強制送還されましたが、
残された職人さんたちで会社を創りました。
そして1953年にはエリーゼさんが再び、日本にやって来ました。
その後、エリーゼさんは職人さんたちと一緒に、
バウムクーヘンやドイツ菓子を広め、1971年に亡くなるまで
ずっと日本で過ごされたそうです。
『ユーハイム』では、カール・ユーハイムさんが
最初にバウムクーヘンを焼き上げた時の作り方を、
今も受け継いでいるそうです。
ユーハイムのバウムクーヘン、とっても大好きですが、
歴史を知ると美味しさがまた違ってきますよネ。
5/29(金) 『バウムクーヘンの豆知識』
本場・ドイツのバウムクーヘンですが、
ズッシリと重みのある”ハードタイプ”だといわれています。
それに対して日本のバウムクーヘンは、
ふんわりと柔らかいのに、しっとりとしたなめらかさも持つ
”ソフトタイプ”のものが多いです。
これはバウムクーヘンの広まりとともに、
それぞれのバウムクーヘンを作られている会社が、
日本人の好みに合うように改良を重ねていったからです。
そんなところから本場・ドイツと同じハードタイプのものを
『バウムクーヘン』。
日本流にアレンジされたソフトタイプのものを
『バームクーヘン』とする分け方もあるそうです。
バウムクーヘンは『内祝いの贈り物』や、
『結婚式の引き出物』としても人気の高いお菓子です。
その理由ですが、断面が木の年輪に見えることから
『幸せを重ねる』という意味を持つことが出来ます。
同じように『繁栄』や『長寿』を連想させる縁起物としても
親しまれています。
また、バウムクーヘンを作る際には手間と時間がかかります。
同じ作業を何度も何度も繰り返すことで、
ようやく1本のバウムクーヘンが完成します。
結婚も同じように、日々の生活の積み重ねということで、
バウムクーヘンが支持されているのだそうです。
木の年輪のように、時間と努力を積み重ね、
人生そのものを応援、励ましてくれるお菓子なんですネ。
■今週の感想
私はスイーツの中で、一番好きなのがバウムクーヘンなんです。
急に食べたくなって買いに行ったり、
マネージャーさんにお願いして買ってきてもらうことがあります。
バウムクーヘンについてお話していたら、食べたくなりました。
今すぐ買いに行こうかな(笑)
リスナーの方の中にも今週の放送を聴かれて、
バウムクーヘンを食べたくなった!という方が
いらっしゃるそうですよ。
今回知らなかったバウムクーヘンの歴史を知ったことで、
ますますバウムクーヘンが好きになりました。
【お知らせ① 次週(6/1~)からのテーマ】
特に梅雨の時期には欠かせません!『傘』について・・・
【お知らせ② 番組で使用しているBGM】
◆オープニング
♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ
◆エンディング
♪To Be / モントルー
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