羽田美智子のいってらっしゃい

2020.05.29

2020年5月25日(月)~

スイーツの中で個人的に一番のお気に入り

『バウムクーヘン』についてです。

 

■今週(5/25~5/29)のテーマ:『バウムクーヘン』

5/25(月)  『バウムクーヘンとは』

 

『バウムクーヘン』はドイツ語の発音です。

ところが日本では『バウム』の発音が難しい・・・ということで、

発音しやすい『バームクーヘン』になったとされています。

このように日本では『バームクーヘン』の呼び方が一般的ですが、

この番組では本来の『バウムクーヘン』の呼び方でお送りします。

 

『バウムクーヘン』の『バウム』は『木』、

『クーヘン』はケーキなどの『お菓子』という意味です。

直訳すると『木のお菓子』です。

 

ドイツの伝統的なお菓子で、輪切りにすると木の年輪のように見える

模様が出てくることから、この名前が付いたとされています。

 

バウムクーヘンの本場・ドイツでは国立ドイツ菓子協会が

”バウムクーヘンの基準”を定めています。

その条件とは『油や脂肪分はバターだけ。他のモノは使わない』

『ベーキングパウダーを使わない』

『材料の割合はバター・小麦粉・砂糖①に対して、卵を②とすること』、

『添加物を使わない』の4つです。

 

ドイツではこの4つの条件をクリアしないと、

『バウムクーヘン』と名乗って販売することが出来ないそうです。

このような厳しい基準の中、職人さんが1つずつ手作りしているので

”高級なお菓子”として位置づけられています。

 

高い条件をクリアした、安全・安心なお菓子、

皆が大好きな理由が分かった気がします。

 

 

5/26(火)  『バウムクーヘンの歴史』

 

バウムクーヘンの発祥については諸説あります。

そんな中、1807年にドイツ北部のザルツヴェーデルという小さな町で

『初めてバウムクーヘンが焼かれた』という記録が残っています。

 

ザルツヴェーデルは”バウムクーヘンの町”とも呼ばれていて、

町のあちこちに、バウムクーヘンを売るお店があって、

バウムクーヘン作りを見学したり、食べたり出来るそうです。

 

ところが本場・ドイツでは、バウムクーヘンは

日本のように身近な食べものではないそうです。

ドイツではクリスマスやお祝いに贈る”高級なお菓子”だそうです。

 

その理由として、バウムクーヘンの作り方にあるそうです。

バウムクーヘンは丸い棒に生地をかけて、

直火で均一に回しながら専用のオーブンで焼いていきます。

表面が焼けたら、再び生地をかけて焼きます。

これを何回も何回も繰り返すことで、段々と太くなっていきます。

このように手間と時間をかけて、ようやく1本のバウムクーヘンが

出来上がります。

 

これをご家庭でやるのは、とても難しいですよネ。

またお店でも専門の職人さんでなければ、

上手にバウムクーヘンを作ることが出来ません。

そのため”バウムクーヘンを味わえるお店”も限られているため

ドイツでは”特別なお菓子”という扱いだそうです。

 

木の年輪のように、職人さんの技が積み重なって出来ているんですネ!

ますますバウムクーヘンが好きになる私がいます。

 

 

5/27(水)  『日本のバウムクーヘンの歴史』

 

日本のバウムクーヘンの歴史は、1919年(大正8年)に始まりました。

ドイツ人の菓子職人、カール・ユーハイムさんが

中国でお店を経営していましたが、第一次世界大戦が始まると、

捕虜として日本に連れて来られました。

 

1919年、ユーハイムさんを始めとする捕虜の皆さんが作られた

木工品や絵画、洋服といった作品の展示即売会が広島で開かれました。

この時、ユーハイムさんが作られたのがバウムクーヘンでした。

このバウムクーヘンは、とても好評だったそうです。

 

当時、ユーハイムさんら捕虜の皆さんが収容されていたのが、

広島湾に浮かぶ島、『似島(にのしま)』でした。

そういったこともあって似島には

『ドイツ生まれの銘菓、バウムクーヘン日本伝来の地』と書かれた

看板があります。

 

第一次世界大戦が終わると捕虜の皆さんは解放されましたが、

ユーハイムさんは日本に残ることを決意します。

そして1922年に横浜でお店を開きますが、

翌年の関東大震災をキッカケに神戸へと移りました。

 

このユーハイムさんのお店が、日本のバウムクーヘンの老舗

『株式会社ユーハイム』です。

ここからバウムクーヘンは日本に広く知れ渡るようになりました。

 

ユーハイムさんが日本に残ってくださったから、

美味しいバウムクーヘンが今でも食べられるんですよネ。

いただけるんですよネ。

心から”ありがとう”とお伝えしたいですネ。

 

 

5/28(木)  『日本のバウムクーヘンの歴史②』

 

1919年(大正8年)、ドイツ人の菓子職人、

カール・ユーハイムさんによって、

日本でのバウムクーヘンの歴史が始まりました。

ユーハイムさんのお店が現在、神戸にあります

バウムクーヘンの老舗、『株式会社ユーハイム』です。

 

ユーハイムさんが日本で初めてバウムクーヘンを披露したのが3月4日で、

現在、この日は『バウムクーヘンの日』となっています。

 

ユーハイムさんのお店は、とても評判でしたが、

1945年(昭和20年)6月、神戸大空襲によって被災してしまいました。

失意の中、8月14日、ユーハイムさんは58歳の人生を終えられています。

その際、こんな言葉を残されています。

『私は死にます。けれども平和はすぐ来ます』。

その言葉どおり、翌8月15日、戦争が終わりました。

 

その後、ユーハイムさんの奥様、エリーゼさんはドイツに強制送還されましたが、

残された職人さんたちで会社を創りました。

そして1953年にはエリーゼさんが再び、日本にやって来ました。

その後、エリーゼさんは職人さんたちと一緒に、

バウムクーヘンやドイツ菓子を広め、1971年に亡くなるまで

ずっと日本で過ごされたそうです。

 

『ユーハイム』では、カール・ユーハイムさんが

最初にバウムクーヘンを焼き上げた時の作り方を、

今も受け継いでいるそうです。

 

ユーハイムのバウムクーヘン、とっても大好きですが、

歴史を知ると美味しさがまた違ってきますよネ。

 

 

5/29(金)  『バウムクーヘンの豆知識』

 

本場・ドイツのバウムクーヘンですが、

ズッシリと重みのある”ハードタイプ”だといわれています。

それに対して日本のバウムクーヘンは、

ふんわりと柔らかいのに、しっとりとしたなめらかさも持つ

”ソフトタイプ”のものが多いです。

 

これはバウムクーヘンの広まりとともに、

それぞれのバウムクーヘンを作られている会社が、

日本人の好みに合うように改良を重ねていったからです。

 

そんなところから本場・ドイツと同じハードタイプのものを

『バウムクーヘン』。

日本流にアレンジされたソフトタイプのものを

『バームクーヘン』とする分け方もあるそうです。

 

バウムクーヘンは『内祝いの贈り物』や、

『結婚式の引き出物』としても人気の高いお菓子です。

その理由ですが、断面が木の年輪に見えることから

『幸せを重ねる』という意味を持つことが出来ます。

同じように『繁栄』や『長寿』を連想させる縁起物としても

親しまれています。

 

また、バウムクーヘンを作る際には手間と時間がかかります。

同じ作業を何度も何度も繰り返すことで、

ようやく1本のバウムクーヘンが完成します。

結婚も同じように、日々の生活の積み重ねということで、

バウムクーヘンが支持されているのだそうです。

 

木の年輪のように、時間と努力を積み重ね、

人生そのものを応援、励ましてくれるお菓子なんですネ。

 

 

■今週の感想 

 

私はスイーツの中で、一番好きなのがバウムクーヘンなんです。

急に食べたくなって買いに行ったり、

マネージャーさんにお願いして買ってきてもらうことがあります。

バウムクーヘンについてお話していたら、食べたくなりました。

今すぐ買いに行こうかな(笑)

 

 

リスナーの方の中にも今週の放送を聴かれて、

バウムクーヘンを食べたくなった!という方が

いらっしゃるそうですよ。

 

今回知らなかったバウムクーヘンの歴史を知ったことで、

ますますバウムクーヘンが好きになりました。

 

 

【お知らせ① 次週(6/1~)からのテーマ】

 

特に梅雨の時期には欠かせません!『傘』について・・・

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be / モントルー

 

 

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/