羽田美智子のいってらっしゃい

2020.04.24

2020年4月20日(月)~

2020.4.24

 

人は誰でも、お互いに助け合って生きています。

人には誰にも”思いやりの心”があります。

そんな『人を思いやる気持ち』についてです。

 

■今週(4/20~4/24)のテーマ:『人を思いやる気持ち』

4/20(月)  『”お互いさま”の精神』

 

以前、沖縄に住んでいた時、

暮らしの中から、ステキなところがたくさん見つかりました。

最初、便利なものであふれている東京と比べると、

沖縄での生活はちょっと不便なのかな・・・と思うこともありました。

でも不便だからこそ、人との出会いや掛け合い、

助け合いの精神を深く感じることができたんです。

そういったところは”便利”より”不便”の方が勝っていると思います。

 

これは友人と一緒にいた時の話ですが、

沖縄でちょっとしたアクシデントがあった時、

近くに住む人達が”大丈夫?””大丈夫ですか?”と心配して見に来て、

チカラを貸してくれたんです。

私たちと駆けつけてくれた人達とは、知り合いでも何でもありません。

それでもその人達のおかげで、問題は解決しました。

 

でもこれはよくあることで、友達も逆の立場だったら

普通にやる!と言ってました。

それを聞いて本当に感動してしました。

 

それをキッカケに、私にとって生きることに必要不可欠なのは

『優しさ』と『思いやり』、そして『助け合いの精神』になりました。

”お互いさま精神”というか、困っている人がいたら手を差し伸べる。

それこそが”あ~人間で良かったな・・・”と思える瞬間なんじゃないかなと思います。

 

今回の新型コロナウイルスのことで、

”自分だけを優先すればイイ”という風潮になりつつあるのではないかな・・・と、

ちょっとだけ危惧しています。

 

こんな時だからこそ”お互いさま”、”やさしさのある社会”を目指しましょう。

    

 

4/21(火)  『思いやる気持ちを表した言葉』

 

詩人の相田みつをサンの詩に『うばい合えば』があります。

  

『うばい合えば足らぬ   わけ合えばあまる

 

うばい合えばあらそい  わけ合えばやすらぎ

 

うばい合えばにくしみ   わけ合えばよろこび

 

うばい合えば不満   わけ合えば感謝

 

うばい合えば戦争   わけ合えば平和

 

うばい合えば地獄   わけ合えば極楽』

 

『うばいあうこと』と『わけあうこと』って両極なんですネ。

ステキな詩ですよネ。

 

昨日、沖縄の人の『思いやる気持ち』、『助け合いの精神』の

お話をしましたが、

沖縄の言葉に『なんくるないさ~』というのがありますよネ。

私は“気楽にいこうよ”という楽観的な意味だと思っていたのですが

それは違いました。

 

沖縄の人たちもいろんなことで悩むけれど、

最終的にはいったん全部受け入れて認めるんです。

認めた上で“そんなことなんてことないよ、大丈夫だよ”と、

背中を押してくれる言葉なんです。

 

もともと『なんくるないさ~』は

『まくとぅそーけー なんくるないさ』という

言葉からきたものなんだそうです。

 

『まくとぅそーけー』とは『正しいこと・真のこと』という意味で、

そうすることで、『なんくるないさ』

つまり『何とかなるさ』ということを表しています。

 

そんなところから『まくとぅそーけー なんくるないさ』とは

『くじけずに正しい道を歩むべく努力すれば、いつか良い日が来る』という意味です。

 

 

4/22(水)  『思いやりのエピソード①』

 

2011年3 月16日。

東日本大震災の被災地の福島県に、

ひとりの警察官が派遣されました。

その夜のことです。

警察官は学校で被災者に食料を配るお手伝いをしていました。

 

そこで、ある9歳の男の子に出会いました。

男の子は寒い夜にもかかわらず、短パンにTシャツ姿のままで

食料が配られる列の最後に並んでいました。

気になった警察官は、その少年に話しかけました。

 

そして分かったことは、少年は体育の時間に

地震と津波に遭ったそうです。

近くで仕事をしていた父親は息子を助け出そうと

学校に駆けつけようとしましたが、男の子の目の前で

津波に飲み込まれてしまったそうです。

 

その話を聞いて警察官は自分が着ていたコートを脱いで、

男の子の体にそっと掛け、持って来ていた食料パックを渡しました。

当然、喜んで食べてくれる思ったところ、

男の子はそれを配給用の箱の中に戻しに行ったのです。

そして戻って来ると、警察官にこう言いました。

”他の多くの人が、僕よりもっとお腹を空かしていると思うから・・・”

 

まだ9歳の男の子の”人を思いやる言葉”に

警察官の目からは涙があふれ出て、抑えきれなかったそうです。

 

小さな子供たちから教えられることって、ありますよネ。

本当に見習いたい”思いやりの気持ち”ですネ。

 

 

 

4/23(木)  『思いやりのエピソード②』

 

東日本大震災が発生した2011年3月11日。

当時、宮城県南三陸町では地震の直後、

町役場の放送からは、遠藤未希さんという当時24歳の女性の方の

”高台に避難してください”という声が響き渡りました。

 

当時、遠藤さんは災害の時、町の人達に避難を呼びかける

役割をされていました。

地震発生直後、町には高さ約6mの津波が

押し寄せて来ることが予想されていました。 

 

そこで遠藤さんは上司の三浦毅(たけし)さんと一緒に、

町の人達にすぐに避難するように呼びかけました。

その後、予想される津波の高さが10m以上に

引き上げられました。

遠藤さんたちが働く町役場の高さは12m。

10m以上の津波が来たら、

町役場も危ないことは分かったはずです。

 

それでも遠藤さんと三浦さんは、自分の持ち場を離れずに

必死に避難を呼びかけました。

途中、上司や同僚から”二人も早く避難するように!”と

指示がありましたが、放送を続けました。

それから間もなく、町役場も津波に飲み込まれてしまいました。

 

この時の遠藤さんの必死の呼びかけで、

9000人以上の方が避難して助かったそうです。

 

たくさんの方が感謝していると思います。

みんなができることではないと思いますが、

このお二人のような”人を思いやる心”をちょっとでも意識して

日常の生活を送りたいと思います。

 

 

4/24(金)  『改めて感じたこと』

 

4/22(水)にご紹介した、東日本大震災の際、

避難所で男の子がもらった食べ物を

配給用の箱の中に入れた・・・というエピソードは、

ベトナムにも伝えられ、それをキッカケにたくさんの義援金が

日本に寄せられました。本当にありがとうございます。

 

そして昨日ご紹介した、宮城県南三陸町の町役場の遠藤未希さんは、

上司の三浦毅(たけし)さんと一緒に

町の人達に津波からの避難を、最後の最後まで呼びかけました。

お二人の命をかけた呼びかけのおかげで、町の半分近くの

9000人以上の命が救われました。

 

遠藤さんの葬儀の時、町の方々は

”あの時、女性の声で無我夢中で高台に逃げました。

あの放送がなければ今頃、自分は生きていなかったと思います”と、

涙を流しながら、写真に手を合わせたそうです。

 

私は大事なのは”物”ではなく、”心・記憶”だと思っています。

 

”あの世に行く時は身ひとつなんだ”と覚悟して、

いつも家を出ています。

 

だからこそ、人との接し方にも気をつけています。

”もしかしたらこの人とは、二度と会えないかもしれない”と考えて、

お礼の言葉や感謝の気持ちは思った時、

ちゃんと伝えたりするようにしています。

 

”ありがとうと言える人生”を、

”ありがとうと言ってもらえる人生”を送れたらステキですよネ。

 

 

■今週の感想 

 

今週は新型コロナウイルスの影響が広がる中、

こんな時だからこそ”人を思いやる気持ち”の大切さが

求められているんじゃないかな・・・と思います。

 

コロナは人の心までもむしばんでいます。

東日本大震災の時、絆であれほど支え合ってきたのに、

それが今回はバラバラになりつつあるように感じてしまいます。

 

”人を思いやる心”、ちょっとでも意識していただけたら嬉しいです。

 

 

【お知らせ① 次週(4/27~)からのテーマ】

 

大好きな発酵食品の中から『味噌』について・・・

 

【お知らせ② 番組で使用しているBGM】

 

◆オープニング 

♪ALL OF YOU / コルビー・キャレイ

 

◆エンディング

♪To Be / モントルー

パーソナリティ
  • 羽田美智子
    羽田美智子
    羽田美智子

    羽田美智子

    茨城県出身。1988年デビュー。女優として映画、ドラマ、CMなどで活躍中。94年、映画『RAMPO』でエランドール賞新人賞などを受賞。95年、映画『人でなしの恋』で日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。『花嫁のれん』(東海テレビ系列)シリーズ、『特捜9』(テレビ朝日)シリーズ、『おかしな刑事』(テレビ朝日)シリーズ、『ひよっこ』(NHK)など、数々の人気ドラマに出演している。2019年、実家の屋号である”羽田甚”を引き継ぎ、ネットショップ『羽田甚商店』をオープン。自身の五感を通して「本当にイイ!」と思ったものだけを紹介・販売している。
    羽田甚商店:https://hadajinshop.co.jp/