空手家でモデルの植草歩さんが登場。
通算4度の年間世界王者、全日本選手権4連覇、東京五輪出場。
という輝かしい戦績を残し、現役を引退。
現在は日体大柏高校空手部監督であり、
ファッション誌「La farfa」専属プラスサイズモデルをつとめる植草さん
現役引退の決断、指導者としての思い、
そしてモデルを始めたきっかけなど伺いました。
植草歩 X(旧twitter) コチラ
Instagram コチラ
現役引退の決意
昨年現役を引退。
オリンピックが終わった後にモチベーションがどんどん低下していった。
しかし、オリンピック目指していたところまでは頑張れないけれど、
空手を通してほかの世界を見たいと思い続けていた。
発祥の日本国内で厳しく空手をやってきたが、
自分はオリンピックでメダルを取れなかった。
ほかの国の人たちの練習や、
日本とは違う国のサポート体制などが気になり、
外の世界を見てみたいと思い続けていた。
しかし、もうやりきったという気持ちと、
最後に年間チャンピオンになり、この先何があるかなあと思ってしまい、
もうやりたくないと思っていた。
その時に、日本代表の更新の話があり、
推薦選手で決まっていたが、高校で空手の指導もしていて、
合宿とインターハイという高校の予選の大会があり、
生徒たちの方に行きたい、彼女たち、彼らの最後になるかもしれない
インターハイ予選の方に行きたい、という気持ちが溢れたので
もう自分は競技者ではないと思い、昨年引退を決意した。
母校の監督に就任
母校である。日体大柏高等学校空手部の監督に就任。
引退する時に「自分は監督をしてチームを日本一に持っていきたい、
組織改善もしたい」ということを学校と当時の監督と話し、
学校からも是非ということだったので監督になった。
「根性」という言葉は使わない。
自分が「根性」と言われることが嫌いだった。
365日トレーニングしていたが、強くて成功する人は、
そういうものを多分努力と思わないし、
自分もそれを努力だとも根性だとも思っておらず、
自分が勝ちたいから足りないものをやる。
時間が足りないとずっと思い、不安だった。
休息もすごく大切だし、リカバリーとしての楽しむ時間も大事だ
ということが当時も推進されていたが自分自身それができなかった。
だから心がキャパオーバーになり、最後オリンピック勝てなかった
という自分の反省でもある、
海外に行った時に、何故この人たちはこれしか練習してないのに、
メダルを取ってるんだろうと思い、話を聞いたところ
あゆみはやりすぎだ、日本人はオーバーワークと言われた。
もっと創作性がないと勝てない。筋力が疲れていたり、
頭がクリエイティブに回っていなかったら勝てない。
とっさの判断もそうだし、練習することに意欲がわかない。
ちゃんと体が機能できた状態でやるのと、モチベーションも違う。
今、監督としてそういうことを実践している。
指導者としての植草歩
練習はたくさんやればいいということではない。
オリンピック終わって、子供への指導の時間などが増えた中
オリンピック前よりは練習量が減っていたが、
それでも勝てていたのは、やはり質のある練習だったり、
時間が少ないからこそ、より集中しようとしていたから。
1つのことにフォーカスすることがすごく大事。
監督に就任し、男子生徒の坊主頭を廃止。
ちょうど慶応の野球部が優勝されたタイミングで、
監督が「TPOで選択をする、髪型も選択するという
その実践を大事にしている」ということを話されていて
自分もそうだと思った。
切りたい人は切ればいいし、伸ばしたい人は伸ばせばいい、
そういった選択とか、多様性の中で生きていくっていうことで、
子供たちに選択してほしい。
長いこと練習するとか、たくさん突いたから強くなるのではなくて、
空手の練習、分析、食事、リカバリー、リフレッシュにかける時間を
トータルで考えて、空手に関わる時間が長くなって、
自分自身の成長だったり選択が増える時間に
なってもらえたらいいと思う。
モデル植草歩
女性ファッション誌「La farfa」でプラスサイズのモデルをしている。
おしゃれがすごく好きだったが、オリンピックで負けてしまった後、
今までのようにいろんなかわいい服を着たいと思ったり、
おしゃれをしたい、どこかに出かけたいと思うことができなくなってしまった。
ルーズな生活で、現役より練習もしてないから太ってしまうという
負の連鎖になっていった時に、
知人から「La farfa」を紹介していただいた。
見て、「うわっ、すごい」と思った。自分が知らなかった世界だった。
みんな体が大きい小さい関係なく自由に表現されていて、
すごくキラキラして見えた。
空手をやってみんなにキラキラを届けたいと思っていたことがされていて、
自分もまたこんなふうになりたいと思い、モデルに応募した、
もう1度おしゃれしたいとか綺麗になりたいという思う再出発の1つだった。
オリンピックも終わってメディアに出ることが減ったりとか、
注目が減る中でも空手を広げていきたいとか、
自分のこの価値観とか考えてることを世に伝えたことで、
誰かが助け合ってもらいたい、人のためになりたいと思い、
現役を引退した時に何か発信する場所のひとつとして始めた。
今後の夢、目標
監督に就任して、3月に準優勝。
日本一を目指すには自分の指導だけじゃなくて、
子供たちや保護者も含めてみんなでチーム1つになって
やっていかなければいけないことなので、
日本一に本気でなりたいとみんなが思えるようなチーム作りを、
3年後、5年後で成し遂げれるように準備していきたい。
また、空手はマイナー競技になってしまっているので、
多くの人の目にとまったり、多くの人が簡単にふれられるような
競技にしていきたいと思っている。
空手は「空手」だけではなくて、「空手道」という言葉なので、
道を作るものだと改めて思っている。
オリンピックを経てこういう人間になれたのも空手道をしたからであって、
礼儀作法だったりとか、自分の人となりが形成されたのが
空手だと思っている。
空手の魅力はやはり「空手道」であること。
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