歌人の俵万智さんが登場。
今年4月に発表した著書『生きる言葉』から
言葉の力、気になる言葉や不思議な言い回し、
言葉の持つ面白さや難しさなど、
「生きる言葉」についてお聞きしました。
※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。
著書:『生きる言葉』(新潮新書) コチラ
『生きる言葉』
新潮新書から『生きる言葉』を刊行。
今、暮らしの中で言葉の比重というのが大きくなってると
実感していて、ここで、言葉について立ち止まって、
みんなで一緒に考えてみませんか?
という気持ちから、この本を書こうと思った。
対面で話をしてる時は、表情があったり、声色があったりするので、
コミュニケーションのうち、言葉はとても一部だと思う。
電話だと声がコミュニケーションのヒントになる。
さらにメールになってくると、言葉そのものがやり取りの中心になり、
とっても便利だが、言葉だけだからこその行き違いなどの
いろんな事故が起こってるということが実感としてある。
こういう言葉が便利に使える時代だからこそ、
言葉について立ち止まって考えようという気持ちをもった。
言葉を生かすも殺すも、やはり使い手だと思う。
どうせなら楽しく生き生きと言葉を使いたいと思う。
この本には途中に短歌が入っているが、
やはり自分のホームグラウンドは短歌。
もともと長歌というものがあり、その内容をまとめて
最後に五七五七七でおくのが短歌なので、
自分自身、散文を書いていて、それが長歌だとしたら、
それに対する短歌みたいな感じで、散文の中に短歌を置く
というのはとても心地がよい。
言葉を鍛える
今、インフラはすごく整った状態で、
誰もが世界に向かって発信できるということは素晴らしいと思うが、
こういう時代だからこそ、楽しく言葉を使えたらという気持ちがする。
言葉だけがポンと届くメールやSNSの場合は、
一度、自分がまっさらな目で読者になって見てみるっていうのは
とても大事だと思う。
言葉だけだと、自分が思っていたことと違う意味に
とられてしまうということがある。
まっさらな目で他に受け取り方ないかな?と
チェックをしてみるということは大事。
いろんな意味にとれるというのは、言葉の豊かさでもあるが
それが誤解を招かないような注意深さっていうのも必要。
「こんにちは。」という風に句読点を使うと怖いと思うという
最近いわれる「マルハラ」については、
「。」があることがすごく重圧に感じる世代っていうのは、確かにいる。
それは彼ら彼女たちが話し言葉に限りなく近いものとして
フランクに使ってる中で、例えば上司が「。」をつけてくると、
なんか急にかしこまった書き言葉の場面に
なってしまうので、気まずい雰囲気になるようである。
言葉の活用
言葉はコミュニケーションツールだが、
そもそも、この思いを誰かに伝えたいとか、誰かと繋がりたい
という気持ちが「言葉」を生んだのだと思う。
それを思うと、人と繋がる、
いい意味でそのつながりを深めていく形で
言葉を使いたいと常に思う。
短歌は短い詩の形の中に、たくさん詰められないからこそ、
自分の1番言いたいことを残していく。
そういう作業ができるので、短さっていうのはとてもいいと
日々感じている。
自分の何気ない言葉を生きたものにしてくれるのが
短歌かなという気がしている。
何気ない言葉でも、この短歌の中に使ってあげると
何かすごく喜んでいる感じがする。
どんな言葉も歌に入れてやれないかなという気持ちでいる。
歌になる言葉、ならない言葉とか、綺麗な言葉、汚い言葉
ということを聞かれることがあるが、
言葉そのものに歌になるとか汚いとかはないような気がする、
どんな言葉も使う側の気持ちや使い方で綺麗になったり、
歌になったりしていくのだと思う。
気になる言葉、不思議な言い回し
短歌っていう作品が結果として残るが
一番の醍醐味は歌を作るまでの時間、過程。
何か心が揺れた時に、これ歌になるかもと思って立ち止まる。
そして言葉を探す。その時間がすごくいいもの。
著書『生きる言葉』(新潮新書)の中で
「最近気になる不思議な言い回し」をいくつか挙げている。
例えば「とか」は、「焼きそばとか食べませんか」というときの
「とか」。かつては並列につかうのものだったが、
今はアイスしか食べなくても、「アイスとか食べよう」と言う。
ふわっとした言い方で柔らかくなる。
これはもう辞書に認定されてるぐらい普及した言い方。
多くの人がいいなと思って使ってるからこそ
広まって定着するものなので
それは面白い言葉の動きだと思って観察して楽しむし、
全然否定する気持ちはない。
略語も便利。自分は基本肯定派。
正しい正しくないっていうのもおかしな話。
言葉は生きている。
今の時代、言葉の力をつけるというのは、
生きる力に直結してることではないかと感じる。
俵さんにとって「言葉」とは?
自分にとって、「言葉」は“生きる相棒”。
言葉があってこそ、人と繋がり合えることもできるし。
自分の心を観察することもできる。
そして何かを考える時、人は言葉で考える。
なので、常に生きる時にそばにいてくれる相棒という感じがする。
著書『生きる言葉』(新潮新書)の中で
1番最後に「傘だった言葉を・・・」という歌をおいた。
言葉は時に傘のように日差しとか雨からも守ってくれるし、
そういう必要がないときは畳んで杖になってもくれる、
そういう存在かなと思う。
だから、その傘を振り回して人をつついたりしてはダメ。
本来の使い方をしたいと思う。
今は、本当に言葉を届ける手段がとても増えていて、
せっかくこんな時代だから楽しく使えたらいいなと思うし、
一方で秒で言葉を返せる便利な時代でもあるが
だからといって、そんなに慌てふためいて言葉を返さなくても
いいのではないか、立ち止まって見直して返していきたいな
という気持ちもある。
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