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2024.06.28

劇団四季 代表取締役の吉田智誉樹さんに聞く、劇団四季の魅力と強さ。

四季株式会社(劇団四季)代表取締役の吉田智誉樹さんが登場。

昨年創立70周年を迎えた劇団四季。

数々の作品で観客を魅了してきた劇団四季の魅力や強さについて伺うとともに、

最新作『ゴースト&レディ』やディズニーミュージカル『美女と野獣』、

さらには、来年上演予定のミュージカル『バック・トゥ・ザ・フューチャー』についても

伺いました。

 

劇団四季オフィシャルウェブサイト コチラ

 

※ 下にスクロールしていただくと放送内容をご覧いただけます。

 

『ゴースト&レディ』

劇団四季の劇団員は現在約1400人。

そのうち約600名が俳優で、経営スタッフが約350人。

そして技術スタッフが400人程度。

劇団四季の最新ミュージカル『ゴースト&レディ』は、

今年5月に開幕し11月11日まで、JR東日本四季劇場[秋]で上演。

これは、藤田和日郎先生の漫画が原作で

ミュージカル『ノートルダムの鐘』でご一緒したスコット・シュワルツ氏の演出のもと

作り上げた劇団四季のオリジナル作品。

オリジナル作品で海外の演出家を迎えるのは今作が初めて。

スコット・シュワルツ氏の演出の特徴の一つは、演劇的な手法であること。

色々な演劇的なテクニックを使い、お客さんの想像力をかきたてる舞台を創る。また俳優に丁寧に寄り添ってくれる方。

イリュージョンやフライングもあり、

人が宙に浮いたり、壁から出てきたりといった、

びっくりするようなところも楽しんでいただける作品。

何より、ナイチンゲールという歴史上の偉人が

ロンドンの劇場にいるシアターゴーストに出会うというアイデア、

これが1番この作品の原作に惹かれたところ。

ゴーストという存在を通すことで、ナイチンゲールの人生の

いろいろな面が見えてくる。

 

 

吉田智誉樹さんと劇団四季

自分は学生時代、演劇部だったが、

自分には俳優としての能力はないと学生時代によくわかったので、

バックステージを志望した。

高校時代、劇団四季の舞台をよく見ていて

浅利慶太氏が書かれてるものを読んだり、

テレビで話しているのを聞いたりと、少し憧れてたところがあった。

高校2年生の時、高校の芸術鑑賞会で

劇団四季の『アプローズ』を観に日生劇場へ行った。

終演後、学校の代表者として、当時、演劇部の部長をやっていた自分が

お礼に楽屋に行った。その時、浅利慶太氏に出会った。

その後四季に入社。

浅利慶太氏は非常に迫力のある、厳しい経営者であり、演出家だった。

自分の社会人としてのキャリアは、浅利氏に作ってもらったと思っている。

社長を務める今でも、何か物を判断するとき、決める時には、

これは浅利氏だったらどうするだろうかということを最初に考える。

輸入ミュージカルばかりではいけないというのは、

浅利氏が常に言っていたこと。

浅利氏本人もたくさんのオリジナル作品を残しているが、

この時代のお客様に合ったオリジナル作品を作ることも大事だと思っている。

『ゴースト&レディ』はそのような流れで作った作品。

 

 

劇団四季の魅力・強さ①~ロングラン公演~

劇団四季の強みはロングラン公演をしていること。

『ライオンキング』は25年続けており、『アラジン』も間もなく10年。

1つの作品を丁寧に長くやるということが強みだと思う。

経済の部分で考えると、年単位のロングラン公演の売り上げが前提で

投資ができるということ。

舞台装置にコストがかかっても、

長い期間をかけて回収をする前提で投資できる。

投資ができることで、いろいろな革新的な技術などを導入できる。

長く続ける上では大変なところもある。

同じ役をやる俳優を何人も用意しなければいけない。

さらに、その人たちがフレキシブルに交代をしなくてはならない。

ロングラン公演の中、劇団四季の皆が大事にしている、

「慣れだれ崩れ=去れ」という、浅利慶太氏の言葉がある。

1回1回のお客様との出会いは、まさに一期一会。

自分たちにとっては毎日の出来事かもしれないが、

お客様の初めての1回に立ち会うということを絶対に忘れてはいけない。

また、キャストの誰か1人をスターにして立てるようなことはしない。

逆に言うと、どんな人でも主役にチャレンジできるチャンスがある。

1つの舞台のためにみんなが団結をする「劇団」であるということ。

このような運営方針がロングラン公演を支えている、

劇団四季の強みであると思う。

 

 

劇団四季の魅力・強さ② ~こころの劇場、全国各地での公演~

劇団四季では、子どもたちを対象にした

ファミリーミュージカルの無料招待公演、「こころの劇場」をおこなっている。

日本の企業、200社以上の協賛で成り立っていて、

日本全国で公演をしている。

これは一義的にはボランティアで、公平にご覧いただけるということではあるが、

それと同時に将来のお客さんを作っていると思っている。

自分たちの舞台だけではなく、

劇場に足を運んで舞台を見るという体験をした子供たちが

大人になった時に、今度は自分の意思で

ミュージカルあるいはストレートプレイを観たり、

オペラやバレエを観たりすることがあるかもしれない。

そういう下支えをしてる仕事だと思っている。

最初にその人が見た舞台のことは記憶に残り、とても大事だと思う。

その意味でこの「こころの劇場」の仕事は大切であり、

劇団四季の強みの1つと思っている。

劇団四季は、全国各地で公演を行っている。

浅利慶太氏がいつも言ってたことが、

文化というのは東京に一極集中しがちなので、

それは是正しなくてはいけないということ。

自分たちは専用劇場を全国で7つ持っていて、

その中には東京以外の劇場もある。

そして、「こころの劇場」やツアー公演を全国各地で上演している。

このような仕事は大事にしなければいけないと思っている。

 

 

これからの劇団四季

来年も新作を1本予定している。

それが『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のミュージカル。

イギリスで開幕し、その後ニューヨークでも上演されている作品。

ストーリーは、ほぼ映画のパート1のストーリー。

映画で起きる様々な不思議なことは、舞台上でもほぼ全部起きる。

あの車も時を越えて、過去に行ったり、未来に行ったりする。

四季で上演する作品を選ぶ際、これがなければいけないということを決めている。

それは“人生を生きる感動が描かれてるか”ということ。

人生は生きるに値するということを、

観たお客様が感じてくださる作品を選んでいる。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』がロンドンで始まった時に

自分も観に行ったが、この作品にはそれがあった。

あの映画を観るとすごかったという感想で終わるかもしれないが、

そこにミュージカル版は感動もあったので、

これはやれると思った。

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