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2021.06.11

町亞聖さんが考える コロナ禍の介護事情や、ヤングケアラーの問題。

フリーアナウンサーの、町亞聖さん登場。

10代から、母親の介護と共に幼い兄弟と共に家事をこなした経験から

介護問題について積極的に発信。

コロナ禍の介護事情や、10代の若い世代が介護をする

ヤングケアラーの問題など、

介護についての様々な課題について伺いました。

 

 

オフィシャル ブログ コチラ

プロフィール コチラ

 

18歳から始まった介護生活

自身の母が40歳の時に、くも膜下出血で搬送。

手術は成功したが、車椅子の生活を余儀なくされ、

言語障害も残ってしまった。

18歳から10年間、母の介護をしながら

弟と妹の母親代わりをしていた。

とにかく無我夢中で、無事なんとか大学に進学できて、

この介護での経験を伝える仕事をしたいという思いから、

当初は記者やディレクターなど裏方を考えていたが、

偶然が重なり日本テレビのアナウンサーに就職。

メディアで伝える事が、母への恩返しにもなると感じていた。

介護という、現実を受け入れるまでに時間がかかったが、

出来ない事を考えるのではなく、

「母が片手で出来ることはなんだろう」というように、

工夫をするようになってからはある意味、毎日が母の日のようで、

楽しみながら介護をすることが出来た。

 

仕事と介護の両立

仕事をしながらの介護は大変だったが、

アナウンサーは、フレックス勤務体勢だったため、

例えば、夜の番組だと、出勤が遅かったりと

意外と介護や家事に費やす時間を確保できた。

介護と仕事の両立は、柔軟な働き方ができれば問題ないと考えている。

自身のアナウンサー姿を見て母は喜んでくれていた。

一番印象深かったのは、アナウンサーの内定の電話を貰った時。

家族みんなで電話の前で待機していて、

みんなで泣きながら大喜びした事。

日本テレビに入社した1995年当時は、

バリアフリーという言葉も定着していないほどで、

新人のアナウンサーが介護の情報を伝える場所は少なく、

介護の現場に携わるまではとても困難な道だった。

 

増え続けるヤングケアラー

18歳以下の介護をする人は、ヤングケアラーと呼ばれている。

ここ数年でやっと認知されてきて、調査によると

現在は、クラスに1人くらいの割合で存在している。

実際は本人達もヤングケアラーであることに気づいていない

という事が多く、そんな若い人たちへのケアは行き届いていない。

誰にも相談できず、抱え込んでしまっているヤングケアラー達が多く、

例えば、両親が精神的に落ちてしまっていたり、兄弟が障害を抱えていて、

親が働いている・・・など、介護保険の対象にならない場合が多いため、

ヤングケアラーがSOSを出す場所がわからないという現状がある。

介護と経済的な問題はセットになってしまっているため

進路を選べなくなってしまう子供は多いが、自分自身で道を

閉ざさないで欲しい。介護を理由に将来を諦めないで欲しい。

ヤングケアラーに一番大切なことは相談できる人や、

信頼できる人を見つけて話をする事だと感じている。

 

コロナ禍の介護現場 

テレビ局のアナウンサーから、フリーになったきっかけは

母や介護への思いをもっと伝えていきたいというのは

もちろんだが、アナウンサーから報道局へ人事異動になり

最終的にはプロデューサーという完全な裏方になってしまい

自分の言葉で伝えたいという思いを捨てられなかった事。

コロナ禍の介護はとても大変で、

2020年は介護関連の講演会などもほぼ中止となり

そして介護施設もかなり早い段階で、制限をかけていた。

日本は介護の現場でのクラスターは極めて少ない。

反面、介護に携わる人々への、ワクチンの接種はあまり行き届いていない

介護の現場は親身に対応すると、どうしても蜜を避けられない事がある。

ワクチンの接種が始まった今でさえ、介護現場は緊張状態で、

面会制限はこの1年続いている。そのため親族に会えないまま

認知症が進んでしまったり、亡くなってしまうというケースもある。

 

 今後の介護の課題

2025年には介護の人材が40万人ほど不足すると

言われている。2025年は団塊の世代が

75歳になる時期で介護保険を受けられる人が増えるため

自然に携わる人も多くなる必要がある。

今、学生と一緒に介護のボランティアをやっているが

そのボランティアに関わっていた大学生の1人がスーパーに

就職をし、卒業するときの言葉がとても印象的だった。

「就職したら、スーパーの陳列を低くします!」という内容だった。

地域の中で介護への配慮を持つ人が増えれば

暮らしていけるのではないかと感じた。

日本の介護の将来は決して暗いものではない。

要介護者が生きづらいのは誰のせいでもなく

環境や社会のせいだと考えている。

本来であれば自身が伝える事がなくなる事が本望だが、

ヤングケアラーなど介護の周りで生きづらさを

感じる人の声がある限り活動を続けていきたい。

 

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