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2025.07.07

7月7日のゲストは、NPO法人無戸籍の人を支援する会代表の市川真由美さんでした

【スタッフMの番組報告】

最近はすっかり、顔写真付きのマイナンバーカードも普及し、マイナ保険証、はたまたマイナ免許証など紐づくもの
もどんどん増えて、世の中が目まぐるしく変化していることを感じます。しかし、便利に身分を証明する手段が増えて喜ぶ人がいる一方で、このマイナンバーカードなどを、様々な事情で持つことができない人もいるんです。戸籍がない、「無戸籍」の方がそうなんです。

役所に出生届を提出することで、私たち日本人は戸籍を得ることができます。しかしこの出生届を何らかの事情で提出できず、結果戸籍がないまま生きる「無戸籍」の方は、国が把握しているだけで800人、実際には1万人近くいると言われます。その無戸籍の人の戸籍取得や生活のサポートを行う団体が今回のゲスト、無戸籍の人を支援する会代表の市川真由美さんです。

左:NPO法人無戸籍の人を支援する会代表 市川真由美さん

「無戸籍」になってしまう原因は、離婚後300日問題によるものが大きいと市川さんはおっしゃっていました。
これは、離婚後300日以内に産まれた子どもは、実際には前夫の子ではなくても、前夫の子としてみなされるという「嫡出推定制度」によるもの。なので、前夫の子として出生届を出したくない、という女性が届を出さずに
子どもを育てていくケースが多いと言います。これに関しては、昨年法改正があり、女性は離婚後すぐに再婚できるようになり、300日問題も解消されるようになったのですが、これまでには多くの女性がこの問題で苦渋の決断をしてきた背景があるようです。

米の高騰、税金、教育費、老後資金、ニュースでよく取り上げられるテーマもとても大切な社会問題ですが、この「無戸籍」の問題も、現代日本がこれまで放置してきた法の隙間に落ちてしまって悩み苦しんできた多くの人たちのことを思うと、一刻も早く解決しなければいけないテーマだと痛感しました。

市川さんが再三おっしゃっていたのが、自治体の役所の人たちが法改正を深く理解していない、無戸籍という問題を認識していないことが、この問題をなかなか前に進めて行けない、ということ。

制度上、無戸籍となっていたことを知るのが成人であれば、手続きもさらに大変になってしまうのが現実。
この世に生まれてきた証として「戸籍」を持つこと、それを誰でも望み、叶う社会であるために、多くの人にこの問題を知っていただきたいです。

市川さんには次回もお話を伺います。お楽しみに!

NPO法人無戸籍の人を支援する会 HP
https://mukoseki.net/

 

 

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    阿部 亮

    一般財団法人 阿部 亮 財団会長。
    北海道札幌西高等学校卒業。
    19歳で陸路を世界一周したことをきっかけに、2010年からニッポン放送「阿部亮のNGO世界一周!」のパーソナリティを務める。
    夕刊フジに毎週コラムを連載中。
    2019年11月第53回社会貢献者表彰(日本財団賞)受賞。
    https://www.fesco.or.jp/winner/2019_53/winner.php?wid=12499
    2021年7月31日紺綬褒章受賞。

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