上柳昌彦 ラジオの人

2025.03.21

選手も記者もプロの仕事人

東京ドームで開催されたカブスVSドジャース開幕戦をニッポン放送が中継すると聞いた時には「へぇーそうなんだぁ。すごいなぁ」と若干他人事だったのですが、その後中継を盛り上げる役として取材パスを貸与され東京ドームに入れるという展開になるとは思いもよりませんでした。

では具体的に何をすればよいのかはよくわからないまま連日ドームに足を運ぶことに。

最初は両チームのベンチ奥に置かれた袋に入ったヒマワリの種とチューインガムの量の多さに驚いたり、チケットを購入して客席から練習を観覧していたリスナーから「うえちゃん!」と声をかけられて喜んだり「おいおいそこかよぉ!まったくぅ」という感じでした。

取材のドレスコードはなくアメリカの記者はラフな格好をしていましたが、日本の取材陣はスーツ着用が多かったです。

そんななか私はラフな格好でベンチ裏の通路の取材エリアや会見場をうろうろしていたら、カブスのスタッフから「ランドリー?」

と聞かれました。

どうやら日本の洗濯スタッフに間違われたようで、あわてて「ちゃいまんねんちゃいまんねん」と英語でお答えいたしました。

さあいよいよメジャー開幕戦!しかしドームの中で取材をしてもよいけれどあんたには座席はないよという大問題があったのでした。

ではどこで観戦すればよいのか。阪神対カブス戦などではニッポン放送の実況席が空いていたので松本さんの隣に座らせてもらいましたが、開幕戦となると当然そんな席はありません。

ニッポン放送で記者席も一席確保していましたが、私ごときが座るわけにはいきません。

結局通路で立ったままの観戦となりました。当然警備の方はここで立ち止まらないでくださいとなるのですが、取材パスを首から下げてこれ見よがしにメモを取っていた私は何も言われませんでした。

本来は許されないことなのでしょうが、通路にはパスを着用した人は大勢いたのでまぁ大目に見てもらえたという事でしょう。

番組で何回も話しましたが、とにもかくにもLFのスポーツアナウンサーの皆さんの取材のスキルの高さに心底感心した日々でした。

また第2戦、5回第3打席1アウト走者なし、カウント2-2kらの5球目のフェンスぎりぎりの打球がホームランと判定されるまでの間のざわめき、そして主審が右腕をグルグル回した瞬間の大歓声を生で体験することが出来ましたぁ。

初日の練習の際、大谷選手がダッグアウト横の階段を駆け上がって来る姿を捉えようと練習開始1時間前にはベンチ前にカメラの放列ができていました。

大谷選手は開始30分後に登場したのでカメラマンや記者やリポータの皆さんは1時間半、じっと大谷さんの登場を待っていたことになります。

師岡アナウンサーは「取材の9割以上は待っている時間なんです」と言っていました。

一瞬のチャンスを逃すことなく、そしてその一瞬を有効に生かす仕事人たちの取材にかける執念を、ランドリー係のおっさんは垣間見ることができたのでした。

私もなんとなくその瞬間を捉えたくなり、外野で行われている山本由伸投手のキャッチボールをちらりらと見ながらその瞬間を撮ってみました。

たぶん載せてもいいと思うのでとりあえず。もしダメなら早めにお知らせくださいませってなんだそりゃ。