一月最後、フジテレビの10時間以上に及ぶ記者会見など心がザワザワする出来事が次から次へと起こる中森永卓郎さんの訃報が。
2000年台初頭、久米宏さんの「ニュースステーション」の新しいコメンテータとして登場した森永さん。
油の乗り切っている久米さんと堂々と渡り合う肝っ玉の据わった人だなと思ったのが第一印象でしたが、後に私と同い年と知り
驚いたものです。
当時番組をご一緒していたテリー伊藤さんが初めて森永さんと仕事をした後に私に言った言葉が忘れられません。
「あの人変わってるんだよなぁ」
「その言葉、テリーさんが言う!?」と思った次第です。
「あさぼらけ」が始まった朝、森永さんが「あなたとハッピー」内で言ったのは「上ちゃんも迷走していますねぇ」でした。
番組がコロコロ変わり続けた50代の私が、何とかたどり着いたのが早朝の番組。迷走と言われても仕方ない状態でしたが逆に「ここが私の最後の居場所なのだ」と森永さんの一言にやたらと奮起して、なんとかこの春で9年目を迎えようとしています。
森永さん、あの時はありがとうございましたぁ!
森永さんは逝ってしましましたが、それでもラジオは続きます。
「レディオ・マスト・ゴー・オン」
(2月3日からのお客様、小林克也さん。この英語の表現は大丈夫ですかねぇ・・・)
日夜ラジオの世界で奮闘努力、東奔西走、悪戦苦闘している私の仕事仲間、ニッポン放送の冨山雄一プロデューサーが1月31日に「今、ラジオ全盛期。」という本を出しました。
帯にはテレビプロデューサーの佐久間宣行さんが「メディアそのものが変革する時代に、ラジオは絶望から目をそらさずに『熱狂』という希望を見つけた。これは、その奇跡の一部始終を描いたドキュメントだ。」と寄稿しています。
これまでにも番組本という形やパーソナリティーの視線でラジオを描いた本は数多くありますが、ディレクター、プロデューサーの視点で描かれていることが新鮮でした。
2000年代のラジオが苦悩していた時期、そして東日本大震災発災時のラジオの役割、やがて到来するSNSとラジオイベントの時代。さらにはコロナ禍におけるラジオという流れで展開していきます。
2000年初頭は昼や朝の番組を担当していたので当時のオールナイトニッポンの様々はこの本で初めて知りました。
スタジオで生放送中に東日本大震災が起こったために、実はその時スタジオの外で何が起こっていたのか、社員はどう動いたのかも本で知った次第です。
また各番組でツイッターを利用し始めた頃に冨山さんが有効な使い方をレクチャーしてくれたのですが、私などは「はぁぁそうなんだぁ」と思う程度でした。しかし彼はその当時からラジオとSNSの親和性を的確に見抜いていたのでした。
ラジオってどうやって作られていくのだろうと思っている方はもちろん、ラジオの世界に入ってみたいなと思っている若い方にもガイドブックや教科書的に読んでいただける本です。
またビジネスのヒントにもなるエピソードも満載です。
震災後の東北取材や「岳南電車生放送」など忘れえぬ仕事の数々を共に体験してきた冨山さんは本の「おわりに」に私とのことも書いてくれていました。
「トミー、ありがとなぁ。新橋の『美味ぇ津“』に行かないとな!」
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