上柳昌彦 ラジオの人

2024.08.09

オリンピックと地震と

ニッポン放送5階に設置された5台のTVモニターに映るオリンピックの生中継をチラチラ眺めながら番組準備をする日々が続きました。

場合によっては生放送中にも試合が行われメダルを取ると簡単な文面で原稿が届きそれを読み上げました。

このような雰囲気の中で「あさぼらけ」のオリンピックは終わったのですが、結局夜中に寝ているときと番組準備中と番組中に行われた競技が多く、じっくりとTV の前で観戦することは少なかったです。

すべてが慌ただしく通り過ぎて行ってしまった感じでしたが、そんな中でも印象に残っているのは、パリから連日リポートを入れてくれた小永井一歩アナウンサーのフェンシング女子フルーレ団体銅メダル獲得の際のリポートでした。

「フランス人のコーチが『あなたがいつもそばにいて通訳してくれたからこそ取れたメダルだった』と通訳の女性に感謝の言葉を述べると、通訳の方は涙ながらにそれを日本語に通訳していたんです」

このリポートでメダル獲得の裏には選手を支える多くのスタッフが関わっていることがわかり、胸が熱くなりました。

それから小永井アナウンサーの話の背後にかすかに聴こえてくるパリの街中の音にも心惹かれましたねぇ。

さぁオリンピックも終盤を迎え次はお盆休みウィーク。番組もちょっとのんびりお送りしようと思っていたらまさかの宮﨑での震度6弱の地震に続き南海トラフ地震臨時情報(調査中)の発令となりました。

年末年始のスケジュールをなんとかこなしてさぁ年始はゆったり生放送をと思っていたところに能登半島地震の発災。あの時の事を思い出してしまいました。

世界に占める国土面積はわずか0.25%なのに世界で発生するM6以上の地震の22.9%が日本で発生し、この狭い国土に世界の7.7%にあたる111の活火山があるのが日本。

それでも温泉が豊かにあり美しい四季がある日本列島に私たちの先祖がやってきたのは3万数千年以上前と言われています。

様々な危機をなんとか乗り越えてきた祖先のDNAが私たちの体内にあると信じ、正しく恐れ正しく対応して行きたいものです。