秋の澄んだ青空の下、銀杏が綺麗に黄葉しています。下の写真は、今日取材していた永田町・国会議事堂周辺の銀杏並木です。各地で銀杏が見頃を迎えていますね。
先日、横浜DeNAベイスターズの26年ぶりの日本一を祝したパレードが横浜で行われました。私は広島東洋カープファンではありますが地元横浜ということもあり、このパレードを観に行きました。この日も快晴で、関内の銀杏並木は綺麗に黄葉し、青と黄色、正にベイスターズカラーの景色の中でのパレード。選手を乗せたラッピングバスが目の前を通ると大歓声が巻き起こり横浜の街は大熱狂。私のいた横浜スタジアム前には青いユニフォームに身を包み、帽子やタオルを始め、様々なベイスターズグッズを身につけたファンの皆さんで、黒ならぬ“青”山のひとだかりができており、皆それぞれベイスターズへの思い出と感謝を持ち寄って集まっていました。
この光景を目にして私が初めて横浜スタジアムに足を運んだ時のことを思い出しました。
小学校4年生、横浜の小学校に引っ越して2年が経とうとしている頃でした。進級を控えてどこかそわそわした空気のクラスで、下校前のホームルームで黒板に貼りだされた一枚のプリント。そこには「横浜スタジアム無料招待」の文字。当時横浜ベイスターズは市内の小学校に通う生徒たちを各校から何人かをオープン戦に招待していて、抽選で観戦チケットがもらえました。
この年の招待カードは「横浜vs広島」。広島東洋カープファンである私は、真っ先に応募し、招待チケットを手に入れ父親と一緒に横浜スタジアムに試合を観に行くことが出来ました。
観戦した試合がどのようなスコアで終わったかは覚えていませんが、初めて横浜スタジアムに行ったその日の経験は私にインパクトを残しました。
当日はデーゲーム。青空の下で試合が始まりました。席は内野席ですが1塁側のかなりポール寄りの席でした。周りには生粋の横浜ファンの皆さん。私は心の中で(カープを応援するぞー!)と意気込みつつ、カープファンであることがバレてしまわないように落ち着いてグラウンドに目を落としていると、後ろの席の人に肩をたたかれました。
「お兄ちゃん!今いくつ?」
振り返ると、お酒を飲んでいたのか、連日の野球観戦で日焼けをしていたのか顔が真っ赤な4~50代のいかにも野球大好きなおじさんがニコニコしてこちらを見ています。
9歳です。と答えると、「おー!1997年?じゃあお兄ちゃん生まれたぐらいの時に横浜が優勝したんだけど全然知らないわけだ!ベイスターズの優勝、観たいよな??」とニコニコ話しかけてきます。私が困惑しているとつづけざまに「んで、どの選手が好きなんだ?」と聞いてきました。
(これはまずいことになったな…)
直感でそう思いました。「えーっと、、、」と口ごもる私。横浜ファンが周りを取り囲むこの席で選手名を答えられなければ、あまりよくは思われないでしょう。「新井!あとは栗原!」なんて正直にカープの選手の名前を答えれば最後。この後気まずい空気の中で私と父は試合を観なくてはなりません。少しの沈黙のあと私が答えたのは、「ば、番長…」
するとそのおじさんは「いいね!!三浦は横浜の魂だ!!ちなみに俺は金城が大好きだ!!」とくっしゃくしゃに笑って、そのまま私に番長・三浦大輔選手と金城龍彦選手のプロ野球チップスのカードを私にくれました。
その後もおじさんは試合で金城選手が打席に入るたびに、私の後ろから「ほらあれが金城だ!」と私に教えてくれ、どの選手が凡退しても「次があるぞ!!」、内野ゴロで一塁を走り抜けない選手を見つけると「それじゃだめだー!!」と大きな声で選手たちに届くように応援をし続けます。
いつしか試合よりも、喜怒哀楽が全身から溢れ出すそのおじさんの応援の方に気が向く私。おじさんは最後までその調子で応援し続け、試合終了後はニコニコで「今年、優勝するぞー!」と叫び、最後に私に「横浜“も”いいだろ!」と言ってスタジアムを後にしていました。その時は「ばれてたのか…」程度にしか考えていませんでしたが、私が他球団のファンということを分かりながらも色々と良くしてくれていたとても懐の深い対応だったのだと今は感謝の気持ちです。
日本大通り駅に飾られたポスター
あれから15年以上が経ち、ついに横浜が日本一を手にしました。あの時答えた三浦大輔選手は、監督になりチームを日本一へと導きました。パレードの終わりにはマイクを持ち「26年ぶりにこの景色を見られて最高の気分です。パレードの最中、沢山の方からありがとうと言っていただき、そして涙される方もいました。それを見て自分も本当に感動しました。」とファンに感謝を伝えていました。どこかにおじさんがいたら大きな声で「ありがとう」と言っているでしょう。泣いているかもなあ。そんなことを想いつつ内田は心の中で「来年はカープが優勝するぞー!」と思うのでした。
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