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6/21の1本目は、ひとは変わることができるのか、ひとはひとを変えることができるのか…過去に追いかけられる男と、今しか見ない少年の物語
『四月の余白』

𠮷田恵輔監督ご自身がやんちゃな中高時代に出会った、メンターのような存在の“訳ありの中年男性”、そして暴力を抑えられず孤立していった少年たちをモデルにしています。
人の痛みも常識も理解できない残虐な少年たちと、そんな子供たちに本気でぶつかりながらも彼らに寄り添う大人の生々しいもがきが描かれています。

元半グレで元受刑者の西健吾は、海の見える地方都市で全寮の更生施設「みらいの里」を運営しています。自分の過去の過ちと経験を活かし、道を踏み外しかけた子供たちに体当たりで向き合いますが、体罰も辞さない更生方針は教育関係者から批判されていました。
ある日、中学教師の冬子から、手に負えない生徒の海斗と鑑別所帰りの悠について相談を受けます。二人に会った西は、一瞬で海斗の狂気を見抜きました。激しい家庭内暴力に疲れた母親も海斗を「みらいの里」に託すと決めますが、施設でも寮生とトラブルを起こして脱走。さらには傷害事件で逮捕されてしまいます。
西は海斗の父から責め立てられます。若い頃、敵対する西にリンチされ、左脚に障害が残ったというのです。覚えていない過去と向き合う西にできる贖罪は、海斗を更生させることだけ。
「ひとは変われる」と信じて新たな取り組みに踏み出すのですが…。

荒れる子供たちに本気でぶつかりながらも笑顔を絶やさない西を演じるのは、一ノ瀬ワタルさん。
周囲の大人たちを翻弄する中学3年生の海斗には、吉田監督が抜擢した新星・上阪隼人さん。
2人を引き合わせる中学教師の草野冬子を演じるのは、夏帆さん。
一ノ瀬さんをはじめ、役者さんたちの現実味がある熱演に目が離せませんでした。

胸がヒリヒリと、とても痛かったです。
常識も相手の気持ちも本当に理解できない海斗が、西と関わっていく中でほんの少しずつ変わっていきます。人は人と関わることで変われるんだ、いや変われる人もいるんだと思う一方で、正論を吐き、正義を振りかざしている週刊誌の記者や教育委員会のお偉いさん、訳知り顔の大人たち、今の世の中の一端を改めて突き付けられたようでした。

彼らの時間はずっと続きますし、西も海斗も冬子もみんな生きていかなければなりません。
自分にできることは何なのか?こうして知ることから始めるしかないのですよね。

『四月の余白』
6月26日 新宿ピカデリーほか全国公開
公式サイト:映画『四月の余白』公式サイト
一ノ瀬ワタル
夏帆 上阪隼人 篠原 篤 占部房子
山﨑七海 和田 庵 髙田万作 松木大輔 小沢まゆ パトリック・ハーラン
監督・脚本:𠮷田恵輔
配給:アークエンタテインメント
©2026 N.R.E.

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