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12/14の1本目は、ソ連軍の侵攻でラジオ局を占拠されても、市民と自由のために真実を伝え続け闘ったラジオ局員たちの緊迫の実話!
『プラハの春 不屈のラジオ報道』

1960年代は、世界中で若者たちの理想とエネルギーが爆発した時代です。
ベトナム反戦運動、フランスの五月革命、中国の文化大革命、そして日本の学生運動…ソ連の共産主義支配下にあった東欧のチェコスロバキアでも、若者たちが民主化運動を起こしました。
その機運は国中に広まり、検閲の廃止や言論の自由が認められ、ついに“プラハの春”が訪れたと国民誰もが思った矢先、ソ連がワルシャワ条約機構の軍を率いてチェコスロバキアに侵攻。軍は、当時、最大の報道機関だったラジオ局を制圧し、「ソ連がチェコスロバキア国民を救出に来た」とフェイクの放送を流そうとします。しかし、ラジオ局の報道局員たちは、権力と戦車に立ち向かい、回線技術を駆使し、ラジオ局の外から真実の報道を続け、市民を励まし続けたのです。

この感動の実話を描いた作品は、チェコ本国で、年間動員1位、年間興行成績1位、国内映画歴代2位と、記録的な大ヒットとなりました。

そんな物語の舞台は、もちろん、チェコスロバキア国営ラジオ局。
国際報道部は、ミラン・ヴァイナー部長の下、政府の検閲に抵抗し真実のみを伝えようと自由な報道を目指して活動しています。
一方、亡き両親に代わり弟パーヤの世話をするトマーシュは、中央通信局で働いていましたが、上司の命令で、報道部で働くことに。学生運動に参加している弟パーヤを見逃す代わりに、報道部とヴァイナーを監視して国家保安部〈StB〉に協力しろというのです。
やがて、ヴァイナーや局員たちに信頼され仕事も任せられるようになったトマーシュは、仲間を裏切っているという良心の呵責に苛まれるようになります。
そしてついに、“プラハの春”が訪れ、国民が歓喜する中、トマーシュは中央通信局に呼ばれ、驚くべき内容をラジオで報道するよう命じられるのです…。

歴史なので結果はわかっていても、国民に真実を伝えようと奮闘するラジオ局と阻止しようと圧力をかける共産党の攻防に最後までハラハラドキドキが止まりませんでした。
当時のヒット曲を楽しみながら自由闊達に仕事をするラジオ局員たちは、とても眩しく、きちんと裏取りをした正しい情報を流そうとする報道記者としての矜持を強く感じました。
大きく揺れる社会の中で真実のみを伝えようと貫くのは大変なこと。命を懸けることになるのです。
“プラハの春”を歴史として捉えるのではなく、歴史に翻弄された普通に暮らす人々の心の動きを追っているところに共感すると共に、自分が当時こうしてマイクの前にいたら思いを貫けたのだろうかと自問自答がずっと続いています。

『プラハの春 不屈のラジオ報道』
12月12日(金)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国公開
公式サイト:映画『プラハの春 不屈のラジオ報道』公式サイト
監督・脚本:イジー・マードル
出演:ヴォイチェフ・ヴォドホツキー、スタニスラフ・マイエル、タチアナ・パウホーフォヴァー、オンドレイ・ストゥプカ
2024 年/チェコ、スロバキア/チェコ語/131 分/カラー/シネスコサイズ/原題:Vlny(英題:Waves)/PG-12
後援:チェコセンター東京
配給:アット エンタテインメント
© Dawson films, Wandal production, Český rozhlas, Česká televize, RTVS – Rozhlas a televizia Slovenska,Barrandov Studio, innogy

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