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10/19の1本目は、新たな出会いが導く世界を描く現代版“不思議の国のアリス”
『ミーツ・ザ・ワールド』

原作は、第35回柴田錬三郎賞を受賞した金原ひとみ氏の同名小説です。
メガホンを取ったのは、『くれなずめ』『ちょっと思い出しただけ』など青春の一瞬の輝きを描いてきた松居大悟監督。
この作品では、新宿・歌舞伎町を舞台に、初めて“生きること”についての映画に挑み、新境地を開きました。

主人公は、自分のことが好きになれない銀行員の由嘉里。擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」をこよなく愛し日々推し活に励んでいても、職場ではBL好き＝“腐女子”であることを隠しています。
27歳になって不安と焦りを感じ婚活を始めますが、合コンでは惨敗！歌舞伎町の道端で酔いつぶれていたところを美しいキャバ嬢・ライに助けられ、家に連れて行かれます。
足の踏み場もないほどゴミだらけの部屋で生活するライは、死にたいという思いを抱えていたのです。その日以来、二人は一緒に住むようになり、由嘉里はライのおかげで歌舞伎町の人々と出会います。
ある日、ライから元カレの話を聞いた由嘉里は、彼との確執が解消したら、死にたい気持ちが消えるかもしれないと考え、大阪で開催される「ミート・イズ・マイン」の2.5次元舞台の遠征に合わせて、ライの元カレの実家を訪ねるのですが……。

主人公の由嘉里役は、演技力に定評のある杉咲花さん。アニメを見る推しに夢中な横顔は、腐女子そのもの。さすがは女優さん、可愛いにもほどがあります。
そして、歌舞伎町の住人たち…死にたい思いを抱えた美しいキャバ嬢・ライ役は、オーディションで役を勝ち取ったモデルで女優の南琴奈さん。
妻の財力で毎月No.１にしてもらっているホストのアサヒには、板垣李光人さん。
人が死ぬ話ばかりを書いている毒舌な作家・ユキ役は、蒼井優さん。
歌舞伎町で生きる人々に寄り添うBARの店主・オシンには、渋川清彦さんと個性豊かな俳優陣が集結！
他の登場人物たちもみんな生き生きと魅力的で、目が離せません。
劇中で流れる擬人化焼肉漫画「ミート・イズ・マイン」のアニメは実際に３話分が作られたそう。必見です。

孤独や憂鬱、辛い何かを抱えている人たちがいつの間にか集まり寄り添う姿が、とても愛おしいのです。
同じ価値観は共有できない、分かり合えない部分があっても、それでも寄り添って生きていきたいと思う由嘉里に元気をもらえました。
今まで会ったこともない人たちと出会うことで由嘉里の世界が変わっていく、まさしくミーツ・ザ・ワールド！生きることに一生懸命になれる素晴らしさを実感、自分もそうありたいと思わせてくれました。

『ミーツ・ザ・ワールド』 
2025 年 10 月 24 日(金)全国公開

公式サイト：映画『ミーツ・ザ・ワールド』オフィシャルサイト
杉咲花
南琴奈 板垣李光人
くるま(令和ロマン) 加藤千尋 和田光沙 安藤裕子 中山祐一朗 佐藤寛太
渋川清彦 筒井真理子 / 蒼井優
(劇中アニメ「ミート・イズ・マイン」) 村瀬歩 坂田将吾 阿座上洋平 田丸篤志
監督：松居大悟
原作：金原ひとみ『ミーツ・ザ・ワールド』(集英社文庫 刊)
脚本：國吉咲貴 松居大悟
音楽：クリープハイプ
主題歌：クリープハイプ「だからなんだって話」(ユニバーサルシグマ)
2025 年/日本/カラー/アカデミー(1.37:1)/5.1ch/126 分/G
配給：クロックワークス
©金原ひとみ/集英社・映画「ミーツ・ザ・ワールド」製作委員会