ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2025.08.03

サンデー早起キネマ『美しい夏』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”

8/3の2本目は、イタリアから届いたある夏の青春の物語
『美しい夏』

原作は、イタリア文学界を代表する巨匠チェーザレ・パヴェーゼが1940年に執筆し、長年愛されてきた代表作「美しい夏」。
イタリアの女性監督ラウラ・ルケッティが、物語のベースはそのままに現代的な感性で映画化し、青春の輝きと残酷さを見事に捉えた瑞々しい珠玉作を生み出しました。
第2次世界大戦が始まる直前のイタリア・トリノを舞台に、傷つきながらも真実の愛と人生を模索する2人の女性の物語です。

1938年、田舎からトリノに出て来て、お針子として洋裁店で働く16歳のジーニアは、3つ年上の美しく自由奔放なアメーリアと出会います。
画家のモデルで生計を立てている彼女は、芸術家たちが集う新たな大人の世界へ、ジーニアを誘います。それは誘惑と幻想と脆さに満ちた、自由奔放な芸術と表現の世界。
思春期真っただ中のジーニアと自立して逞しく生きるアメーリアは、お互いの姿に自分の未来や過去を映しながら徐々に惹かれ合っていくのです…。

期待と不安に圧し潰されそうになりながら、妙に急いたり焦れたりする感情を持て余すジーニアを等身大で演じたのは、実力派のイーレ・ヴィアネッロ。心を表す瞳の表情がとってもいいんです。
そして、圧倒的な美とカリスマ性を放つアメーリアには、ディオールのアンバサダーを務める注目の新星ディーヴァ・カッセル。
あのモニカ・ベルッチとヴァンサン・カッセルの娘です。若い頃のお母さんに似ていますが、さらに今時の美人!あまりの美しさにどうしても目が追ってしまいます。

石畳や石の壁が美しいヨーロッパの古い街並みや、郊外の緑豊かな自然、そしてクラシカルで上品な当時の衣装…映像がとても美しい作品です。少女たちの瑞々しさがあふれ出てくるようです。
揺らぐ10代、程度の差はあれ、自分を見失ってしまうほど何かに夢中になることは誰にでもありますよね。「あれ、違った!」と思うこともしばしば。でも、それを繰り返して大人になっていくのです。

戦争がもうすぐ始まろうとしているご時勢に、女性が自分の思いに正直に、人生を模索する姿が素晴らしいと思いました。
この先、なんとか戦火を逃れて2人とも幸せになってほしいと心から願わずにはいられません。

『美しい夏』
2025 年 8 月 1 日(金)より YEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

公式サイト:『美しい夏』公式サイト
監督・脚本:ラウラ・ルケッティ
出演:イーレ・ヴィアネッロ、ディーヴァ・カッセル
原作:『美しい夏』チェーザレ・パヴェーゼ作 河島英昭訳(岩波書店)
2023/イタリア/イタリア語・フランス語/111 分/カラー/2.39:1/5.1 原題:La Bella Estate 字幕:増子操 字幕監修:関口英子
配給:ミモザフィルムズ 
©2023 Kino Produzioni, 9.99 Films 

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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