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6/29の3本目は、ヒョンビン主演、アジアを震撼させた歴史的事件の裏側を壮大なスケールで描く極限サスペンス・エンターテイメント
『ハルビン』

日露戦争後、ポーツマス条約が締結され、ロシア帝国は大日本帝国が大韓帝国へ進出することを認め、韓国に統監府が置かれます。
この作品は、初代統監であった人物を巡る事件…日本では「伊藤博文暗殺事件」、韓国では「ハルビン義挙」と言われる事件を描いています。

1908年、咸鏡北道シナ山で、アン・ジュングン率いる大韓義軍は劣勢にもかかわらず勇敢に戦い、日本軍に勝利を収めます。
アン・ジュングンは、万国公法に従い捕虜たちを解放すると主張しますが、反対する者も多く、軍は分裂してしまいます。
その後、捕虜を逃がしたため日本軍に逆襲され、部下たちを失ってしまったアン・ジュングンは、なんとかロシア・クラスキノの隠れ家に辿り着きます。しかし、彼を迎えた同志たちの視線は厳しいものでした。
そんな中、アン・ジュングンは、1909年10月、伊藤博文が大連からハルビンに向かうとの情報を入手。祖国の独立を踏みにじる「年老いた狼」を抹殺することこそが、亡くなった同志たちのために自分ができることだと確信した彼は、仲間と大連行きの列車に乗りますが、動きがすべて日本軍に察知されていたのです…。

韓国で誰もが知る英雄アン・ジュングンを演じたのは韓国を代表する俳優ヒョンビン。これまであまり描かれることのなかった苦悩や挫折、悲しみをストイックに表現しました。
伊藤博文役は、韓国映画初出演のリリー・フランキー。静かな語り口の端々に凄味を感じさせる演技はさすが。韓国映画では、日本人役を韓国の役者さんが演じることが多いのですが、伊藤博文役がリリーさんで本当に良かったと思いました。
他に、共に戦う同士に、ユ・ジェミョン、イ・ドンウク、チョン・ヨビン、チョン・ウソンなど、韓国の名優たちが顔を揃えました。

監督は、劇場の大スクリーンで楽しめる作品作りを追求するウ・ミンホ監督。当時の風景に近い場所にこだわり、韓国だけでなく、モンゴルの砂漠や湖、旧ソ連の建築様式が残るラトビアでロケが行われ、壮大なスケール！そして、イタリア人画家カラヴァッジョの絵を参考にした映像美には圧倒されます。

歴史なので結末はわかっているのに、一刻も油断ならないストーリーに疲れるほどドキドキしてしまいました。
同じ歴史・事実が、違う目線で描かれたものを見るのは不思議ですが、同時に大事なことだとも思います。
この作品が今、日本で公開されることが平和につながることだと心から祈りたいです。

『ハルビン』
2025 年 7 月 4 日（金）新宿ピカデリーほか全国公開

公式サイト：7/4（金）公開｜映画『ハルビン』公式サイト
監督： ウ・ミンホ（『KCIA 南山の部長たち』『インサイダーズ／内部者たち』）
出演：
ヒョンビン「愛の不時着」『コンフィデンシャル：国際共助捜査』
パク・ジョンミン『密輸 1970』
チョ・ウジン『インサイダーズ／内部者たち』
チョン・ヨビン「ヴィンチェンツォ」
パク・フン『ソウルの春』
ユ・ジェミョン「梨泰院クラス」
イ・ドンウク「トッケビ ～君がくれた愛しい日々～」
リリー・フランキー『万引き家族』
チョン・ウソン（特別出演）『ソウルの春』
2024 年／韓国／114 分／カラー／シネマスコープ／5.1ch／映倫 G／字幕翻訳：根本理恵
原題／하얼빈 HARBIN
韓国公開日 2024 年 12 月 24 日
配給：KADOKAWA、KADOKAWA K プラス
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