ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2024.12.29

サンデー早起キネマ『ブルースの魂』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
12/29は、良い新年を迎えるパワーがもらえる作品を3本ご紹介。

1本目は、キング・オブ・ブルースと言われるB.B.キング生誕100周年を記念して公開される
『ブルースの魂』

制作から50年の時を経て、今年7月にアメリカで、そして12月に日本で、初めて劇場公開。
監督は、ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズなども撮影してきた音楽ドキュメンタリー作家、ロバート・マンスーリス。
ミシシッピ川流域(ミシシッピ・デルタ)やテネシー州メンフィスなどで発生した初期のブルースミュージック=デルタ・ブルースへの関心が再燃していた1970年代の初め、マンスーリスは、本物のアメリカン・ブルースの名残をフィルムに収めようとミシシッピ・デルタを旅します。
そこで、伝説的なミュージシャンたちのインタビューや演奏を撮影しました。

彼の目的は、音楽を記録するだけではなく、ブルースをこれほどまでに表現豊かで心揺さぶる音楽形式にしている文化的・政治的要因を探ることでした。
そして、その合間に、貧困や偏見と闘うハーレムの若いカップルのドラマを差し込みました。ドキュメンタリーとフィクションの境界線を曖昧にすることで、「ブルースとはなんぞや」ということをわかりやすく提示してくれたのです。

ドキュメンタリー部分は、B.B.キングをはじめ、バディ・ガイ、ブッカ・ホワイト、ロバート・ピート・ウィリアムズ、ジュニア・ウェルズ、ルーズヴェルト・サイクスなどの演奏やインタビュー。
そしてフィクションは、ニューヨークのハーレムに住む若いカップルの愛と苦悩の物語。

この物語があることで、確かにブルースが何であるかを少しだけ理解できたような気がします。
「ブルースとは、心に浮かぶ感情なのだ」と。
農場や河岸で働く時、歌で調子を合わせたり、奥さんが冷たいって嘆いたり…そんな心の叫びを聴いて、フラメンコっぽいなと思いました。
ブルースの哲学について尋ねられたマンスーリス監督はこう答えています。
「ブルースにも、タンゴにも、フラメンコにも、ギリシャのブルース・レベティコにも、哲学はない。それらは、見捨てられた人々が失われた愛を求め、一般ウケする詩歌を通して抗議しているだけなのだ」と。
抗議…誰かに訴えずにはいられない彼らの心の声に耳を傾けていると、自分の声を代弁してくれているようにも感じます。身も心もブルースにどっぷり浸かれる88分、ぜひお楽しみください。

『ブルースの魂』
12 月 28 日(土)より新宿 K’s cinema、UPLINK 吉祥寺他 全国順次ロードショー

公式サイト:http://blues.onlyhearts.co.jp/
監督:ロバート・マンスーリス
出演ミュージシャン:B.B.キング バディ・ガイ ジュニア・ウェルズ ルーズヴェルト・サイクス ロバート・ピート・ウィリアムズ マンス・リプスカム ブッカ・ホワイト ソニー・テリー ブラウニー・マギー ファリー・ルイス ジミー・ストリーター
出演俳優:ローランド・サンチェス オニケ・リー アメリア・コルテス ウィリアム・L・エヴァンス
1973 年(2022 年 2K 修復版)/フランス/英語/88 分/1:1.33/字幕:福永詩乃/
英題:THE BLUES UNDER THE SKIN/原題:LE BLUES ENTRE LES DENTS/
配給:オンリー・ハーツ
協力:ブルース&ソウル・レコーズ
🄫1973-2022 NEYRAC FILMS

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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