おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
12/8は、人間を再発見できるヒューマンドラマを3本ご紹介。
2本目は、スペイン・カタルーニャの大地を舞台に、変わりゆく世界のしくみと、変わらない家族の絆の物語
『太陽と桃の歌』

少女の特別な夏を描いた初の長編監督作品『悲しみに、こんにちは』で、各賞に輝き絶賛されたカルラ・シモン監督の2作目。ベルリン国際映画祭の金熊賞など世界で賞を獲得しています。

スペインのカタルーニャ地方の小さな村アルカラスで、3代にわたって桃農園を営む大家族ソレ家。
例年通り収穫を迎えようとしていた時、地主から夏の終わりに土地を明け渡すよう迫られます。桃の木を伐採して、ソーラーパネルを設置するというのです。
父親は激怒しますが、妻と妹夫婦はパネルの管理をすれば「楽に稼げる」という地主の囁きに心が動きます。祖父は賭け事で一発逆転を狙い、長男は資金稼ぎに畑の片隅で大麻栽培を始めるなど、てんでバラバラに桃農園の危機を何とかしようとしますが、大げんかが勃発。
一家に大きな亀裂が入ったまま最後の収穫が始まろうとしていました。
果たして、桃農園の行方は?そして、家族の絆は取り戻せるのでしょうか?

一番の魅力は大家族です。寡黙で心から桃の木を愛するお祖父ちゃん、噂話が大好きな大叔母さん、頑固ですぐかっとなるお父さん、ここぞという時はキメるお母さん、お父さんに認めて欲しいのに方向が間違っている長男、気が強くても本当は繊細な長女、やんちゃでいたずらっ子の末娘。
さらに、要領のいい父の妹一家や、里帰りするもう一人の妹も絡んで、リアルな大家族のやり取りに時に笑い、時にジーンと胸が熱くなります。まるでドキュメンタリー映画を見ているよう!

演じているのは、俳優さんではなく、カタルーニャ地方に暮らしその土地を愛する人々。アルカラスで実際に家族が桃農家を営んでいたカルラ・シモン監督のたっての願いです。
そんなワチャワチャ家族を見守るのは、カタルーニャの肥沃な大地と、豊かな緑、夏の青空、まばゆい太陽、甘い香りがしてきそうな桃…大人たちが桃の収穫をする周りを走り回る子供たちの笑顔が無邪気でとても幸せそう。私も幼い頃、祖母の家のイチゴハウスの中で遊んだことを思い出しました。
土地の再開発という急激な時代の変化に晒される家族の絆を通して、世界の未来を問いかけるヒューマンドラマ、是非大スクリーンでご堪能下さい。

『太陽と桃の歌』
2024年12月13日(金)、全国ロードショー
公式サイト:taiyou-momo.com
監督・脚本:カルラ・シモン 『悲しみに、こんにちは』
出演:ジュゼップ・アバット、ジョルディ・ プジョル・ ドルセ、アンナ・ オティン
2022年/スペイン・イタリア /カタルーニャ語/カラー/ヴィタ/5.1ch/121分/原題:ALCARRÀS/日本語字幕:草刈かおり
後援:スペイン大使館 インスティトゥト・セルバンテス東京
配給:東京テアトル
© 2022 AVALON PC / ELASTICA FILMS / VILAÜT FILMS / KINO PRODUZIONI / ALCARRÀS FILM AI

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