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9/15は、実話を描いた“映画以上に映画的なストーリー”、驚きの感動作を3本ご紹介します。

2本目は、有名デザイナー本人がすべてを赤裸々にさらけ出す美しくもスキャンダラスなドキュメンタリー
『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』

2011年に起きたショッキングな事件を覚えていますか。
クリスチャン・ディオールのデザイナーで、ファッション界の至宝と称えられるジョン・ガリアーノがヘイトクライムで逮捕された事件。カフェで偶然隣同士になった見ず知らずのカップルに、反ユダヤ主義的暴言を吐いたというのです。
ガリアーノは有罪となり、クリスチャン・ディオールと自身の名を冠したブランドから解雇され、レジオン・ドヌール勲章を剥奪され、文字通り“すべて”を失いました。
事件から13年、ガリアーノがカメラの前に座り、洗いざらい話したドキュメンタリー映画が完成しました。

1984年、ロンドンのセントマーチンズ美術学校での革新的な卒業制作のショーが大評判となり、一夜でロンドンファッション界の寵児となったガリアーノ。
しかし、斬新過ぎて着づらいとも評価され、パリに進出しても売り上げは伸びませんでした。
手を差し伸べてくれた人々のお陰で、1994年ガリアーノは、大富豪の豪邸で開催されたショーで見事復活。ナオミ・キャンベル、ケイト・モスといったトップモデルたちがノーギャラで出演した伝説のショーです。
それをきっかけに、ジバンシィ、そしてハイブランドの頂点に君臨するディオールのデザイナーに抜擢されます。
そんな頂点からなぜ、転落してしまったのか？暴言の背景には何があったのか？紐解かれていきます。
いばらの道を歩き続け、メゾン・マルタン・マルジェラのクリエイティブ・ディレクターとして復帰したガリアーノ。果たして、謎に満ちた人物の真実の姿とは…？

ガリアーノの絶頂と転落の物語。
ドキュメンタリーの名匠ケヴィン・マクドナルド監督は「有名人が社会規範に “背いた”時に何が起こるのか、彼らがその経験にどう対処し、社会からどう許しを請うのかを理解する映画を作る方法を探していた」と言います。
その題材に、適役だったジョン・ガリアーノ。確かに、タイトルのように“世界一愚か”かもしれませんが、それによって大きく成長もしました。
デザイナーとしての能力はもちろん、人間としても魅力的なんですよね。
育った環境がその後の人生にどう影響するのかなども興味深かったです。

なぜ、ジョン・ガリアーノは人気実力ともに絶頂期に、自ら華麗なるキャリアを捨てることになったのか？
人気モデル、俳優、評論家、編集者らのインタビューやデビューから各ブランド時代の超豪華なファッション・ショーと、その裏側の貴重なアーカイブ映像ですべてが明らかになります。

『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』
9月20日（金）新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかロードショー

公式サイト：映画『ジョン・ガリアーノ 世界一愚かな天才デザイナー』公式サイト (jg-movie.com)
監督・プロデューサー：ケヴィン・マクドナルド （『モーリタニアン 黒塗りの記録』）
出演：ジョン・ガリアーノ ケイト・モス シドニー・トレダノ ナオミ・キャンベル ペネロペ・クルス シャーリーズ・セロン アナ・ウィンター エドワード・エニンフル ベルナール・アルノー
2023年／イギリス／英語・仏語／116分／カラー／ビスタ／原題：High & Low -John Galliano／字幕翻訳：チオキ真理／配給：キノフィルムズ 
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