おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
8/4は、この夏ご覧頂きたいヒューマン・ドラマを3本ご紹介。
1本目は、100年近く愛され続ける〈極限の音楽〉にして〈不朽の名曲〉、史実を基に明かす誕生秘話
『ボレロ 永遠の旋律』
1928年に天才作曲家モーリス・ラヴェルがバレエ曲として書き上げ、パリ・オペラ座の初演以来、時代と国境を越えて愛され続ける名曲【ボレロ】。
なんと今も世界中で、15分ごとに演奏されていると言われているのです。
中毒性のあるリフレインは、後世のクラシック音楽にはもちろん、ポップミュージックやジャズにも影響を及ぼし、
映画や演劇にもインスピレーションを与え続けています。
冒頭に、それがわかるシーンがあるのですが、このシーンだけでワクワクします。
しかし、この音楽史上最も成功したベストロングセラー曲を、ラヴェル本人は最も認めていなかったというのです。
いったい、天才作曲家に何があったのでしょうか?
時は、1928年、著名な作曲家のモーリス・ラヴェルは、深刻なスランプに苦しんでいました。振付師のイダ・ルビンシュタインからバレエの楽曲を依頼されたのですが、一音も書けずにいるのです。
失った閃きを追い求めるかのように、過ぎ去った人生のページをめくるラヴェル。
第一次世界大戦での挫折、叶うことはない最愛の人への想い、無償の愛で包んでくれた最愛の母の死…その時々に舞い戻り、引き裂かれた魂に深く潜り、そこで追体験したすべてを注ぎ込んでついに【ボレロ】が誕生します。
しかし、最高峰の成功と引き換えるかのように、【ボレロ】はラヴェルの人生を劇的に変えようとしていたのです。
ラヴェル役は、痩せてドライな雰囲気を出すため10キロ減量して臨んだというラファエル・ペルソナ。これ以上ないピッタリな役柄でした。
普段は繊細で病弱なラヴェルが、唯一無二の才能を振り絞り音楽を生み出す姿が、青い炎のように見えました。
監督は、実話を基にしたヒューマン・ドラマの名手アンヌ・フォンテーヌ。
行きつ戻りつの映像もとても美しく、なぜあのリズムが生まれたのか、名曲誕生の瞬間に立ち会えたようで、
本当に感動です。
作り手と受け手の思いはこんなにも違うのだと実感。
この作品を観た今、ボレロのリズムの響きに永遠を感じるようになりました。
『ボレロ 永遠の旋律』
6月9日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開
公式サイト:映画『ボレロ 永遠の旋律』公式サイト (gaga.ne.jp)
監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:ラファエル・ペルソナ、ドリヤ・ティリエ、ジャンヌ・バリバール、エマニュエル・ドゥヴォス、ヴァンサン・ペレーズ
BOLERO/121分/フランス/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/字幕翻訳:松岡葉子
配給:ギャガ
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