おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
7/21は、名優たちの圧巻の演技に酔いしれる作品を３本ご紹介。

3本目は、イタリアの巨匠がフランスの名作をリメイク。大人のためのラブコメディ

『幸せのイタリアーノ』

有名スポーツシューズメーカーの社長、スポーツマンでハンサム、独身49歳のジャンニは、ゲームのように次々と女性たちを虜にするちょいワルなモテ男。
ある日、亡き母のアパートで母親が使っていた車椅子に座っていると、隣の部屋に引っ越してきた若くて美人なアレッシアが挨拶にやってきます。新たなターゲットを誘惑するために車いす利用者の振りをするジャンニ。
アレッシアは、実家の食事会に彼を招き、事故で車いすが必要になった姉のキアラを紹介。根っからの挑戦者であるジャンニは、美しいヴァイオリニストで車いすテニスにも情熱を注ぐキアラと一夜を共にできるか、仲間と賭けをすることに。
車いすを利用した小芝居を重ねてアプローチしていくうちに、障害を受け入れ前向きに生きるキアラ対して今まで経験したことのない感情が湧いてくるのです…。

ジャンニ役は、イタリア映画界を牽引する第一人者、変幻自在の演技派ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。
名前や職業を偽ってその人物になりきり、次々に女性を落としていくジャンニはまさにハマり役。
美しく強い女性キアラを演じたのは2008年のミスイタリア、ミリアム・レオーネ。
内面から輝くような美しい笑顔に心奪われました。車いすテニスシーンも見事で、その努力が伺えます。

数年前このコーナーでもご紹介したフランス映画『パリ、嘘つきな恋』をリメイクしたのは、イタリアンコメディの巨匠リッカルド・ミラーニ監督。
「健康と外見の美しさが重視され、それにあてはまらない人たちは取り残されがちな今の時代にふさわしい物語だと思った」といいます。さらに「どんなに思いやりのない人でも適切な条件が整えば、人間が本来持っている輝きを感じることができると信じたい」とも。

まさしくその通りで、最初は自分勝手で偏見の塊だったジャンニが、キアラと出逢い初めて知った世界で“本当の価値”を見つけていく姿に、人は変われるのだと希望が持てました。
ちょこまかあたふた…嘘つきジャンニの涙ぐましい小細工に笑い、キアラの純真さに涙がポロリ…美しい音楽に彩られたイタリアの素敵な風景、そして二人を取り巻くお茶目で魅力的な登場人物たちも見どころですよ。

独身、スポーツマン、会社社長…自由と女性をこよなく愛する49歳モテ男が出会ったのは、車いすの美しいヴァイオリ二スト。彼が見つけたものとは？

『幸せのイタリアーノ』
７月26日（金）シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMA 他にて全国順次公開

公式サイト：http://cdt.onlyhearts.co.jp/
監督：リッカルド・ミラーニ
出演：ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ、ミリアム・レオーネ、ピエトロ・セルモンティ、ヴァネッサ・スカレーラ、ピラール・フォリアティ、アンドレア・ペンナッキ、カルロ・デ・ルッジエーリ、ジュリオ・バーゼ、ピエラ・デッリ・エスポスティ（友情出演）、ミケーレ・プラチド(特別出演)
2022年/イタリア/イタリア語/113分/1:2.35/5.1ch/原題：Corro da te
配給：オンリー・ハーツ
©2020 WILDSIDE-VISION DISTRIBUTION