ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2024.03.31

サンデー早起キネマ『アイアンクロー』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
3/31は、アメリカを舞台にした趣きが異なる3本。

2本目は、手にしたものは栄光か呪いか?“最強”を追い求めた家族の真実の物語
『アイアンクロー』

“アイアンクロー”と聞いて、特に男性は、ピンときた方も多いのではないでしょうか?
そう!1960~70年代、日本でもジャイアント馬場やアントニオ猪木らと激闘を繰り広げ一世を風靡したレスラー、フリッツ・フォン・エリックの必殺技です。
巨大な手で敵のレスラーの顔を鷲掴みにするまさしく“鉄の爪”。

元AWA世界ヘビー級王者フリッツ・フォン・エリックは、息子たち全員をレスラーに育て上げ、苛烈な競争が繰り広げられる世界で史上最強の一家となる野望を燃やします。
厳格な父を敬愛する息子たち、次男のケビン、三男デビッド、四男ケリー、五男マイクの4人兄弟は、父の教えに従いプロレスラーとしてデビュー。プロレス界の頂点を目指し、1980年初頭には、鉄の爪、フォン・エリック一家はプロレス界に歴史を刻みます。
しかし、デビッドが日本でのツアー中に急死。さらにフォン・エリック一家は次々と悲劇に見舞われます。既に長男は幼い頃亡くなっていて、いつしか“呪われた一家”と呼ばれるようになったその真実と次男ケビンがたどる数奇な運命とは?

この作品は、若き日の次男ケビンを中心に、濃密な家族の絆とリング上でのファイトが生み出す興奮、最強を目指すことの過酷なプレッシャーなどを赤裸々に映し出します。
幼い頃プロレスマニアだったというショーン・ダーキン監督は「スポーツ界のケネディ家と呼ばれるフォン・エリック一家が体験してきた想像を絶するほどの喪失。この作品は、その悲しみや苦しみの物語ではない。むしろ悲しみの欠如と、人が自分の苦しみから目を逸らした時に何が起こりえるかを描いている」と話していますが、長年アメリカに害を及ぼしてきた極端に歪められた男らしさの権化である父親と、そんな強い父を敬愛し互いに助け合う仲の良い兄弟たちだからこその悲劇ともいえるのです。

家族の問題や熱い兄弟愛、そして、愛を見つけたことで発見できた本当の自分…「アイアンクローって聞いたことある」くらいでほとんどプロレスの知識がない私でも、観ているうちにすっかりのめり込んでしまい、最後のシーンでは涙が止まりませんでした。
人は何のために生きて行くのか…昔の家族と新しい家族の在り方も考えさせられます。
プロレス界の伝説フォン・エリック家の知られざる衝撃の実話。“呪われた一家”と呼ばれたその真実とは?

『アイアンクロー』
4月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

公式サイト:映画『アイアンクロー』公式サイト (ironclaw.jp)
監督・脚本:ショーン・ダーキン
出演:ザック・エフロン、ジェレミー・アレン・ホワイト、ハリス・ディキンソン、モーラ・ティアニー、スタンリー・シモンズ、ホルト・マッキャラニー、リリー・ジェームズ
2023年/アメリカ/英語/132分/カラー・モノクロ/ビスタ/原題:THE IRON CLAW/字幕翻訳:稲田嵯裕里/G
配給:キノフィルムズ 
© 2023 House Claw Rights LLC; Claw Film LLC; British Broadcasting Corporation. All Rights Reserved.

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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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