ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2024.03.31

サンデー早起キネマ『パスト ライブス/再会』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
3/31は、アメリカを舞台にした趣きが異なる3本。

1本目は、24年間すれ違った運命の相手とNYで再会。ふたりの恋の行方は?
切なさが溢れる大人のラブストーリー
『パスト ライブス/再会』

受賞こそなりませんでしたが、今年のアカデミー賞では、作品賞と脚本賞にノミネート。
監督と脚本は、劇作家のセリーヌ・ソン。自身の体験をベースにしたこの作品で鮮烈な監督デビューを飾りました。

主人公は、ソウルで暮らす12歳の少女ノラと少年ヘソン。ふたりはお互いに恋心を抱いていましたが、ノラの海外移住で離れ離れになってしまいます。
12年後24歳になり、ニューヨークとソウルでそれぞれの人生を歩んでいたふたりは、なんとオンラインで再会、でもお互いを想いながらもすれ違ってしまうのです。
そして12年後の36歳、ノラは作家のアーサーと結婚していました。ヘソンはそのことを知りながらも、ノラに会うためにニューヨークを訪れます。
24年ぶりにやっとめぐり逢えたふたりの再会の7日間。ふたりが選ぶ、運命とは?

物語のキーワードは韓国の言葉“イニョン”。日本語では“縁”ですが、運命という意味でも使われます。見知らぬ人とすれ違ったときに、袖が偶然触れるのは、前世—PAST LIVES—でふたりの間に“縁”があったから。
日本でも昔から「袖振り合うも他生の縁」といいますもんね。

ソウルで別れるときに、思いを告げていたら? 24歳のときに、どちらかが会いに行っていたら?そもそもノラが韓国から移民していなかったら?
ノラとヘソンが思いを巡らせるいくつもの「もしも…」が、作品を観る私達一人ひとりの人生の「あの時」の選択に重なり、誰にでもある“忘れられない恋”の記憶がふと蘇ります。
あの時こうしていたら、結ばれていたかも…でも、そうなっていたら今はないわけで…。

ノラとヘソン、そしてアーサーが迎えるエンディングは、現世で愛する人と巡り合うことの奇跡を祝福し、すべての人生を肯定する映画史に残る名シーンに。
ノラとヘソンが24年ぶりの再会したニューヨークの風景もふたりの縁に華を添えます。
大きな出来事は起きないけれど、ふたりの心の動きが静かに心に沁みてとっても切ない素敵な作品です。

『パスト ライブス/再会』
4月5日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

公式サイト:https://happinet-phantom.com/pastlives
監督/脚本:セリーヌ・ソン
出演:グレタ・リー、ユ・テオ、ジョン・マガロ
2023年/アメリカ・韓国/カラー/ビスタ/5.1ch/英語、韓国語/字幕翻訳:松浦美奈/原題:Past Lives/106分/G
配給:ハピネットファントム・スタジオ
Copyright 2022 © Twenty Years Rights LLC. All Rights Reserved

最新番組ブログ
    パーソナリティ
    • ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

    • 過去のホームページ
    • 中山秀征の有楽町で逢いまSHOW
    • ウィークエンド・ケアタイム 「ひだまりハウス」 ~うつ病・認知症について語ろう~