ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2024.03.03

サンデー早起キネマ『52ヘルツのクジラたち』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
3/3は、躓いたっていい、前に歩いていく勇気をもらえる作品2本と映画祭をご紹介。

1本目は、本屋大賞受賞〈魂が涙する〉傑作小説、待望の映画化!杉咲花さん主演
『52ヘルツのクジラたち』

原作は、2021年、本屋大賞に輝いた町田そのこ氏の傑作ベストセラー小説。
〈52ヘルツのクジラ〉とは、1989年に初めて声が確認されたたった一頭の個体です。
その鳴き声の周波数はあまりにも高く、他のクジラたちには聴こえないので、〈世界で最も孤独なクジラ〉と言われています。
歌や物語にもなっているのでご存知の方も多いでしょう。

主人公は、傷を抱え、東京から海辺の街の一軒家へと移り住んできた貴瑚。
ある日、母親から虐待され、声が出なくなった“ムシ”と呼ばれる少年と出会います。かつて、家族に虐待され、搾取されてきた彼女は、少年を放っておけず一緒に暮らし始めることに。やがて、夢も未来もなかった少年に、たった一つの“願い”が芽生えます。
その願いをかなえようと決心した貴瑚は、以前、自分の声なきSOSを聴き取り救い出してくれた、今はもう会えない安吾とのかけがえのない日々に想いを馳せ、あの時聴けなかった声を聴くために、もう一度立ち上がるのです。

貴瑚役は、『市子』の熱演も記憶に新しい杉咲花さん、貴瑚を救い出した安吾に志尊淳さん、貴瑚の初めての恋人には宮沢氷魚さん、貴瑚の親友・美晴に小野花梨さん、そして、“ムシ”と呼ばれる少年に映画初出演の桑名桃李さんと、輝く才能が集まりました。
成島出監督は「1シーン1シーン、本当に全力でぶつかってくれた。一人一人の演技が掛け算になった」と話していますが、本当にどの方も素晴らしくて、物語に引き込まれドキドキしました。

児童虐待やDV、ヤングケアラーをめぐる課題、トランスジェンダーヘの差別や偏見などの社会問題と、声を上げたいのに上げられない、上げても届きにくい人たちが丁寧に描かれています。
そんな風に描いてくれる人がいる限り、52ヘルツのクジラたちにも、その声なき声に耳をすませてくれる相手がきっといる、その声はいつか届く……そう信じられるのです。胸を抉られるほどの切ない想いの先に、心を揺さぶる希望の光を届けてくれる愛の物語を、この春、是非ご覧ください。

『52ヘルツのクジラたち』
3月1日(金)、TOHOシネマズ 日比谷他全国公開

公式サイト:映画『52ヘルツのクジラたち』公式サイト (gaga.ne.jp)
出演:杉咲花 志尊淳 宮沢氷魚 小野花梨 桑名桃李 / 余貴美子 倍賞美津子
監督:成島出
原作:町田そのこ「52ヘルツのクジラたち」(中央公論新社刊)
主題歌:「この長い旅の中で」Saucy Dog(A-Sketch)
2024年|日本|カラー|ビスタ|5.1chデジタル|136分
配給:ギャガ
©2024「52ヘルツのクジラたち」製作委員会

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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