おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
10/29は、より良く生きるための気づきをもらえる3本ご紹介。

2本目は、パリの大豪邸で起きた、有名映画プロデューサー殺人事件。
「犯人は私！」「いえ、私よ！」“犯人の座”を巡って3人の女たちが繰り広げる、クライムミステリー・コメディ
『私がやりました』

フランスの名匠フランソワ・オゾン監督自ら、「女性の生き方を魅力的に探究した『8人の女たち』『しあわせの雨傘』に続く3部作の最終章」と定義した最新作です。

時は1930年代。有名映画プロデューサーがパリの自宅で殺されました。
容疑者は、売れない若手女優マドレーヌ。プロデューサーに襲われ、「自分の身を守るために撃った」と自供し、親友で駆け出しの弁護士ポーリーヌと共に法廷へ出向きます。
正当防衛を訴えるポーリーヌの鮮やかな弁論と、マドレーヌの感動的なスピーチで裁判官や陪審員、大衆の心をつかみ、なんと無罪に！
そればかりか「悲劇のヒロイン」として一躍時の人となったマドレーヌは大スターの座へと駆け上がり、2人は豪邸に引っ越し優雅な生活を始めます。
しかしある日、2人の前にオデットというかつての大女優が現れます。プロデューサー殺しの真犯人は自分で、マドレーヌたちが手にした富も名声も、自分のものだというのです。
こんなに魅力的な“犯人の座”は渡せない──果たして、3人の駆け引きと、悪だくみの行方は──？

主人公のマドレーヌとポーリーヌ役は、若さ溢れるナディア・テレスキウィッツとレベッカ・マルデール。恋多き女優とまじめな弁護士という正反対の2人が、お互いを支え合い窮地を切り抜けていく姿が、とっても爽快で魅力的でした。
そして、2人の前に立ちはだかるヴィラン、オデットを演じるのは、大女優イザベル・ユペール。全てに臆することなく余裕を感じる完璧なヴィラン！私が観た中で一番好きな役でした。

音楽の使い方や畳みかけるようなセリフの応酬、カメラワークなど、古き良き時代のハリウッドのスクリューボールコメディを見ているよう。1930年代のパリのファッションやインテリアもとっても素敵です。
選挙権もない時代、男性に抑圧された女性たちが、男性を利用してビッグになっていく姿が爽快です。

何より、登場人物が全員魅力的！ちょっとずる賢く立ち回る女性たちもそうですが、
振り回されどこか抜けている男性たちも憎めないんですよ。みんなが愛おしく感じます。
クククっと笑ってハッピーになれる作品です。
女優たちによる“犯人の座“を賭けた駆け引きが始まる―！果たしてその結末は？

『私がやりました』
11月3日(金・祝) 、TOHOシネマズ シャンテ他 全国順次ロードショー

公式サイト：gaga.ne.jp/my-crime/
監督・脚本：フランソワ・オゾン『8人の女たち』『しあわせの雨傘』
出演：ナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール、イザベル・ユペール、ファブリス・ルキーニ、ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ　
配給：ギャガ
THE CRIME IS MINE（英題）／2023年／フランス／カラー／シネスコ／5.1chデジタル／103分／字幕翻訳：松浦美奈
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