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5/28は、物語のラストに流れる涙の意味を考えたい作品3本をご紹介。
3本目は、自らの尊厳を守るため語り合った女性たちの感動の物語
『ウーマン・トーキング 私たちの選択』

原作は、NYタイムズ紙でベストブックオブザイヤーを受賞したカナダの小説家ミリアム・トウズの小説。2005~9年に、南米ボリビアの宗教コミュニティ内で起きた実際のレイプ事件をもとにしています。
この小説に魅了された、三度のアカデミー賞主演女優賞に輝くフランシス・マクドーマンドが映画化の権利を獲得し、出演と共に製作も務めています。
監督・脚本は、女優でもあるサラ・ポリー。彼女は10代で性被害に遭い、当時は告発できずに大人になってからエッセイで告発した体験があります。

物語の舞台は2010年、自給自足で生活するキリスト教一派の村。広い広い農地、地平線に沈む大きな太陽、鳥のさえずりや虫の声、子どもたちの笑い声…とても美しく風景が広がる平和の象徴のような村。
しかしそこで、女性たちは教育の機会を奪われ、男たちに何一つお願いすることもなく、家族のために身を粉にして働いているのです。そんな女性たちに異変が起きています。薬で朦朧とさせられたように感じ、目覚めた時にはあざが出来ていたり、時には出血していたり…男たちは、ただの作り話だとか、悪魔の仕業などと言って取り合いません。
しかしある日、それが実際に犯罪、連続レイプ事件だったことが明らかになり、男たちは逮捕されます。
タイムリミットは、男たちが街へ出かけている二日間。
緊迫感の最中、尊厳を奪われた女性たちは生活を一変させる可能性のある決断について話し合います。ここに残り男たちを赦すのか、ここに残り変化を求めて男たちと闘うのか、それともここを去り新しい生活を始めるのか?…彼女たちはどんな決断を下すのでしょうか?

赦すか、闘うか、それとも去るか…投票で決まらずに、3組の家族が選ばれ話し合いが始まります。
この村から出たことがないのでここに居たいと願う人もいれば、近づく男は殺すと闘う意志が強い人、平和主義の信仰のために出ていきたいという人。立場はそれぞれ、考え方もそれぞれです。
でも、彼女たちは、子どもたちの未来、自分たちの未来、そして信仰を裏切らないために、全身全霊で話し合います。人の意見を聞くこと、耳でなく心で聞くことで、何かが変わっていく様をつぶさに見ることができます。
そして、それは彼女たちの問題ではなく、私たち自身の問題なのだと気づかされるのです。
彼女たちの決断が実行される時、なぜだか涙が溢れてきました。その意味を考えなければと強く思ったのです。

教育の機会を奪われ、男たちに知らぬうちに意識を失わされ、乱暴された女性たち。赦すか、闘うか、それとも去るか…彼女たちが下した決断とは?彼女たちの姿を劇場で見届けませんか?

『ウーマン・トーキング 私たちの選択』
6月2日(金)TOHOシネマズ シャンテ、渋谷ホワイトシネクイント他全国公開
公式サイト:https://womentalking-movie.jp/#modal
配給:パルコ ユニバーサル映画
©2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.

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