おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
5/14は、突然の不条理に出くわした人々を描いた3本をご紹介。
1本目は、子供達が放り込まれた大人の不条理な社会。アン・ハサウェイ、アンソニー・ホプキンス共演。差別と格差、不条理な世界の中で、変わらぬ愛と変わりゆく自分を見つめる人間ドラマ
『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』
舞台は1980年代ニューヨーク。主人公は、公立学校に通う12歳のポール。
ポールの家はユダヤ系アメリカ人の中流家庭。家族は、PTA会長の教育熱心な母エスター、働き者で厳しいけれどユーモラスな父アーヴィング、私立学校に通う優秀な兄テッド、そして末っ子ポールの4人。祖父母もよく集まる賑やかな一家の中で、ポールは何不自由なくのびのびと育ちます。
しかし、クラスで一番の問題児・黒人生徒のジョニーと仲良くなったことで、ポールは、人種差別や貧富の差など社会の複雑さを知り、“逆境”を実感することになります。
ある日、ポールとジョニーが学校でやらかした些細な悪さが、彼らの日常に大きな波乱をもたらすのです。その問題に直面した時、ポールは家族、特に強い絆で結ばれている祖父アーロンに頼ることができましたが、家庭環境に恵まれないジョニーには、支えてくれる大人は誰もいませんでした。
そして、このことが2人の行く末を大きく分けることになるのです……。
母エスター役はアン・ハサウェイ。愛情深い母親役がこんなに似合うようになったんですね。
父アーヴィングはジェレミー・ストロング。強い父親、でも世の中に折り合いをつけて生きている哀愁のようなものも滲み出てとてもよかったです。
祖父アーロンはアンソニー・ホプキンス。待ってました、こんな役!凛と筋が一本通っていて、懐深くとってもチャーミング、好きにならずにいられないおじいちゃんを演じてくれました。
そして、ポールを演じたバンクス・レペタ、ジョニー役のジェイリン・ウェッブ、この二人の少年が、繊細な、時に大胆な、とてもいい表情を見せてくれました。これから注目したい俳優さんたちです。
ジェームズ・クレイ監督の幼少期を投影した自伝的作品。監督は、「アメリカンドリームは決して誰もが手にできる平等のチャンスではない」とも話しています。つまり、当時の社会は階級に支配され、あらゆるシステムに制限があったということ。監督が描いたのは1980年代。あれから30〜40年が経った今、ちゃんと変わったのだろうか?そんな疑問が頭を掠めます。
ポール、父と母、祖父母、その祖父母にも、父がいて母がいる、その上にも…ずっと繋がって今がある…社会はそう続いてきた。改めてそんなことも考えさせられました。
不公平の上に成り立つ社会…それに気づいてしまった時、自分は闘うのか屈するのか?あなたならどうしますか?
『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』
2023年5月12日(金)より全国ロードショー
公式サイト:Universal Pictures Japan
キャスト:アン・ハサウェイ、アンソニー・ホプキンス、ジェレミー・ストロング 他
監督:ジェームズ・グレイ
原題:『Armageddon Time』/区分:PG-12/字幕翻訳:松浦美奈/映倫番号:49458/画格:スコープ・サイズ/配給:パルコ
© 2022 Focus Features, LLC.
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