ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.05.07

サンデー早起キネマ『TAR/ター』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
5/7は、主人公の情熱に圧倒される作品を3本をご紹介。

1本目は…トッド・フィールド監督16年ぶり待望の最新作の主人公は、ベルリンフィル初の女性マエストロ、リディア・ター。
崇高なる芸術と人間の欲望と狂気が交錯し、誰も体感したことのない禁断の交響曲を奏でる驚愕のサイコスリラー
『TAR/ター』

アメリカの5大オーケストラで指揮者を務めた後、世界最高峰のオーケストラの一つドイツのベルリンフィルで、女性として初めて首席指揮者に任命されたリディア・ター。彼女は並外れた才能とそれを上回る努力、類い稀なるプロデュース力で、自身を輝けるブランドとして作り上げることに成功。
今や作曲家としても圧倒的な地位を確立し、さらには、ベルリンフィルで唯一録音を果たせていない
〈マーラーの交響曲第5番〉を、ついに来月ライブ録音し、発売する予定です。
そんな超多忙なターを公私ともに支えているのは、オケのコンサートマスターのシャロン。彼女はターの恋人であり、2人で幼い養女のペトラを育てています。
誰もが自分に従う王国に君臨、音楽界の頂点に上り詰めたターでしたが、演奏と録音のプレッシャー、そして新曲の創作に苦しんでいました。
そんな時、かつてターが指導した若手指揮者が自殺したという知らせが届き、ある疑惑をかけられたターは、だんだん追い詰められていくのです……。

この作品のすべてと言っても過言ではない、リディア・ターを演じたのは、ケイト・ブランシェット。
よく、スクリーンに釘付けや目が離せないなどと言いますが、この作品では、もう画面にがばっと飲み込まれそうな、ものすごい迫力と圧力のある怪演を見せてくれました。もう一度、見てみたい!癖になりそうです。
そして、演奏シーンも圧巻です。映画ではベルリンフィルですが、実際は、ドレスデン・フィルが演奏。
ケイトは指揮を習い、映画の中で彼女がオケを指揮するシーンは当て振りではなく、すべて彼女が実際に指揮をして同時録音が行われ、映画に使われているのだそうです。そのあまりの迫力ある指揮に、まるで自分もオケの一員になったような気にさせてくれます。

フィールド監督は「リサーチに至るまで本当に抜かりないし、彼女はまさに独学の達人」だと絶賛。
「ほとんど睡眠もとらず疾走、みんなの行くべき水準を示してくれた。ついていくのに必死だった」と
語っています。まさしくターその人だったわけですね。
他にも、実際のクラシック界の偉人を思わせるエピソードや名前が登場するなど、クラシックファンにとっても注目すべき点が多い作品です。

ベルリンフィル初の孤高の女性マエストロ、名声を守り続けるための重圧と何者かに仕掛けられた陰謀で少しずつ心の闇が暴かれていくサイコスリラー。演奏も迫力の演技も是非スクリーンでお楽しみください。

『TAR/ター』
5月12日(金)TOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開

公式サイト:https://gaga.ne.jp/TAR
監督・脚本・製作:トッド・フィールド『イン・ザ・ベッドルーム』『リトル・チルドレン』
出演:ケイト・ブランシェット『ブルージャスミン』、ノエミ・メルラン『燃ゆる女の肖像』、ニーナ・ホス『東ベルリンから来た女』、ジュリアン・グローヴァ―『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』、マーク・ストロング『キングスマン』
音楽:ヒドゥル・グドナドッティル 『ジョーカー』(アカデミー賞作曲賞受賞)
撮影:フロリアン・ホーフマイスター 
編集:モニカ・ヴィッリ
原題:TĀR/アメリカ/2022年/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/159分/映倫G/字幕翻訳:石田泰子
配給:ギャガ
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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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