ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.04.30

サンデー早起キネマ『銀河鉄道の父』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
4/30は、こどもの日に公開される3つの国から届いた感動作3本をご紹介。

今年没後90年。無名だった宮沢賢治を支えた、父と家族の深い愛に涙する感動の物語
『銀河鉄道の父』

宮沢賢治…詩人、童話作家。唯一無二の作品で今もなお世界中から愛されていますが、生前は無名のまま37歳という若さでこの世を去りました。彼の死後、家族が賢治の才能を信じ作品を世に送り続けたため、高い評価を得るようになったのです。
監督は、いつか宮沢賢治の作品を撮りたいと思っていた成島出氏。門井慶喜さんの小説「銀河鉄道の父」と出逢い「ある意味、イクメンの走りかつ親バカで、一生懸命なところがチャーミング。賢治と家族の格闘ぶりも面白かった」と、映画化の権利を取得しました。

物語は明治29年、賢治の誕生から始まります。裕福な質屋の跡取りとしてそれはそれは大切に育てられますが、「質屋は搾取する。弱い者いじめだから継ぐのは嫌だ」と拒否。
農業や人造宝石に夢中になり、お金の無心をするなど父や母を振り回した挙句、「宗教にこの身を捧げるのだ」と言い残し、東京へ家出してしまいます。
そんな中、賢治の一番の理解者である妹のトシが、当時は不治の病だった結核に。賢治はトシを励ますため、一心不乱に物語を書き、読み聞かせます。しかし、願いも虚しく、みぞれの降る日にトシは旅立ってしまいます。
「トシがいなければ何もかけない」と慟哭する賢治に、「私が宮沢賢治の一番の読者になる!」と再び筆を執らせたのは父の政次郎でした。こうして紆余曲折の末、ようやく執筆と畑仕事の両立という自分の道を見つけた賢治に、トシと同じ運命が降りかかります……。

厳しいけれど優しい賢治の父・政次郎役は、愛らしくユーモアもあってピッタリ!役所広司さん。
賢治が病気で入院すると「医者には任せておけん!」と明治の代に割烹着姿で付きっきりで看病をするような子煩悩の極みなのです。
対照的に、我儘で父を振り回すものの自分の道を見出せず苦悩する賢治に菅田将暉さん。
賢治に物語を書かせるキーパーソン、トシは森七菜さん。さらに、母親のイチは坂井真紀さん、弟・清六は豊田裕大さん。祖父・喜助は田中泯さんなど、名優が勢ぞろいしました。

宮沢賢治は、なんと愛情深い家庭に育ったんだろうと驚きました。無償の愛があったからこそ、あんなに真っすぐで温かな、人々の心に沁みる作品を生み出すことができたのでしょうね。
温かくて、優しくて、面白くて、なんて素敵なお父さん、なんて素晴らしい家族…今年は賢治の没後90年。時代は変わっても家族の愛は変わらない。笑って泣いたその後に、自分の家族に会いたくなる、そんなあなたの自身の物語でもあります。号泣必至!ハンカチとティッシュをもってお出かけ下さい。

『銀河鉄道の父』
2023年5月5日(金・祝)より全国公開

公式サイト:ginga-movie.com
出演:役所広司 / 菅田将暉 森七菜 豊田裕大 / 坂井真紀 / 田中泯
監督:成島出
原作:門井慶喜「銀河鉄道の父」(講談社文庫)
脚本:坂口理子  音楽:海田庄吾
製作:木下グループ
制作プロダクション:キノフィルムズ / ツインズジャパン 配給:キノフィルムズ
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業)独立行政法人日本芸術文化振興会
©2022「銀河鉄道の父」製作委員会    

最新番組ブログ
    パーソナリティ
    • ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

    • 過去のホームページ
    • 中山秀征の有楽町で逢いまSHOW
    • 週刊 なるほど!ニッポン
    • ウィークエンド・ケアタイム 「ひだまりハウス」 ~うつ病・認知症について語ろう~