ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.04.02

サンデー早起キネマ『ザ・ホエール』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
4/2は、小さな空間を舞台に、主人公の大きな心を描く感動のヒューマンドラマを2本ご紹介。

まずは、主演ブレンダン・フレイザー奇跡の復活!
疎遠だった10代の娘との絆を取り戻したいと願う主人公の最期の5日間を描いた壮絶な感動作
『ザ・ホエール』

『ハムナプトラ』シリーズなどでハリウッドのトップスターに上り詰めながら、心身のバランスを崩し
長らく表舞台から遠ざかっていたブレンダン・フレイザーが、この作品で見事に復活しました。

主人公は、同性の恋人アランをなくしたショックのあまり、現実逃避するように過食を繰り返し、272キロという重度の肥満症になったチャーリー。大学のオンライン講座で生計を立てています。歩行器なしでは移動することもできないチャーリーですが、頑なに入院を拒み、アランの妹で唯一の親友でもある看護師のリズに身の回りの世話を頼っています。
そんなある日、病状の悪化で余命僅かだと悟った彼は、妻と別れて以来、長らく音信不通だった17歳の娘エリーとの絆を取り戻そうと決心。ところが家にやってきたエリーは、学校生活と家庭で多くのトラブルを抱え、心が荒み切っていました。
さらに彼は、長年押し込めてきたトラウマと向き合うことを決意…。
喪失と絶望、複雑で多くの重荷ゆえに、身体に変化をきたし、周りと断絶せざるを得なかった彼が、心の奥底で信じ続けた願いとは?

原作は、2012年に初上演されたサミュエル・D・ハンターの戯曲。
舞台と同様ワン・シチュエーションの室内劇を作り上げたのは、『レスラー』『ブラック・スワン』の
ダーレン・アロノフスキー監督です。偶然舞台を観た監督がなんとしても映画化したいと熱望。
それから10年かかって、やっとチャーリー役を体現できる深みのある役者ブレンダンを見つけたのです。

ブレンダンをアカデミー賞主演男優賞・受賞に導いたのは、彼をチャーリーたらしめた272キロに見える
リアルなファットスーツ。なんと重さは45キロ。メーキャップには毎日4時間かかったそうです。
画期的な技術でリアルを追求したメイク&ヘアでも、もちろん、アカデミー賞を受賞しています。
最初は、チャーリーの巨大な身体とその風貌に目が釘付けになりますが、「なぜそこに至ったのか、彼の問題は何なのか?そして、今彼は何をしようとしているのか?」だんだん、彼の知的でチャーミング、温かな人間性に惹かれ、その美しい瞳の奥に心の変化が見えてきます。
スクリーンの中にいるのは、ファットスーツを着たブレンダンではなく、チャーリー本人なのです。

引きこもり、殻に閉じこもった彼が負のスパイラルから脱しようともがく贖罪と救済の物語。人間の弱さを率直に描き、この世で最も大切な我が子への無償の愛を紡ぎあげたヒューマンドラマの想像もつかなかったラストシーンは、圧倒的です。

『ザ・ホエール』
4月7日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー

公式サイト:https://whale-movie.jp/
監督:ダーレン・アロノフスキー(『ブラック・スワン』『レスラー』)
原案・脚本:サミュエル・D・ハンター
キャスト:ブレンダン・フレイザー、セイディー・シンク、ホン・チャウ、タイ・シンプキンス、サマンサ・モートン
配給:キノフィルムズ
2022年/アメリカ/英語/117分/カラー/5.1ch/スタンダード/原題:The Whale/字幕翻訳:松浦美奈
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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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