おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
3/5は、3つの国の名優が演じるまったくタイプの違う3本をご紹介。
1本目は、韓国の女性監督が綴る映画と映画作りへの敬意に満ち溢れた作品
『オマージュ』
監督は、この作品が長編6本目のシン・スウォン。韓国初の女性映画監督のテレビドキュメンタリーを撮影し、この作品を撮ることを決めました。「この映画は、かつて輝きながら消えていった者たちへの私のオマージュでもあるのです」と語っています。
主人公は、ヒット作に恵まれず、新作を撮る目処が立たない49歳の映画監督、ジワン。
彼女が引き受けたのは、60年代に活動した女性監督ホン・ジェウォンが残した映画『女判事』の
欠落した音声を新たに吹き込むという仕事でした。作業を進めるうちにフィルムの一部が失われていることに気づいたジワンは、ホン監督の遺族や関係者のもとを訪ねながら真相を探っていきます。
一方でジワンは、映画を撮り続けたいという思いを抱きながらも、家庭との両立に悩んでもいました。
そんなキャリアの曲がり角で立ち尽くす彼女がはじめた“失われたフィルムをめぐる旅”。その旅で、女性が映画業界で活躍することは今よりもずっと困難だった時代の真実を知ることになります。
夢と現実、現在と過去…その狭間を行ったり来たりしながら、ジワンはフィルムの修復とともに、自分自身を回復させるように人生を見つめ直し、新しい一歩を踏み出していくのです。
ジワンを演じたのは、『パラサイト 半地下の家族』の家政婦役が忘れられないイ・ジョンウン。ドラマ「椿の花咲く頃」「私たちのブルース」などでも活躍する韓国の名バイプレイヤーです。彼女の独特で根底に温もりがある演技が大好きで、単独初主演と聞いてこの作品を楽しみにしていました。
さらに同じく演技が大好きなタン・ジュンサンが息子役!タン・ジュンサンといえば、日本でも大ヒットしたドラマ「愛の不時着」での朝鮮人民軍の最年少兵士役や他のドラマでもいい味出してます。
その2人が親子役ときたら、心に響かないはずがありません。
さらに、主題は映画業界で働く女性の話。男尊女卑が色濃かった時代に、監督として働き始めた女性たちがどんな苦労をしてきたのか…それこそ、「アジュンマが映画なんて、家事に専念しろ」と言われたり、「女が編集室に入るなんて縁起が悪い」と塩を撒かれたり、映画を撮らせてもらえなくなるから子どもがいることを内緒にしたり…女性だからしたいことができない…本当に悲しい時代です。
でもそんな時代に夢のために踏ん張った女性たちがいたからこそ、今の私たちがいるのかもしれません。
夢と現実、過去と現在が混在する作品、レトロな映像と音楽があなたをその時代に誘ってくれます。
『オマージュ』
3月10日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー!
公式サイト:映画『オマージュ』公式サイト (hommage-movie.com)
出演: イ・ジョンウン、クォン・ヘヒョ、 タン・ジュンサン、 イ・ジュシル、キム・ホジョン
監督・脚本: シン・スウォン
2021年|韓国映画|韓国語|108分|5.1ch|シネスコ|原題:오마주|英題:Hommage|字幕翻訳:江波智子
配給:アルバトロス・フィルム
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