ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.03.05

サンデー早起キネマ『丘の上の本屋さん』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
3/5は「人との出逢いが人生を変える」という奇跡を見せてくれた愛の映画を3本。

1本目は、「こんな出会いがしたかった」と思わずにはいられない心にしみるイタリアの作品
『丘の上の本屋さん』

舞台は、イタリア中部の美しい街。見晴らしのいい丘の上の広場にある古本屋さん。こよなく本を愛する店主のリベロは、常連客たちに損得を超えた対応をし、いろんな人が集まる本屋さんはちょっとした街のオアシスになっています。
ある日、店先のワゴンの本に魅入っていたアフリカ移民の少年、エシエンに声をかけるリベロ。好奇心旺盛で利発な彼を気に入ったリベロは、本を買うお金がないというエシエンに、ミッキーマウスのコミックに始まり、「ピノッキオの冒険」「星の王子さま」「白鯨」など、児童文学、長編小説、さらには専門書まで、次々と店の本を貸し与えていきます。エシエンが成長するための読書体験ができる順番に本を与えるのです。
そして、読み終わると必ず感想や意見を聞きながら、リベロは、モノの見方や考え方など、ジャンルを超えた様々な知識を授けていきます。お陰で本を読む喜びを学んでいくエシエン。やがて何冊も本を読んだ後、「今度は貸すのではなく贈り物だ」とリベロが次の本を手渡します。
時間はかかりましたが、ようやくその本を読み終えたエシエン。
感想を伝えるために勇んで店にやってきた彼が目にしたものとは?そして、リベロがエシエンに伝えたかったこととは?

もうもう!本当に素敵なお話なんです。幼い頃にリベロのようなおじいちゃんに出逢っていたら、モノの見方や考え方が広がり、人生もきっと違っていたんだろうなと思います。
逆にリベロにとっては、エシエンのように、好奇心旺盛でしっかり自分で物事を考えられる少年と出逢えたことが心底嬉しかったんだろうなと思うのです。
年齢や世代を超えたとっても素敵な関係。「年が離れているからきっと分かり合えない」とシャッターを下ろさずにオープンにしていたら、新しい何かが生まれるかもしれません。

リベロがエシエンに与えた本のリスト通りに、読書をしたくなりました。
そして、忘れてはならないのが、深呼吸したくなるようなイタリアの田舎町の美しい景色と、何時間も過ごしたくなる本屋さんの雰囲気…映像も大きな魅力です。
本を読むこと、人と語り合うことが、どれほど人生を豊かにしてくれるのか改めて教えてくれます。
微笑みと涙で心がほっこり温かくなる作品。また一つ、好きな映画が増えました。

『丘の上の本屋さん』
3/3(金)より新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開

公式サイト:http://mimosafilms.com/honya/
監督・脚本:クラウディオ・ロッシ・マッシミ 
出演:レモ・ジローネ、コッラード・フォルトゥーナ、ディディー・ローレンツ・チュンブ、モーニ・オヴァディア
2021年/イタリア/イタリア語/84分/カラー/2.35 : 1/5.1ch
原題:II diritto alla felicità  
配給:ミモザフィルムズ 
© 2021 ASSOCIAZIONE CULTURALE IMAGO IMAGO FILM VIDEOPRODUZIONI

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    • ひろたみゆ紀
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      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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