おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
2/12は、それぞれの国を代表する監督が脚本も執筆、俳優達の確かな演技力で魅せる3本をご紹介。
2本目は、イタリアの実話から生まれた涙なしには見られない希望と感動の物語
『いつかの君にもわかること』
日本でもロングラン大ヒットを記録した『おみおくりの作法』の巨匠ウベルト・パゾリーニ監督の待望の最新作は、実際の記事からインスパイアされた父と息子、家族の物語です。
窓ふき清掃員として働く33歳のジョンは不治の病で余命あとわずか…。
妻に逃げられ頼れる身内もなく、男手一つで4歳のマイケルを育ててきた彼は、死を理解するには幼過ぎる純真無垢なマイケルを守るため養子縁組の手続きを行い、自分が亡き後、息子が一緒に暮らす“新しい親”を探し始めます。ジョンとマイケルは、理想の家族を求め、何組もの家族と面会しますが、なかなか見つかりません。
「息子は誰と一緒なら幸せな人生を送れるのか?」人生最大の決断を前に進むべき道を見失うジョン。しかし、献身的なソーシャルワーカーとも出会い、自分の不甲斐なさに押しつぶされそうになりながらも、ジョンが最期に選択する息子にとって最良の未来とは?
ジョンを演じたのは、このコーナーでもご紹介した『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』や『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』などで活躍するジェームズ・ノートン。
この作品はセリフも少なく、淡々と凄く控え目に作られている印象なのですが、ちょっとした表情から、息子の将来を心配する命短い父の心情が手に取るようにわかるのです。
そして、さらに素晴らしかったのが、マイケルを演じた撮影当時4歳のダニエル・ラモント。
監督が100人に及ぶ候補者の中から見出した逸材、もちろんこれがデビュー作です。
食べちゃいたいくらい可愛いのはもちろんですが、「なに?この演技力~?」びっくりしますよ。大好きなお父さんと一緒の時の幸せそうな顔、仕事中に預けられたおうちでの淋しそうな背中、次々と訳もわからず連れていかれる里親の家での戸惑いの表情…全部理解してやっているのか、それとも…いずれにしても天才的な演技です。
この撮影のために、何カ月も一緒に過ごしたという2人は、もはや親子にしか見えません。
マイケルに死を理解させようとするジョンの言葉。そして、最期のシーンが目に焼き付いています。可愛いから、切ないから、悲しいから、温かいから、優しいから…涙の理由がすべてここにあります。
生と死への新しいアプローチ、余命僅かなシングルファーザーが息子に遺す新たな家族とは?
秀逸なタイトル!そうあってほしいと願うばかりです。
『いつかの君にもわかること』
2月17日(金)より、YEBISU GARDEN CINEMA他全国順次公開
公式サイト:https://kinofilms.jp/movies/nowhere-special/
監督・脚本:ウベルト・パゾリーニ
出演:ジェームズ・ノートン、ダニエル・ラモント、アイリーン・オヒギンス
2020年|イタリア、ルーマニア、イギリス|英語|95分|カラー|ビスタ|5.1ch|原題:Nowhere Special |
字幕翻訳:渡邉貴子|映倫G
提供:木下グループ 配給:キノフィルムズ
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