ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2023.01.08

サンデー早起キネマ『ドリーム・ホース』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
1/8は、各国から届いた新春にふさわしい3本をご紹介。

1本目は、臨場感たっぷり、実話をもとにした“胸が高鳴り、心躍る”物語
『ドリーム・ホース』

舞台は、イギリス・ウェールズ。かつては炭鉱で栄えたものの、今ではすっかり寂れてしまった谷あいの小さな村。
主人公は、子どもたちが巣立ち、無気力な夫ブライアンと二人暮らしの主婦ジャン。昼夜掛け持ちのパートと近所に住む親の介護だけの“何もない人生”を送っています。
ある日、ジャンは馬主経験があるハワードの話に触発されて、競走馬を育てることを思いつきます。幼い頃から動物たちを飼育してきた彼女は、ドッグレースや鳩レースを制したこともあったのです。
馬主のバイブルを熟読し研究したジャンは、勝利したことはないけれど血統のいい牝馬ルーベルを貯金の300ポンドをはたいて買い、ブライアンが市民農場に建てた馬小屋で育て始めます。そして村のみんなに「馬主組合を作ろう」と呼びかけ、20人が集まり、2年間、毎週10ポンドずつ出し合い、馬を育てることになりました。
やがてルーベルは仔馬を産み、“ドリームアライアンス(=夢の同盟)”と名付けられます。ジャンが積極的に売り込んだおかげで国内最高の調教師に見てもらえることになったドリームアライアンスは、彼らの夢と希望を乗せ、奇跡的にレースを勝ち進みます。
「もはや寂れた村で送るくすぶった人生じゃない!」ドリームアライアンスの快進撃が彼らの人生をも変え始めた時、華々しいビッグレースに出場することになるのですが…。

小さなコミュニティで実際に起きたこのドラマティックな物語は、ビッグレースを制した2009年当時、大きな感動を呼び注目を集めました。2015年にはドキュメンタリー映画も作られ、サンダンス映画祭で観客賞を受賞。今回の長編映画化に繋がりました。

ジャンを演じたのは、コメディからホラーまで幅広い役をこなす実力派女優トニ・コレット。
馬を愛おしむ優しい目と、ドリームアライアンスのお陰で何もなかった人生がだんだん輝いていく様子に、観ているこちらも胸がときめきました。
そして名優に負けず劣らず馬たちの演技が素晴らしい!ドリームアライアンス役は、仔馬を含め全部で7頭。さらに劇中、5つのレースに出場するのですが、全部で39頭の馬が出演しています。このレースの様子も大きな見どころです。気が付いたら拳を握って応援していました。

馬主組合を作る時、彼らが確認したのは「決して儲けようとしないこと」。儲けではなく〈胸の高鳴り=ウェールズ語で“ホウィル”〉を求めて結成したのです。
そう、この作品は日々繰り返される生活の中で、いつの間にか希望や生きがいをなくしてしまった大人たちに“ホウィル”(=胸の高鳴り)を教えてくれるのです。
いつも何かにドキドキして生き生きと生きて行きたいあなたに、新春に是非ご覧頂きたい作品です。

『ドリーム・ホース』
2023年1月6日(金)より
新宿ピカデリー・ヒューマントラストシネマ有楽町他
全国新春ロードショー

公式サイト:cinerack.jp/dream/
監督:ユーロス・リン
出演:トニ・コレット(『ナイトメア・アリー』『リトル・ミス・サンシャイン』)
ダミアン・ルイス(「HOMELAND/ホームランド」『われらが背きし者』)
2020年/イギリス/英語/114分/スコープ/カラー/5.1ch/原題:DREAM HORSE 
後援:ブリティッシュ・カウンシル 配給:ショウゲート 
© 2020 DREAM HORSE FILMS LIMITED AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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