おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
12/11は、圧倒的な強さを持つ主人公にくぎ付け!の3本をご紹介。
1本目は、実在の人物をモデルした作品。主演の岸井ゆきのさんにくぎ付け!
『ケイコ 目を澄ませて』

聴覚障害と向き合いながら実際にプロボクサーとしてリングに立った小笠原恵子さんをモデルに、『きみの鳥はうたえる』の三宅唱監督が新たに生み出した物語です。
三宅監督は、小笠原さんの生き方や魂のようなものを最大限表現することを大切に、「ケイコ」という新たな人物の物語を16mmフィルムに焼き付けました。

主人公のケイコは、嘘がつけず愛想笑いが苦手。生まれつきの聴覚障害で両耳とも聞こえません。
ホテルで客室清掃の仕事をしながら、再開発が進む下町の一角にある小さなボクシングジムで日々鍛錬を重ね、プロボクサーとしてリングに立ち続けます。
母親からはいつまでボクシングをやるつもりなのかと心配され、言葉にできない思いが心の中にたまっていくケイコ。
「一度お休みしたいです」とジムの会長宛に手紙を書いたものの出せずにいたある日、ジムが閉鎖されることを知り、彼女の心が動き始めます。

「20代後半の1人の人物が自分の好きなことをこのまま続けていくのか、それとも別の生き方をするのか…多くの人に共通する人生の岐路の物語だと考え、そこに焦点を当てました」という監督。
言葉はなくとも、表情や行動に現れるケイコの気持ちが痛いほど伝わってきます。
そんな素晴らしい演技をしたのが岸井ゆきのさん。

監督と2人、撮影の3ケ月前からジムに通ってボクシングを基礎から学びました。もちろん手話も。
ゴングの音もセコンドの指示も、レフリーの声も聞こえない中、じっと目を澄ませて闘うケイコ。そんな雄々しいリング上の姿の陰には、不安や迷いに押しつぶされそうになる苦しみがあります。
それでも、一歩ずつ歩みを進めていく、生身の等身大の女性を見事に演じました。

自分の十字架になるような映画にするという覚悟で臨んだ岸井さんは「撮影中、ワンカットが終わるたびに、何か大事なものを失っていくという感覚がありました」といいます。
そして、その失ったと感じたものが完成した作品に映し出されていたというのです!
そこまでの思いで取り組んだ作品、ケイコの心の迷いやひたむきさがスクリーンからほとばしるようで、まるで我がことのようにケイコを応援し、ケイコに励まされている自分に気が付くのです。

『ケイコ 目を澄ませて』
12月16日(金)よりテアトル新宿ほか全国公開
公式サイト:映画『ケイコ 目を澄ませて』公式サイト (happinet-phantom.com)
配給:ハピネットファントム・スタジオ
©2022 「ケイコ 目を澄ませて」製作委員会/COMME DES CINÉMAS

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