おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
8/21は、魅力的な強い個性の主人公に圧倒される3本をご紹介。
2本目は、LGBTQと老い、もがきながら生きてきた主人公から勇気をもらえる実在の人物をモデルにした心温まる作品
『スワンソング』

“スワンソング”それは、アーティストの“生前最後の作品”のこと。
「死ぬ間際の白鳥は、最も美しい声で歌う」という伝説から生まれた言葉です。

主人公は、ヘアメイクドレッサーとして活躍してきたパトリック・ビッツェンバーガー“ミスターパッド”。
同性愛者のパットは最愛のパートナー、デビッドを早くにエイズで無くし、今では仕事も引退して老人ホームでひっそりと暮らしています。
ある日、そんなパットの元に思わぬ依頼が!かつての顧客で街一番のお金持ちであるリタが亡くなり、「パットに死化粧をしてほしい」と遺言を残していたのです。
リタの葬儀を前に、パットの心は揺れます。
すっかり忘れていた仕事への情熱、友人でもあるリタへの複雑な想い、そして自分自身の過去と現在…。
人生の最後に人は何を残すことができるのか?そんな疑問に突き動かされるように老人ホームを抜け出したパットが、リタの元に行くまでに多くの人と出会い、過去の自分と向き合うことで決意を固めていきます。
それは、いつか誰もが向き合うことになる人生最後の決断でもあったのです。

ミスターパットを演じたのは、ドイツ出身でハリウッドでも活躍する世界的名優ウド・キアー。
昔の指輪をつけてうっとりする姿、最愛の人の墓石を抱いて泣く姿、昔の弟子と喧嘩する姿…時には激しく、時には茶目っ気いっぱいに、ゴージャスで華麗な彼が本当に可愛くて魅力的。ほとんど出突っ張り、“ミスターパット”という役を心から楽しんでいるのがわかります。

監督は自身も同性愛者であるトッド・スティーブンス。
彼が17歳の時、実在の“ミスターパット”に出逢い、いつか彼を題材にしたいと思い続け、40年近い時を経てその願いがかなったのです。
同性愛者の社会的な立ち位置や相続問題などリアルなトピックを散りばめ、エイズが蔓延した1990年代から現代までの彼らを取り巻く変遷を、優しさと愛を持って描きました。
シーンごとにピッタっとハマる音楽も見どころ、聴きどころの一つ。

人は歳を重ね、時代と共に価値観も変わります。
ある程度の年齢になれば誰もが避けることができない「自分の過去と向き合うこと」。それは時に辛いことかもしれません。でも、恐れることではないのだとこの作品が教えてくれます。自分の過去と向き合い、今の自分を作ってくれた過去を愛することで、昇華できるものがあるのだと。そして、それにはもう遅すぎるなんてことはないのです。

『スワンソング』
2022月8月26日(金)より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
公式サイト:swansong-movie.jp
監督:トッド・スティーブンス
出演:ウド・キアー、ジェニファー・クーリッジ、マイケル・ユーリー、リンダ・エヴァンス
2021年 / アメリカ / 英語 / 105分 / カラー / ビスタ / 5.1ch
原題:SWAN SONG 日本語字幕:小泉真祐
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
© 2021 Swan Song Film LLC

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