ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2022.07.31

サンデー早起キネマ『長崎の郵便配達』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
7/31は、この夏、是非ご覧頂きたいドキュメンタリー映画を2本ご紹介。

明日から8月。この時期になると毎年、日本人として思いを新たにすることがありますよね。
8月6日には広島に、9日には長崎に、原爆が落とされました。
世の中が不穏な空気に包まれている今、“原爆の日”を前に祈りのような作品が届きました。
『長崎の郵便配達』

この作品は、ピーター・タウンゼンド氏のノンフィクション小説「THE POSTMAN OF NAGASAKI」をベースにしています。
タウンゼンド氏は、第二次世界大戦中、イギリス空軍のパイロットとして活躍。退官後はイギリス国王の侍従武官を務めました。当時、エリザベス女王の妹マーガレット王女と恋に落ち結婚を誓いましたが、周囲の猛反対で破局。この世紀の大ロマンスは世界中で話題になったそうですから、“タウンゼンド大佐”と聞いてピンときた方もいらっしゃるかもしれませんね。
オードリー・ヘップバーン主演の『ローマの休日』のモチーフになったともいわれています。

タウンゼンド氏は、傷ついた心を癒すべく、1956年から世界一周の旅に出て自分を取り戻し、やがて戦争被害に遭った子供たちに焦点を当てた執筆活動を始めます。
そして、子供の頃、原爆を体験した人たちに話を聞くため訪れた長崎で出会ったのが、谷口稜曄さん。
16歳の夏、郵便配達の途中で被爆し、背中に大やけどを負いながらも奇跡的に生還。生涯をかけて世界中で核廃絶を訴え続けた方です。
タウンゼンド氏は、1982年に6週間にわたって谷口さんを取材し、「THE POSTMAN OF NAGASAKI」を書き上げ、1984年に米英で出版しました。

今日ご紹介している『長崎の郵便配達』は、タウンゼンド氏の娘で女優のイザベル・タウンゼンドさんが、父親の著書を頼りにその足跡をたどり、なぜ谷口さんの体験を本にしようと思ったのか、長崎で何を感じたのかを紐解いていきます。

監督は、川瀬美香氏。
谷口さんから「絶版状態にある「THE POSTMAN OF NAGASAKI」を復刊させたい」という思いを聞き、さらに、「父の意志を受け継ぎたい」と願うイザベルさんと出会い、映画の制作を決心します。
しかし、2017年谷口さんが亡くなりプロジェクトが頓挫しかけた時、奇跡が起きます。タウンゼンド氏の遺品から谷口さんを取材した時のカセットテープが見つかったのです。

そのテープのタウンゼンド氏の優しい声と小説の文章に導かれるように、イザベルさんは長崎を旅するのです。それは、戦争当時と取材した頃、そして今を繋ぐ時空を超えた旅でした。
やがて、タウンゼンド氏の心、谷口さんの思い、二人の友情に触れたイザベルさんに変化が起きます。
「ああ、こうして人の思いは次の世代に繋がっていくのだなぁ」と、とても晴れやかな気持ちになりました。
【核廃絶】谷口さんの思いが、長崎の思いが、広島の思いが、日本の思いが、世界に届きますように……。
“父が書いた平和の大切さを伝えるラブレター”を“娘がポストマンとなり世界へ配達する”感動の物語は、この夏、あなたの心に何を届けてくれるでしょうか?

『長崎の郵便配達』
8月5日(金)シネスイッチ銀座ほか全国公開

公式サイト:longride.jp/nagasaki-postman
監督・撮影:川瀬美香 構成・編集:大重裕二 音楽:明星/Akeboshi
エグゼクティブ・プロデューサー:柄澤哲夫
プロデューサー:イザベル・タウンゼンド、高田明男、坂本光正 プロダクション・アシスタント:坂本肖美
企画制作:ART TRUE FILM 製作:長崎の郵便配達製作パートナーズ
出演:イザベル・タウンゼンド、谷口稜曄、ピーター・タウンゼンド

2021年/日本/日本語・英語・仏語/97分/4K/カラー/2.0ch/日本語字幕:小川政弘 フランス語翻訳:松本卓也
©️The Postman from Nagasaki Film Partners
©︎坂本肖美
配給:ロングライド 

 

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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