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5/8は、主演の演技に圧倒される3本をご紹介。
2本目は、広瀬すずさんと松坂桃李さんの演技に圧倒された
『流浪(るろう)の月』
原作は、2020年本屋大賞を受賞した凪良ゆう氏の同名の傑作小説。
脚本と監督は、『フラガール』でその地位を築き、『悪人』『怒り』など、深い人間洞察に満ちた作品を次々と発表している李相日氏。
映像監督は、李監督が熱望し韓国から招いた『パラサイト 半地下の家族』のホン・ギョンピ氏。
原作の世界観を失うことなく、映像ならではの深みと悲しいまでの美しさが胸に沁みました。
そして、改めて、広瀬すずさん、松坂桃李さんの熱演に心をわしづかみにされました。
家に帰りたくない事情がある10歳の家内更紗は、その日も公園でひとり本を読んでいました。
突然降り始めた雨に傘をさしかけたのは19歳の大学生・佐伯文。
「うち、来る?」その一言から始まった2人の共同生活は、とびきり自由で温かく、初めてお互いに息のつける奇跡のような日々でした。
けれど、夏の終わりのある昼下がり、その幸せな夢のような時間は唐突に終わりを告げます。
その日から更紗は「家内更紗ちゃん誘拐事件」の“被害女児”、文はその“誘拐犯”となったのです。
そして15年後2人は偶然再会しますが、更紗のそばには婚約者の亮が、文の傍らにも一人の女性が寄り添っていました。
あの頃のように隣にいるには、お互いに背負うものが大き過ぎたのです。
15年後に再会した大人の更紗を演じたのが広瀬すずさん。
幼い頃から心に抱えていた傷、さらに事件後に付けられた大きな傷を隠し日々を送る更紗。広瀬さんは、弱さと強さが同居した更紗そのものでした。
ちなみに子供の更紗を演じた白鳥玉季ちゃんも、いつもに増して迫真の演技でした。
そして、文役は松坂桃李さん。少年のような透明感に目が離せませんでした。どんな役でも自然にできる、その人になれる、本当に素晴らしい役者さんだと改めて思いました。
他に、更紗の恋人役は横浜流星さん、文に寄り添う看護師役に多部未華子さんなど、今までのイメージを壊すほどの演技を見せてくれました。
誘拐犯と被害女児…でも真実を知っているのは2人だけ。
普通は、あり得ない、世間に許されない関係かもしれませんが、でも真実を知ったら…何が正しくて何が悪いのか、わからなくなってしまうかもしれません。
そして、知らず知らずのうちに誰かを貶めてしまう、そんな恐ろしい世間の自分も一員なのだと、愕然とするのです。
家族でも友達でも恋人でもない2人の絆に心の一部が抉られるほどの衝撃、ぜひ確かめてみてください。
『流浪(るろう)の月』
5月13日(金) 全国ロードショー
公式サイト:映画『流浪の月』 公式サイト (gaga.ne.jp)
原作:凪良ゆう「流浪の月」(東京創元社刊)
出演:広瀬すず 松坂桃李 横浜流星 多部未華子
監督・脚本:李相日
撮影監督:ホン・ギョンピョ
音楽:原摩利彦
製作総指揮:宇野康秀
配給:ギャガ
©2022「流浪の月」製作委員会
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