ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2022.04.03

サンデー早起キネマ『TITANE/チタン』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
4/3は、ハラハラドキドキ、公開されたばかりの3本をご紹介。

2本目は、2021年カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞!
こんな作品は初めて。考えたことも見たこともない想像を絶するぶっ飛んだ作品
『TITANE/チタン』

主人公は、幼い頃交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンプレートが埋め込まれた女の子アレクシア。
彼女はそれ以来〈車〉に対し、異常な執着心を抱き、危険な衝動に駆られるようになります。
やがてエスカレートした行動が大きな罪を犯し行き場を失った彼女は、ある日、消防士のヴィンセントに出逢います。10年前に息子が行方不明になり、今は孤独に生きるヴィンセントに引き取られたアレクシア。2人は奇妙な共同生活を始めます。
しかし、彼女は体に重大な秘密を抱えていたのです……。

ⒸCarole_Bethuel

監督は、長編デビュー作『RAW〜少女のめざめ〜』でカンヌ国際映画祭・国際映画批評家連盟賞に輝き、鮮烈な印象を残した女性監督のジュリア・デュクルノー。
2作目のこの作品で、カンヌ国際映画祭の最高賞に輝く偉業を成し遂げました。
監督曰く「初めは暴力のせいで“嫌な”感じに見えるかもしれないが、そのうちみんなの中にキャラクターへの深い愛着が湧いて、最終的にラブストーリーに思える映画にしたかった。“愛の誕生のストーリー”である」と。確かにその通りなんです。
最初は「ええええーーーー?!なにが起きてるの?」とただただ驚き、「これはアリなのか?」と戸惑うばかりなのですが、後半から様相を変え、どんどん見ているこちらの心持ちが変化していくんです。最後には、気づけば頬を涙が伝っていました。
まあ、デュクルノー監督の手のひらにまんまと乗せられちゃったわけなんですが。

ⒸCarole_Bethuel

そう思わせられるのも、アレクシアとヴィンセントのおかげです。
アレクシアを演じたのは、この作品が長編映画デビューとなったアガト・ルセル。
角度によって女性にも男性にも、天使にも悪魔にも見える不思議な魅力があります。
そして、ヴィンセント役は、フランスの名優ヴァンサン・ランドン。
消防士らしい、いえ、完全に消防士を超えているバキバキの肉体と異様な迫力に圧倒されます。

ⒸCarole_Bethuel

動物的なものから衝動的なものになり、そして神聖なものへ…。
行き先不明の映像体験による困惑と驚愕、感動を超えた新たな時代を生き抜く存在に、こちらの意識も完全に生まれ変わります。

ⒸCarole_Bethuel

『TITANE/チタン』

新宿バルト9ほか全国公開中

公式サイト:映画『TITANE チタン』公式サイト (gaga.ne.jp)

監督:ジュリア・デュクルノー(『RAW~少女のめざめ~』)
出演:ヴァンサン・ランドン、アガト・ルセル
原題:TITANE
2021年/フランス/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/108分/字幕翻訳:松崎広幸/R-15+
提供:ギャガ、ロングライド
配給:ギャガ
© KAZAK PRODUCTIONS – FRAKAS PRODUCTIONS – ARTE FRANCE CINEMA – VOO 2020

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      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

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