ひろたみゆ紀のサンデー早起き有楽町

2021.09.26

サンデー早起キネマ『殺人鬼から逃げる夜』

おススメの最新映画をご紹介している“サンデー早起キネマ”
9/26は、正反対の作品を2本ご紹介。

1本目は、韓国から届いた逃走サイレントスリラー
『殺人鬼から逃げる夜』

原題は『ミッドナイト』ですが、日本のタイトルは『殺人鬼から逃げる夜』。
タイトルそのまんまの作品です。
連続殺人犯から逃げて逃げて逃げまくる“たった一晩”の話。
でも、とっても恐ろしく長い夜…観ていると、はっきり言ってイライラしますし、とにかくもどかしいです。

犯人が一体誰なのか分からないのも恐ろしいですが、最初からわかっているのに、なんでこんなに逃げられないの?なんでみんなあっさり犯人に騙されちゃうの?…というもどかしさで、キーっとなって、身をよじりたくなるんです。
それほど巧みに作られているというか、状況が完璧なのです。

主人公は、聴覚障害のある女性ギョンミ。正義感が強く明るくて機転の利く女の子。お客様相談センターの手話部門で働き、同じように聴覚障害を持つ母親と仲良く二人で暮らしています。
ある日、帰宅途中に血を流して倒れている女性を発見したギョンミは、近くに身を潜めていた連続殺人鬼ドシクの次のターゲットにされてしまいます。
聴覚障害のあるギョンミには、犯人が追いかけてくる足音も聞こえなければ、助けを呼ぶ言葉も誰にも届きません。
ドシクはそんな彼女を、まるでゲームを楽しむかのように追い詰めていきます。
周りに疑われそうになると、善良なサラリーマンになりすましたり、ギョンミの兄のふりをしたり…そんな彼の巧妙なワナに、警察も善良な街の人たちも、みんながハマっていくのです。
果たしてギョンミは殺人鬼ドシクの手を逃れて、無事に朝を迎えることができるのでしょうか?

何も聞こえない中で、殺人鬼から逃げることがどれほど大変なことなのか。助けを求めているのにわかってもらえない、これがどんなにもどかしいことなのか。
観ているうちに、胸を拳で叩きたくなります。そして、自分がギョンミと同化していることに気づくのです。
殺人鬼に追われるという状況自体なかなかないことですが、そんな特殊な状況ではなくても、相手を咄嗟に理解することは難しいのかもしれないと実感しました。

一方で、理解するのが難しいこともあるということを知っているのといないのとでは、大きな違いがあります。
「相手の立場に立って考える」とよく言いますが、それがどういうことなのか、改めて考えさせられました。
主人公のギョンミの機転と「何が何でも生き抜くんだ」という力に救われます。
ギョンミと一緒に走って走って夜を逃げた後に待っている衝撃の結末に、あなたは何を思うでしょうか?

『殺人鬼から逃げる夜』

9月24日(金)TOHOシネマズシャンテほか全国にて順次公開

公式サイト:映画『殺人鬼から逃げる夜』 公式サイト (gaga.ne.jp)

配給:ギャガ© 2021 peppermint&company & CJ ENM All Rights Reserved.

最新番組ブログ
    パーソナリティ
    • ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀
      ひろたみゆ紀

      ひろたみゆ紀

      6月25日生まれ 栃木県出身 特技:韓国語 趣味:DIY
      元NHK宇都宮放送局のキャスター レディオベリー(エフエム栃木)アナウンサー  2001年からフリーに。
      以降、ニッポン放送でアシスタントやリポーターを務めるなどフリーアナウンサーとして活動。

      2009年、語学留学のため、渡韓。
      卒業後は現地で日本語を教える傍ら、2011年4月より翌年6月まで
      レディオベリーの韓国情報番組『K-ONECT』のパーソナリティを務めていた。
      韓国語と韓国の生活文化を身につけ、2012年9月に帰国。

      現在はニッポン放送アナウンス部に所属。

    • 過去のホームページ
    • 中山秀征の有楽町で逢いまSHOW
    • ウィークエンド・ケアタイム 「ひだまりハウス」 ~うつ病・認知症について語ろう~