今週のゲストは、日本映画放送株式会社社長の杉田成道さん。杉田さんが作られた「北の国から」のお話や、現在力を入れてらっしゃる「時代劇」などについてお話を伺いました。

名作「北の国から」への思い、時代劇を手がける理由とは？

東島：杉田さんは1943年、昭和18年生まれ。愛知県豊橋市のご出身です。生家は江戸時代から続く老舗の酒問屋だとか。慶應義塾大学文学部を卒業されてフジテレビへ入社。報道志望でしたがドラマ制作に配属。一時期、産経新聞へ社会部記者として出向されましたが局への復帰後は一貫してドラマの制作に携わって数々の作品を手がけられ、あの「北の国から」で名実ともにフジテレビの看板ディレクターとなられました。現在は日本映画放送株式会社の社長でいらっしゃいます。社長ですが、まだ現役の監督でもいらっしゃるんですよね。

須田：今日はですね、そういったドラマの演出家でもあり、なおかつ日本映画放送の経営者として辣腕をふるっていらっしゃる杉田社長に最近の時代劇と衛星放送のことなど色々とお話を伺っていきたいと思います。まずは、杉田さんが社長に就任されて会社が黒字になってきたとか？

杉田：いやいや、もうたまたまですね。たまたま、多チャンネル放送というのが右肩上がりのところに前社長がフジテレビの社長になったので、それで「お前、やれ」と言われてなっただけで本当になんちゃって社長でございまして、一番初めになるときに当時のフジテレビの会長から言われたのが「何もするな」、そして「歩く広告塔になれ」、そして「女子社員が多いから女子社員に気に入られるようにしろ。ただし気に入られすぎるな」ということでした。それでなんとなくなって、なんとなくきた感じでございます。

須田：今日のこの番組収録、僕は感激しています。過去を振り返るようで嫌なんだけれども、「北の国から」！よかった〜！！ほんとなんであんなに感情移入ができたのかなって不思議なドラマでしたけどね。

杉田：不思議でしたね。僕らも作っていて不思議だったんですけれど。あれは「北の国から」という霊が作っていたというね。作家の倉本さんも我々もその霊に引きずられてやっていた感じがしますね。22年続きましたからね。

須田：まだまだ続編見たかったなー。あの辺がちょうどいいキリなんですか？

杉田：そうですね。色々な意味で一区切りがつきましたね。同じスタッフでないと俳優さんも出ないということがあって、それで家族のようにやってきたのでその中に亡くなった方ももちろんいますけれども俳優さんもお亡くなりになりましたし、そのような中でこれ以上はちょっと難しいとなったことは確かですね。

須田：当時はドラマを見て泣くということがよくあったのだけれども、最近はそういう感激・感動ってなくなってきたんですかね？

杉田：その場合のドラマって地上波のドラマってことですよね？地上波のドラマはこの10年、変質してきたような感じがいたしますね。それは一つは刑事ドラマとか医者モノにほとんど占領されておりまして、昔は「北の国から」のようなホームドラマがドラマの王道でした。それがほとんど姿を消してきて、それは核家族とか色々な原因がありますけれども、逆に数字を取りに行くために視聴者に対して「これでもか、これでもか」という部分が多い気がして、作る側が視聴者を引っ張っていこうっていうか「こういうものをやりたいんだ」という意思を感じられるドラマというのが少なくなってきました。もちろん、ないわけではありませんが。

須田：最近は「時代劇」というところに強いこだわりを持っておられるんですか？

杉田：私のところでは「時代劇専門チャンネル」というのと「日本映画専門チャンネル」というのをやっていますけれども、8年前に「最後の忠臣蔵」という映画を役所広司で作ったんです。そのときに京都の太秦の撮影所に行きまして、一番驚いたのはスタッフが80代。若くても60代。40~50代が全くいないんですよ。それというのは、時代劇が地上波から消えちゃって今はほとんど作られていませんのでみんな仕事がなくてタクシーの運転手や農家で常に臨時雇いでないと生活ができないので。そうすると家庭がある人たちはだんだんと苦しくて歯抜けのように抜けていってしまっていました。

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その他にも「時代劇」の魅力や難しいところ、「衛星放送」についてや「演出家」というお仕事のお話をお伺いしました。続きはぜひYouTubeでお聞きください。

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