共産党は指導者を大切にする組織である
須田)外部から見ていると、共産党には共産党のロジックがあるのでしょうけれど、志位さんは、委員長になってからもう何年たちますか?
筆坂)ずいぶん長いですね。もう委員長を20年以上勤めているでしょう。
須田)長すぎませんか、コレ。
筆坂)長すぎますよね。
須田)これ、共産党なのですよ。共産党というのは、その前の不破さんも長かったし、宮本さんだって長かった。宮本さんに比べれば志位さんはまだ短い方かもしれない。
筆坂)なるほど。
須田)共産党というのは、基本的に幹部を大事にするのですよ。指導者を大事にする。「指導者さえしっかりしていれば、この組織は保つ」と。逆に指導部がつぶれたら、共産党は保たない」と。これはレーニン由来の考え方です。ですから、共産党の党大会で、毎回あるわけではないですが、幹部政策というのがある。それが若手の幹部を意識的に育てている。そして党の指導者、指導部になれるように育てる幹部政策というのがある。こんな政策を政党で行っているのは、多分共産党だけだと思います。
ただ、そういう意味では、やはり共産党という組織はトップが大事なのですよ。ここがしっかりすれば。あるいは10人なり20人なり、指導部がしっかりすれば、共産党は保つ。
変わりつつある共産党 原因はカリスマ不足?
須田)そういった意味で言うと、どんな組織でも、長期政権になると権力が腐敗するとか、一定の方が来るとか言われますが、聞くと、共産党の中にも今、まさに変動の動きがでているように聞いているのですが、何か聞いていませんか?
筆坂)異常だな、と思った出来事があります。かつてなら絶対あり得ないこと。何かと言うと、党大会が終わったとき。先ほどの、小沢さんが来たときの。志位さんが「100点満点」だと言った。ところが報道を見ると、小池局長が「いや。200点だ」と。たとえば宮本顕治さんがトップの時、彼が「100点満点」と言ったときに、不破さんが横から「200点です!」と言ったか? 絶対にあり得ない。不破さんがトップの時に後ろから志位さんが「いやいや、200点です!」とは絶対に言わない。最初に「共産党には1位しかいない」と言ったのは、トップというのはそれほどずぬけた存在だったのですよ。不破さんも。ところが、いま志位さんはトップなんだけれど、平気でナンバー2の人が「200点です」と訂正してしまうわけでしょう? これは今までない。
須田)どう読み解いたらよいのですか?
筆坂)宮本顕治、不破哲三というのは、カリスマだったのですよ。巨人でした。宮本顕治は戦前のね、いろいろな弾圧を受けても、黙して通して貫いて、そして出てきた。不破さんは特別に頭が良くて、マルクスもエンゲルスもレーニンも、もう全部読んでいる、超優れた理論家というのでカリスマ性があった。志位さんも優秀な人だと思います。しかし、そういうカリスマ性がないのです。
須田)そうすると、近々何か共産党で起きる、という可能性もあると。
筆坂)あるかもわからないですね。
これからの共産党はこうなって欲しい
須田)最後になるのですが、まあ、共産党愛、というのはあまり感じませんでしたが、再入党、ということはありますか?
筆坂)あり得ません(笑)
須田)もしね、今日ずっと共産党の悪口ばかり言っているように思えるので、いいところを、あえて筆坂さんにお聞きすると……
筆坂)僕は批判しているようだけれど、別に1人の共産党に対して批判するつもりはないのです。なぜかというと、共産党に入る気持ちというのは、みんな「善意」ですよ。だって共産党に入って出世とか銭儲けとか、そんな気持ちではいる人はいませんよね。出世も金儲けも出来ませんから。そうすると、「社会の役に立ちたい」と思って、みんな共産党にはいるわけです。ですから、その善意の気持ちというのは、否定することは出来ないと思います。僕はそれはそれで大いに頑張って貰いたい。
ただ、はっきり言って、僕の時には社会主義から資本主義というのは必然だと。これがマルクス主義のある意味、真髄ですよ。しかし、これが必然で無かったということは、もう歴史が証明してしまったわけです。だからそういう意味で、共産主義は科学的でも何でもないということに目覚めてほしい。そして、善意の気持ちがあるわけですから、やはり社会に本当に役立つ政党として頑張って貰いたいと思います。
須田)その善意をコアとして。だって民青の方とか、けっこう汗をかいて頑張っていますよね。
筆坂)頑張っている。ただ、それがいい方向に……もう僕はですよ? 実際問題今党員を見て、「さぁ、社会人革命だ!」なんて思っている人は、誰もいません! それは志位委員長も含めて。だったら、もうそんなことは良いじゃないかと。
自民党ではない、公明党でも民進党でもない、共産党ならではの庶民のための政党に衣替えしても良いじゃないか、という風に思います。
東島)ということで、今週のゲスト、筆坂秀世さんでした。
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