須田慎一郎のニュースアウトサイダー

2017.06.05

安倍総理に訊く、テロ等準備罪のこと

安倍総理、一般市民も捜査対象になるのではないでしょうか?

須田) 裏話をしますと先月の22日の日曜日に、2週分収録する予定だった。ところが1本目が終わった後に総理周辺が慌ただしくなって、急いで官邸に戻らなくてはならなくなった。北朝鮮のミサイルが飛んだということでしたよね? また来ますと言われましたが、来てくれるのかなと。
このまま終わってしまうのではないかこの番組は、と思っていたのですが。本当に来ていただけました。ありがとうございます。

安倍総理) 私は約束したことは必ず実行しますから。

安倍総理) あのときも収録が終わった段階で、すぐに官邸に向かいましたが、私がどこにいても常に官邸は対応できる体制を整えております。あのときはNSC(国家安全保障会議)を開いて状況を分析して、どう対応していくかを議論するわけです。
金正恩委員長になってから、金正日時代のすでに2倍を超える数のミサイルを約1年で発射している。かつ性能も向上してきています。言わば新しい段階の脅威となったと思います。

須田) ミサイルが飛ばされると、一瞬ブチ切れそうになったりはしませんか?

安倍総理) そこはもう冷静に、対応すると。
何よりもまずミサイル発射という情報を得たら、国民の命を守らないといけません。例え海に堕ちたとしても、そこで漁をしている方もおられるかもしれませんし、通過している舟もあるし、空を飛んでいる飛行機もありますから。
その安全状況を直ちに把握しなければいけないと思います。もし国民に被害が及び危険性があれば、国民に周知していくと。そういう責任を果たさなければならないという思いです。

須田) 今日は想定台本を用意してきたのですが、そんなものは一切無視して、ぶっちゃけトークでうかがいたいと。よろしいでしょうか?

安倍総理) どうぞ。

森友学園問題で懸念された昭恵夫人との夫婦仲は?

須田) 1番最初に伺いたいのは加計学園問題もそうですが、一部のメディアが、意図的に総理を攻撃しているかのように、我々なんかは見えてしまいますが。認識は共有されているということでよろしいですか?

安倍総理) 常に行政を進めていくことにおいては、メディアの批判は覚悟しないと思います。意外と思われるかもしれませんが、メディアの批判に対して私は真摯に向き合わなければならない。「こういう問題があるのかな?」「あるいは私の態度に問題があるのかな?」と思いながら、改めるべきは改めなければいけないと思っています。
大切なことは事実に基づいて、何が事実であるのか、何が真実であるかに基づいて報道していただきたいと思います。

須田) 週刊新潮をパラパラとめくっていたら、こんなグラビアが出てきてしまった。手を伸ばしているけど差し伸べない、総理と昭恵夫人を切り取った写真です。
ちょっと心配していますが、森友学園問題を巡って夫婦仲が悪くなってしまったのではないかなと。

安倍総理) この写真の0.5秒後には手を繋いでおりますから。

須田) あ、仲は良いのですね。安心していいのですね?

安倍総理) ぜんぜん問題ないです。

須田) 怒られているのではないかと心配していましたよ。

安倍総理) 須田家のように円満な。

須田) ちょっとね、うちは心配です。こう上手くいく方法はありますか?

安倍総理) 立場を尊重することですね。

須田) 相手の立場を?

安倍総理) 妻にも尊重してもらいたいと思っておりますが。お互いに尊重し合うことじゃないですかね。

テロ等準備罪は国民の命を守るために必要な法案

須田) そういった中でここ一連のいろんな動き、日替わりメニューでいろんな問題が起こりますよね。疑惑だったり共謀罪の問題があったり。今、総理が国民にぜひこれだけは一番言いたい、伝えたいということは何ですか?

安倍総理) 国会での議論の焦点、ひとつは私たちが逓送しているテロ等準備罪です。これはほとんどの国々が締結をしている、いわゆるTOC条約というのがあります。国際組織犯罪防止条約を締結していないと、例えば捜査を互いに協力し合いながら進めていくこともできませんし、テロを防止するための情報を共有することもできません。
ましてや犯人を引き渡すこともできないわけであります。野党はテロのためにそれは必要ないのではないかということを言っています。
しかしそれは間違いで、例えば毒物を水道に混入させるために毒物を準備したとしても、その段階では刑法の水道毒物等混入罪で処罰することができない。いかにもテロリストがやりそうな企てのひとつだと思いますが、今議論している法案が成立すれば、準備した段階で検挙することが可能になります。国民の命を守るために必要な法案だと思っていますし、サミットにおいてもこういう法案を整備するのは常識です。日本は周回遅れですから。
まずは世界の国際的なスタンダードに追いつかなければ、テロを防止する上において日本には穴があるということになってしまいます。オリンピックやパラリンピック、ラグビーのワールドカップを開催する上において責任を果たすことができないと思っています。

テロ等準備罪の対象になるのは組織的な犯罪集団のみ

須田) 国民が一番心配しているのは、一般市民も捜査対象になるのではないか、いつ何時しゃべっている内容が伝わって漏れてしまうのではないかと心配しているのですが、その辺りはどうですか?

安倍総理) 対象になるのは組織的な犯罪集団です。例えば暴力団とかテロリスト、麻薬密売組織に限られていますから。この人たちが一般人かといえば一般人ではないですよね。

須田) そういった組織に加入していない限り対象ではないと。

安倍総理) そうです。冷静に考えていただければ、普通に生活をしている一般の方々が対象になることはない。まさに攻撃をするために、メディアが不安を煽っているにすぎないと思います。

須田) そういった意味で言うと『印象操作』というキーワードがありますが、事実と違った方向に物事を移動していこうとする動きが、最近目立つように思えますが。その辺の認識はどうですか?

安倍総理) 最初にこういう結論に持って行こうという目的ありきなのですね。事実の積み重ねで、これが問題だということはないと思います。今のテロ等準備罪における一般の人が捕まるかもしれない、そんなことは先程も申し上げた通りありえない。
対象は組織的犯罪集団に限定しているわけですし。

須田) 今日の話を伺っているとわずか5分程度で理解できますが、何で延々と国会で議論を行っているのですか?

安倍総理) 私たちの法案がまるで内心の自由を侵すだとか、一般の方々を対象にするとか、政権や政府に対してものを言う、あるいは反対運動を起こしている人たちを対象にしているのではないかと、不安をあおるための議論を延々としているのだろうと思います。

日米安保改定時も「日本は戦争に巻き込まれる」と言われた

須田) 例えば安全保障法制以来定着していますが、国会前でたくさんの人がデモをやりますよね? ああいった状況を、総理はどのように受け取めておられますか?

安倍総理) まだ私自身の説明が不十分だとは思いますが、日米安保改定時にも「日本は戦争に巻き込まれる」と言われましたよね。あのときは10万人以上の人が国会前に集まった。今や日米安保条約についてはかつての社会党も、社民党という存在になっていますが、事実上日米安保条約を認めています。
またPKO、南スーダンで無事に任務を終了して部隊が日本に帰国しました。本当に良い仕事をしてくれたと思います。PKO法は成立をさせたときも「日本が戦争に巻き込まれる」あるいは「戦争する」という議論が出ましたが、今や多くの人たちが賛同してくれていると思います。また平和安全法制のときに「政府は徴兵するのではないか」。
今にも政府が戦争するようなプロパガンダがありましたが、まったくそんなことは起こりませんでした。特定秘密保護法についても、あのときは「映画がつくれなくなる」と言われましたよね? で映画がつくれなくなった人が1人でもいますか? 1人もいないでしょう。言論の自由は見事に守られている。須田さんも自由に発言していますよね。

須田) 日刊ゲンダイを見ると、言論の自由そのものじゃないかと。連日安倍さんの議案というか悪口で。

安倍総理) そうです。まさに言論の自由の証明じゃないかと思います。

須田) テロ等準備罪は今国会で間違いなく成立すると考えていいですか?

安倍総理) 成立を期していきたいと思っています。これからも丁寧でわかりやすい説明を心がけていきたいと思います。

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      須田慎一郎

      経済誌の記者を経て、フリーのジャーナリストに。週刊誌や新聞などで執筆活動を続けるかたわら、ラジオ、TVの報道番組で活躍中。政界、経済界での豊富な人脈を元に数々のスクープを連発。

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      東島衣里
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      東島衣里
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      1991年1月4日生まれ。
      長崎県出身。
      趣味は読書、料理。
      特技はバレエ、ぱぱっと料理。
      Facebook:東島衣里

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